尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

次元

2008年12月07日 21時46分51秒 | 詩の習作
眠ることは
X軸とY軸をそのままに
Z軸を落ちていくことだと理解していた
しかしその夜僕は体ごと
X軸にそってY軸の無限へ
持っていかれたのである

眠りから醒めて
まだ自分が自分であることの
不思議を涙ぐんだ

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「エズミに捧ぐ」より

2008年12月07日 21時31分18秒 | 好きな詩と詩論抄
「エズミ、本当の眠気を覚える人間はだね、いいか、元のような、あらゆる機―あらゆるキ―ノ―ウがだ、無傷のまま人間に戻る可能性を必ず持っているからね。」



経文化と日記化の両極端を走り、読者を持たない現代詩にあって、むしろ古代からの詩は散文の中に細々と生きのびている、と言えるかも知れない。

世界と自分の何かが決定的に損なわれてしまってると感じている人は多いと思う。
それはいくら言葉や思想で補ってもザルのように漏れていく損傷である。
社会と個人のゆがみの中心には、ニヒリズムの原因であり帰結である戦争(ジェノサイド)の体験がある。
引用した二行に少しでも感じた人がいてまだ読んでいないなら、ぜひ一読を勧めます。

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