「行ふべきもの」
室生犀星
詩よ亡ぶるなかれ、
詩よ生涯のなかに漂へ、
我が戯言(たわごと)も亡びることなかれ、
我が英気よ運命を折檻(せっかん)せよ、
行き難きを行け、
詩よ亡ぶるなかれ、
我が死にし後も詩よ生きてあれ。
汝の行ふべきものを行へ。
★詩よ亡ぶるなかれ‥詩よ生きてあれ‥‥いいですね!
犀星の詩はこうして日本語が滅ばない限り、白秋や朔太郎の詩と共に生き延びると思います。しかし僕の詩はもちろん、現代詩と呼ばれる大半の詩は生まれてすぐ死んでしまう運命にあるようです。それはそれとして、「詩よ亡ぶるなかれ」という気持ち、志は共通です。
僕が安心して訳のわからないいわゆる「現代詩?」を書いていけるのも、
「室生犀星」という心の故郷のような詩人を知りえたからだと思います。
もしあなたが詩を書いてみようと思われるなら、戦前の詩人の中で、一人でもファンを持つことをお勧めします。
戦争を境にして、残念ながらテクニックではなしに、詩の格の違いははっきりしています。何かを信じようとしている者達と、はじめっから信じられない所から始めなければならない私達の差です。
たぶん、私たちは何かを失ってしまっているのですが、何を失ったかさえ忘れてしまっているのです。彼らはその失いつつある時代と格闘したのではないでしょうか。)
室生犀星
詩よ亡ぶるなかれ、
詩よ生涯のなかに漂へ、
我が戯言(たわごと)も亡びることなかれ、
我が英気よ運命を折檻(せっかん)せよ、
行き難きを行け、
詩よ亡ぶるなかれ、
我が死にし後も詩よ生きてあれ。
汝の行ふべきものを行へ。
★詩よ亡ぶるなかれ‥詩よ生きてあれ‥‥いいですね!
犀星の詩はこうして日本語が滅ばない限り、白秋や朔太郎の詩と共に生き延びると思います。しかし僕の詩はもちろん、現代詩と呼ばれる大半の詩は生まれてすぐ死んでしまう運命にあるようです。それはそれとして、「詩よ亡ぶるなかれ」という気持ち、志は共通です。
僕が安心して訳のわからないいわゆる「現代詩?」を書いていけるのも、
「室生犀星」という心の故郷のような詩人を知りえたからだと思います。
もしあなたが詩を書いてみようと思われるなら、戦前の詩人の中で、一人でもファンを持つことをお勧めします。
戦争を境にして、残念ながらテクニックではなしに、詩の格の違いははっきりしています。何かを信じようとしている者達と、はじめっから信じられない所から始めなければならない私達の差です。
たぶん、私たちは何かを失ってしまっているのですが、何を失ったかさえ忘れてしまっているのです。彼らはその失いつつある時代と格闘したのではないでしょうか。)