ブレンド日記

世の中の出来事・木馬での出来事・映画の感想・本の感想・観るスポーツ等々ブレンドして書いてみました。

(28)「民王」池井戸潤著(ポプラ社)・・7/2日読了

2010年07月04日 | 本の事
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 同じ作者の鉄の骨もとても面白かったけど、この本も楽しめた。
「旬の本は旬の間に売るんだけぇね、早く読みんさい。」といっていつものようにトンボが貸してくれた本だけど、サクサクと2日で読んでしまった。

突然辞任した前首相から政権を引き継いだ武藤秦山が総理大臣に就任した矢先、大学生の息子翔と中身が入れ替わってしまうのだ。(新種のテロ?により・・)
パロディでありコメディであり・・

それが、首相が漢字読めないのも、大臣がもうろう会見してしまうのも、実はその裏側には!想像を絶するその真実があったのだ。
これってもしかして、あの方たちの事?
いやぁーー。ちよっと待ってよ、なんなの、パクリなの、この筋書きは?と思って読みすすんで行くと・・・

訳のわからないトンデモない部分と、そうでない現実の間をギリギリ進む。バカバカしいなあと思っていたにも関わらず、段々とハマってしまった。面白い。
実際に起きた政治事件が先にあって、それをふまえて創ったフィクション、ファンタジー、パロディと言っても構わないと思う。
こういうのをとっさに小説の題材にすぐさま取り入れるところというか、発想の転換が出来るところが凄いなぁと思う。
勿論、普通首相と息子が入れ替わってうまくいくわけがないのに、これがうまくいくところが小説なのだが、期待との若干のずれが心地いい。というか、面白い。

そして話が進むにつれて、すれっからしの政治家の秦山が、実は心の奥には熱い純粋な思いを持っていたり、おバカな大学生かと思っていた息子の翔が、自分の将来や社会の事を真剣に考えて就職活動をしたりと、読み進むにつれて登場人物のまた違った面が見えてくるのだ。

最後までユーモアと風刺で、楽しく読みながらも、(国会の予算委員会のところなど)考えさせられるそんな内容でした。

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