おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

修復。

2004-11-28 00:50:01 | 我思う、故に書くなりよ。
あー。勝手に掘ると歴史が変わるからやめといてくれ…。

ってのは冗談だが、近畿とかあっちの方だとまんざら冗談でも無いらしい。何か建築するにあたって地面を掘るといろいろ出て来て工事が捗らないとか、まったく止まってしまうとかもあるらしい。

深夜番組の観賞もいい加減飽きると、普段見ない番組に手を出す。最近のお気に入りは「高校講座理科総合A・B」の妙にハイテンションな2人のおねーさんだったり、「サイエンス・ゼロ」の真鍋かをりだったりする。

んで、これらの番組も見ていて面白いのだが、たまにうっかりすると、スペシャル的な番組の再放送を見入ってしまったりする。で、うっかり見てしまい、何気に凄い感動したのが、古墳内壁画の修復…。
修復と言うのか、拉致監禁って言うのか、簡単に言うと「剥ぎ取り」。キトラ古墳の中の壁画が崩れ落ちそうなので、これを剥ぎ取って保存するって作業を紹介した番組である。

そのままの状態で保存するか、剥ぎ取って別の場所で保存するか、揉めていたのは報道で知っていた。先に見つかっていた高松塚古墳にも壁画があり、これはその場所で当時の科学の粋を集めた技術を駆使して保存する事にしたのだが、久しぶりに中を見てみたらカビだらけだったとか、カビを取るのに肝心な絵が消えかかってしまったとか、トホホ…な事態になってしまっていたのだ。そんなワケで、新たに見つかったキトラ古墳の壁画をどーするか? 官民交えて揉めたワケである。

その結果が「剥ぎ取り」と言う事なのだが、「あー、剥ぎ取るのかぁ。」位にしか考えて無かった。多少ボロボロとは言え、壁面ごと剥ぎ取るのに問題は無いだろうと考えていたのだが、番組を見て、驚いた。

大の大人の男では入れない盗掘跡の穴からの出入り。小柄な女性しか中に入れず、しかも立てない。これでは汎用の工作機械を使う事も出来ないし、使ったが最後、壁画は崩れる。それ位にボロボロ。すなわち、手作業で貴重な壁画を損なわずに剥ぎ取らなければいけないのであったのだ。

たまたまなんだろうが、専門家の1人に小柄な女性の方がいたので、この人が中に入って作業をして、剥がれ落ちそうな壁画を剥がすのに成功している。それとて、湿度100%の室内で、楽な姿勢も取れないし、ただでさえ勝手に生えまくり、壁画を侵すカビの繁殖を避けるために防護服なんか着ているワケだから、この人、正直すごくエライ人だと思う。

室内には剥ぎ取った2面の他に残り2面の壁画があり、これはそうそうに落ちそうも無いらしいので、後日剥がす事になるそうだが、落ちそうに無いのも実は大変らしい。冷蔵庫に貼り付けたシールみたいにぺろぺろと剥がれれば楽そうだが、古くなっておいそれと剥がれないシールを無傷で剥がせ…って言われたら困るのと同じかもしれない。

そんな人知れない苦労が明かされた番組であった。現状を知れば、揉めていた理由も判る。1300年前のお墓の象徴でもあった壁画を剥ぎ取るにあたり、花と線香をたむける姿が印象的だった。おやじの集まりだったら、最初に儀礼的にはやるだろうけれど、女性ならではのシーンではなかったかと思う。

この人がいなかったら、どうしたんだろう?

素朴に疑問に感じたワケだが、番組を見た限りではあまり研究者の年齢に幅が無いように見受けられた。それなりの知識や技術を習得するのに時間はかかるんだと思う。地味だし、華やかな物では無いし、墓とかそんなのばっかりだから、若い人はいないのかなぁ。IT企業はこういう所に投資しても面白いと思うんだよねぇ。ぽーんと巨額な研究費を出してさ、思う存分研究してくれ! ってのもカッコイイと思うなぁ。

で、誰の墓なの? あー。判ってないのね。それらしい人は名前出ていたけどねぇ…。

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