尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

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2005.10/22開設

堀口大学「詩」

2005年12月16日 11時39分39秒 | 好きな詩と詩論抄
 「詩」
      堀口大学

難儀なところに詩は尋ねたい
ぬきさしならぬ詩が作りたい

たとえば梁(はり)も柱もないが
しかも揺るがぬ一軒の家

行と行とが支えになって
言葉と言葉がこだまし合って

果てて果てない詩が作りたい
難儀なところに詩は求めたい


 ★難儀なところとはどんなところでしょうか?
「楽しい詩ではなくて、自分は苦労したとか、悩んでいる暗い詩を書きたい」
 ということではないと思います。
それが証拠に、大学はウイットとユーモアのある詩やエロティックな詩をたくさん書いています。
「世間や自分に妥協するような安易なところではなくて、前人未踏の心の真剣なところで書きたい」
 ということだと思います。
そうでないと、人の心をほんとうに打たないからです。
詩の志がそうであるのは、とらえようとする人生はいつも前人未踏だからです。


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