尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

憑依(ひょうい)

2008年12月17日 23時03分55秒 | 詩の習作


取り憑かれると
昆虫のように目が鋭くなり
ぶんぶん唸りだす

狸や狐が憑依した
時代があった
本人は狸や狐だと思っているから
わからない
国家や思想が憑依した
時代があった
本人は国家や思想だと思っているから
わからない
今はワタシが
憑依している時代である
本人は私だと思っているから
全くわからない

取り憑かれると
昆虫のように目が鋭くなり
ぶんぶん唸りだす

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45秒

2008年12月17日 01時40分07秒 | フォトポエム


「45秒」


それでも私は考えるのだ
あなたを愛してしまった
それからあなたをすっかり忘れたので
こうして 雲一つない青い青い愛だけが
ひとりぼっちで残ってしまった、と

それでも思うのだ
愛をすっかり忘れて
ぽかんと浮かぶ雲のような
あなただけが残ったよりも
私はとても幸せであると

それでも願うのだ
名前まで忘れてしまったあなただけれど
夢の中でもう一度だけ
30秒でいいから
しっかり抱きしめたいと

その後の15秒で
サヨナラをちゃんと交わしてから
あなたも愛も私も
そう、私を
忘れてしまおうと

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