アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

  胃ろう(胃瘻)を抜く音は

2024年06月13日 | Weblog
 右下肢切断の頃から、口から食事ができなくなりました。飲み込もうとすると、飲食物が「気管」へ入ってしまうのでした。そのため、鼻から管を入れて胃へ栄養を入れておりました。
 いつまでも鼻から管を入れたまま暮らすわけにもいかないので、「胃ろう」を造設しました。
 それから十ヶ月ほど経ってカミサンが、「口から食べる練習」を提唱してくれました。私は、無理だとは思いましたが、「神さん(カミサン)」のお言葉なので挑戦してみることにしました。
 なんと、数ヶ月の練習で、少しではありますが口から飲食できるようになりました。個人的には快挙です。
「まだそんな力が残っていた!」そうなったからには「胃ろうは無用の長物」。医師に、勝手に「絶飲食」の指示を破ったことを詫び、胃ろうの抜去を懇願。
 終末期医療の「胃ろうの中止」は、「人工栄養、水分補給の中止」で、殺人問題ともなる昨今、医師からおしかりをうけることは覚悟しておりました。
 しかし、担当医師は、「胃ろう抜去を快諾」。腹壁、胃壁を貫いていた胃ろうの「管」を引っこ抜きました。医師が、両手で全力で引っ張ったので、「スッポーン!」という、廊下まで聞こえたと思われる大きな音がしました。

 時期を同じくしてまたまた快挙、少しですが「声が出る」ようになりました。休眠していた喉周辺の筋肉が、「咀嚼、嚥下」の筋肉が動き出したことに触発され覚醒したと思います。ですから、声帯も震えだしました。
 「歩行できない障害者」ですから、「人様の役に立つこと」などできるはずがありません。しかし、胃ろうが抜け、声が出るようになった。口から飲食しているので、体に活気も出てきた。こうなったら私でも、何かできるかもしれないという妄想が・・・。


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