空は
一枚の青い皮膜ではないだろうか
はがせば
高く飛びすぎた鳥の落ちてくる
あなたは
一枚の肌色の皮膜ではないだろうか
はがせば魂の血がにじむ
世界は
一枚の透明な皮膜ではないだろうか
はがせば
神の泣いている
一枚の青い皮膜ではないだろうか
はがせば
高く飛びすぎた鳥の落ちてくる
あなたは
一枚の肌色の皮膜ではないだろうか
はがせば魂の血がにじむ
世界は
一枚の透明な皮膜ではないだろうか
はがせば
神の泣いている
幽霊は脚がないという
私の幽霊は脚だけがある
どんな男に殺されたのか
あるいはどんな男に捨てられて
死んだのか
夏の雨脚を
巧みに改行しながら
深夜にやって来て
まだ濡れている
美しい白い脚を
僕の目の前で
斜めにそろえた
あなたの詩にはポエジーが無いわね
脚の間だから
僕の原稿を見て
声を出した
膝頭を押し開いた
けれど花火は上がらなかった
頭や乳房や胴と一緒に
思い出は消されていた
私の幽霊は脚だけがある
どんな男に殺されたのか
あるいはどんな男に捨てられて
死んだのか
夏の雨脚を
巧みに改行しながら
深夜にやって来て
まだ濡れている
美しい白い脚を
僕の目の前で
斜めにそろえた
あなたの詩にはポエジーが無いわね
脚の間だから
僕の原稿を見て
声を出した
膝頭を押し開いた
けれど花火は上がらなかった
頭や乳房や胴と一緒に
思い出は消されていた