アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

朗報!ギフテッドスクールの今

2008年12月13日 | Weblog
   堅実に発展 IQ重視からEQへ

 「自分の子には、能力がある。しかし、自分の子の能力を伸ばせる学校がない」このようなとき、どうしますか?大部分の人が、「しょうがないから校区の学校へ入れる」。少しの人が、「特色ある教育をしている私立学校へ入れる(遠距離通学や、寮へ入れるなどさせて)」。

 フロリダ州在住のベティさんは、考え方が違った・・・。「自分の子の力が伸ばせる学校がない。それなら自分が、学校を作ればよい」そして、実現させてしまった。それが17年前。学校創立には、フロリダ州の教育省との連日にわたる喧嘩腰の交渉。認可させるまでが大変だった。フロリダ州は、全米でも学力が低い州。教育省も、緊張感のない役所だったようです。
 学校の名前は、「ギフテッドスクール」。日本語にすると、「天才学校」というところでしょうか。

 ベティさんの御家族は、4つの会社を経営する御主人のマーチンさん。一人っ子のアンソニーくんの3人家族。アンソニーは、今、東京在住です。アメリカー日本ーブラジルを行ったり来たり。日本で職に就きたいとの希望もあります。東京在住の、天才アメリカ人はたくさんおりますから、すぐに仕事に就けるというわけにはいかないようです。
 15年ほど前にベティさん一家が、我が家に1週間のホームスティをしました。その後音信が途絶えておりましたが、昨日、ギフテッドスクールの保護者である、西近さんから、ベティさん御一家の消息とスクールの詳細な現状がメールで入ってきました。

 児童数20名ほどでスタートした、ベティさんの学校。現在の児童数は、約300人になっている。16年間で、盤石の信用を築いたということでしょう。
 今、どんな学校になっているか・・・
 創立当初は、IQ重視の教育でした。そして、到達度に合わせ、学年をどんどんスキップさせていました。ここのところが大転換しています。
 
○ IQよりもEQ(Emotional Quality)重視
○ Learning Styleというメッソドで、個人の最善の、Learning Styleを尊重する
○ 大枠にハメるのではなく、個人の型を発見して、それに応じて能力アップをはかる
 
 この型の見つけ方がシステマティックでおもしろいです。
 子供ではなく、親が診断されます。インターネットで診断テストを受けて、結果を学校へ提出する。親への質問は、おおむね次のような項目。
1 環境的要素について・・・音、光、温度、家具、席
2 感情要素について・・・動機、持続性、責任感、秩序
3 社会的要素について・・・一人で学習するのを好むか、グループで学ぶことを好むか、権威主義的な教師を好むか、親しみやすい教師を好むか
4 心理的要素について・・・包括的・分析的、及び、衝動的・思考的行動を
5 身体的要素について・・・視覚、聴覚、触覚、といった知覚の優位性、及び、一日のうちの時間帯、学習中の飲食の必要性…等

 まずは、親が自分のスタイルを知る。そして親同士で、それぞれにスタイルの違いがある事を認識する。なるほど、「みんな違ってみんないい」ってことでしょうか。そして、親は「自分の子供たちに、自分のスタイルを押しつけない」という事を念を押されるんです。
 ここから始まって、子供の「型」を見つけていく。
 Learning Styleというメソッド、寝ころがって、勉強しても、かりんとうを食べながら勉強してもよし。「目標に到達していれば、それでよし」・・・アメリカではこの理論を実践することによって、かなりの学習障害児が救われたということです。(「かりんとう」にしましたが、実際は、「ジャンクフード」)

 幼稚部もあり、現在13名の天才幼児が在籍。教室内にロフトがあって、読書など、個別のアクティビティの時間には、それぞれの好みに応じてロフトの上の明るい場所、階下のちょっと薄暗いところ、ソファ、勉強机など、場所が選べる。それぞれが「どういう環境が一番生産性がよいか」を探せる仕組みになっています。「個」の把握、このようなところまで…。日本人の発想では、いくらなんでもここまでは…。

 このギフテッドスクール、気ままに学ばせるだけではありません。社会の規範、秩序をしっかり守る人にする。命令服従、痛みを知る、我慢する、礼儀正しく・・・そのために、幼稚部を含む全児童に、テコンドウを必修としています。どうしてテコンドウか?柔道でも良かったのだそうですが、テコンドウの団体が、子供の教育に力を入れていて指導のノウハウをもっていること、アメリカ国内に指導者が多いことからだそうです。

 西近さんは、ボストン郊外(フラミンハム)から、わざわざフロリダへ引っ越し、娘さんをギフテッドスクールへ入れました。「娘は、毎日飛び跳ねるようにして学校に通っています」・・・分かります。
 ベティさんマーチンさんのお宅は、マンション。日本で、マンションといえばアパートですが、アメリカでマンションというのは、豪邸のことです。ロードアイランド州のマンション群は全米でも有名です。内部を公開しているマンションもありまして、野次馬なので見に行きました。豪邸というより、お城でした。「ベティさんのマンションは、映画に出てくるようなゴージャスさ。それを見に来るだけでも価値があります」と、西近さん。それでは、ホームスティさせていただこうかな。

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