今回は「RX-78Ver.Kaミキシングビルド計画」の中でも重要なパートを占める足の部分、いわゆる「カトキスリッパ」についての話です。カトキハジメ氏が描くガンダムは、爪先が反った独特の形状をしています。この足を立体的に解釈するのは意外と難しいようで、プラモ化されている「カトキスリッパ」はどれも微妙に解釈が異なっています。しかも、どれも一長一短で、「これがベスト!」というものはいまだに出てきていないような気がします。
その中で、どのキットの足を使うのがいちばん楽に設定画のイメージに近くできるかを考えてみます。実は去年の夏から何度も同じことを考えてきたのですが、今のところ結論が出ていません。前回の記事では「ジムIIIの足を使う案が有力」と書きましたが、設定画と見比べてみるとかなり違うのが分かってしまい…(汗)。
まずは選考の基準となる設定画から。
新設定となる「MGキット開発用画稿」です。
こちらは「ガンダムセンチネル0079」版設定画です。
*この「RX-78Ver.Kaミキシングビルド計画」では、どちらの設定画を再現するかは明確には決めていません。それぞれの設定画に好きなところがあるため、新旧設定画の折衷案的な感じで行こうと思っています。というか、できるだけキットのパーツの形状を活かして作ろうと思っているため、最終的には「バンダイさんが新製品として発売したらこんな感じ?」というところを狙ってみようかと思います。
では、エントリーナンバー1番、「HGUCジム改」です。「HGUCパワード・ジム」系キットの中で、「RX-78Ver.Ka」にいちばん向いているキットです。
低く構えた爪先と、くるぶしの大きなマルイチが特徴です。この写真のものはアキレス腱部分にカバーを取り付けたり、つま先の先端やアンクルカバーの下側を削ってあります。
エントリーナンバー2番、「HGUCジム・クゥエル」です。「HGUCヘイズル」系のキットの中で…(以下、同文)
藤岡建機氏デザインの「ガンダムTR-1ヘイズル」がベースになっているため、爪先が独特な形状になっています。かかとはいい感じです。写真のものはアンクルアーマーを2.5ミリほど幅詰めしています。
エントリーナンバー3番、「HGUCジム・カスタム」です。同系統の「HGUCジム・キャノンII」のものは爪先が長すぎるため、選考からは除外しました。
なかなか味わい深い造形だと思います。足の甲と靴底との境目のカーブした部分が、設定画のイメージにいちばん近いかも。逆に、前回の記事で話題にした足の甲の長さはいちばん短いです。
エントリーナンバー4番、「HGUCジムIII」です。「HGUCジムII」も同じ形状です。
唯一、足首関節の構造が異なります。かかとの形状にやや難ありだと思います。パッと見のイメージはかなり良いのですが…。
次はサイドビューです。
カトキ氏によるMG開発用画稿です。
爪先の反り具合、爪先とかかとの比率、かかとの厚み、マルイチの位置など、いろいろとチェックすべきところがあります。こうして見てみると、ジム改の足はジム・コマンドっぽいような気が…。
前から見たところです。設定上、ジム・カスタムの爪先には凹モールドがありません。クゥエルの爪先がすごく長いです(汗)。
後ろから見たところ。ジム改のかかとは、後方に向かってかなり絞り込まれています。実は後ろ側でいちばん設定画に近いのはクゥエルなのでは…?(汗)。
足の裏比較。
それぞれ、ディテールに個性がありますねぇ。足の裏はジム・カスタムがいちばんだと思います。ジムIIIの足裏パターンは、アニメの設定画に近いとはいえ、ちょっと寂しいですねぇ。
カトキ氏による、旧「HGガンダム」の説明書イラストです。ジム・カスタムが近いですねぇ。あと、ギリギリでクゥエルも…。
トータルで考えると、クゥエルを使うのがいちばん楽かなぁと思いました。爪先とかかとのバランスが決め手となりました。
…という選考会を夏にもやっていまして、結局「クゥエルの爪先を修正するのがいちばん楽かなぁ」と思って作った試作品です。↓
爪先と足の甲の比率を変えたり、爪先の裏側を削って角度を変更したりしています。改造したところの色をそろえるのと、形状を把握しやすいようにするためシルバーで塗ってあります。
実はクゥエルには他のキットには無い利点があります。足首関節フレームのマルイチ基部が干渉するところを削ってやると、多少見た目は悪くなりますが可動範囲が増えるんです。
足首関節とアンクルアーマーが傾いた、新設定画のような状態を再現することもできます。もちろん接地性も抜群です。
写真左:クゥエルの足・改の色を画像加工でガンダム色にしてみました。こうして見ると、爪先側面のカーブがきつく(上を向きすぎ)、爪先底面もまだまだ急角度です。
写真右:ちょっと修整してみました。はたして爪先の底をこれだけ削って角度を変えても大丈夫かどうかは疑問ですが(パーツの肉厚の関係で)、できればこんな感じにしたいです。
それにしても、かなり直線的というか四角いですねぇ。他のパーツと組み合わせたときのバランスがちょっと不安です…(汗)。
昨日に続いてコメントさせて頂きます。
カトキガンダムの胆故にスリッパはなかなか難しいですね。
僭越ながら他者さんのクゥエルをベースにした
カトキガンダムを見るとごつく、バランスが異なるように見えますが、かめっチさんの腕に期待です。
次の更新が楽しみです!!
細かく見てると一長一短ですね
ここまでこだわるミキシングビルドの完成が楽しみです
気長に待つのでその時かめっチさんが1番作りたいキットを作ってください♪
毎晩?楽しみに見せていただいてます。
ここまできっちり比較してみせられると、
もうレポートに近いですね。
一つをベースに改造するならクウェル、
組み合わせるなら甲/改、底/カスタムでしょうか?
ガンダムセンチネル0079版設定画は
確かにオリジナルで衝撃的ですがモノクロでパースが付いて幾分古い印象があります。
MGキット開発用画稿はキットありきの為
けれん味に欠けます。
最新のGFFの画稿も参考にしてみては如何でしょうか。