おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

次郎長ラーメン。

2005-12-15 00:16:45 | 我思う、故に書くなりよ。
チキンラーメンをすすりながら思い出した。

昔、軽トラでラーメンを売り歩くラーメン屋さんが良く走っていた。
チャルメラの音が聞こえると、どんぶりと100円玉を握り締めてダッシュで追いかけて、おじさんに作ってもらうのである。

グルメ化したブームなんぞ無かった時代だし、子供のラーメンと言えば「ちびろく」だった時代でもあるので、今のラーメンと比較にはならないだろうシンプルな味だったのだけれど、おじさんが一生懸命作ってくれるし、なるとやチャーシューのオマケが嬉しかったし、それが「美味しい」のである。

いつも夕方に聞こえてくるチャルメラは、テープに録音したモノだったのだけれど、おじさんは本物の「チャルメラ」を車に積んでいた。客足が途絶えて手が空くと、吹き方を教えてくれたりもしてたなぁ。

1杯100円と言う値段を維持するには厳しい時代がやって来て、いつしかチャルメラの音が聞こえなくなってしまい、あっさりとした醤油ラーメンはついぞ、食べる事が出来なくなってしまった。

それからだいぶ経ち、ふいにあの味を思い出したコトがある。

築地の市場のへりにあるラーメン屋さんが美味しい…と、会社の先輩に教えられ、どうでも良い用事を作って食べに行った。今時のラーメンに近い時代だったので、トッピングこそ違うけれど、あっさりとした醤油のスープをすする度に、遠い昔が蘇って来るんである。

あれこれひねりあげた挙句に完成したラーメンじゃあ無いと思うが、おじさんがせっせと作ってくれた味だけは忘れられないんだよなぁ。

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