アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

脳のアーカイブスの遺伝…?

2009年06月05日 | Weblog
 実験動物中央研究所と慶応大のチームが、世界で初めてサルの遺伝子組み換えに成功した。人間の難病解明へ一歩近づいたわけで、とうとうここまで来たかという感慨があります。しかし、これは新皮質で獲得したものを、遺伝子としたものではない…当然だろうって?…ハイ当然です。

 私は、新皮質で得て古皮質で保管されたデータのうち、「良いもの」を遺伝子に…そのようなことが出来ればいいなあと考えているのですが。どうしてそのようなことを考えるのか?
 人間が悪くなっています。殺人事件など、日本ですら毎日ですよ。その昔…というと、「また、昔の話かよ!?」と言われそうですが、殺人事件は年間数えるほどしか起こりませんでした。大ニュースでした。今では、「ああ、またか」程度の反応でしょう。
 遺伝子に、「人を殺さない」を組み込み、「本能」として遺伝するようにする。「サルの遺伝子組み換え成功」から、このようなこともいつの日にかできるのではないかと考えたわけです。

 無人島に上陸すると、初めて人を見る野鳥が、何の警戒心もなく近づいて来る。頭に留まり、肩に留まり、「遊ぼうよ!」と誘っているかのよう。人に対する恐怖がない。(…いつ無人島へ行ってきたのかって?テレビで観たんですけどね…)
 自身の観察では、同じことが、「食」にもいえます。我が家の子供達の幼児期に、「はじめての食べ物」をあげたときの反応ですが、見た目で判断することはありませんでした。イカの塩辛、ホヤ酢、ナマコ酢、このわた、めふん…喜んで食べました。視覚、嗅覚の経験が浅いので、(見てくれがグロテスクなものでも)食べるのよそうか?美味しくなさそう!などの判断基準がないのです。ですから純粋に、「味覚で旨いもの」が解るのです。

 もう1か月も前になりますが、キトピロを採りに行ったとき危うくアオダイショウを踏みそうになりました。そのとき、私は、(脳を介することなく)反射神経だけで1m程飛び跳ねて、危機を回避しました。2m飛べたら、高跳びの選手になるのですが…。例年、ヘビが出てくるのは、「ワラビ(蕨)が出るころ」なのでまだ出ないだろうと油断していました。61歳のアンティークマンでありながら、予期せぬ出来事に対しては、研ぎ澄まされた神経細胞が常にリスクの発生に備えている。天賦の危機管理能力が健在でした。自慢するなって?実は、私だけでなく、人間は皆、そのような力を持っているのです。

 私は、好んでヘビと仲良くしたいタイプではありません。見つけたらすぐに叩き殺します。土地の人は、「アオダイショウは、ネズミを退治(食う)してくれるから殺すな。マムシはムシ(虫)だから殺しても良い」と言います。もっとも、アオダイショウは、放っておいても逃げていきますからかまわなくてもいいです。マムシは、ムシだから殺せという言い方をしますが、殺す理由をつけるために「ムシ」などと言っているのです。危ないのです。マムシは巣穴から、せいぜい半径10mぐらいの範囲でしか活動しません。見つけたということは、近くに巣穴があるということです。ですから直ちに叩き殺さなければなりません。一度に7~10匹程度の子を口から出しますから(卵胎生ですから、体内で孵化)。どんどん増えます。

 人間は、ヘビに対して(好き嫌いにかかわらず)過敏な反応をします。サルも同じだと言う実験結果が発表されました。名古屋大のグループが、アメリカの科学誌に発表した実験は…
 一度もヘビを見たことのないニホンザル3頭を使って、ヘビの写真を見せた。実験手順は割愛しますが、「ヘビを認識するスピードが速い」ということが解ったということです。つまり、人間と同様の反応をするという結論です。

 これはどういうことであろうか?ヘビを見たことがないのに、特別に速く反応した。見たことがなければ特別な反応をするはずがない。と、いうことは見たことがあるということになる。実験した名古屋大が、「一度もヘビを見たことのないニホンザル3頭」と、虚偽を?それはあり得ない。では、どこで見たか?

 3頭のサルの「祖先がヘビを見たことがある」と考えることは出来ないのか。つまり、ヘビ嫌い(好き)が遺伝したと。
 当然反論が来ますね。「脳には新皮質と古皮質がある。新皮質は生まれてから発展する皮質。古皮質は生まれたときすでに持っている(完成されている)皮質。『本能的欲望や個体維持・種族保存の本能』が収納されている。遺伝するのはこれだけだぞ。後天的に獲得したもので、古皮質に保管されたものは遺伝するはずがない」と。

 その通りです。しかし、粘らせていただくと、「後天的に古皮質に収納されたものでも、子孫へ受け継がれることがある」とすれば、不可解なものも合点が行きます。ニホンザルが、生後ヘビを見た経験がなくても、先祖の古皮質に入っていた「ヘビは個体維持に係わる注意すべき動物」という情報が、遺伝していた。だから、速く反応した。

 では、冒頭の野鳥のケースはどう説明するか?「鳥頭だから」でオチにしたいところですが…野鳥たちの先祖にも、「人にいじめられた」経験がないと考えるのが妥当でしょう。
 子供達の嗜好…間違いなく遺伝です。イカの塩辛、ホヤ酢、ナマコ酢、このわた、めふん…私の好物ばかりです。

 遺伝子に、「人を殺さない」を組み込み、「本能」として遺伝するようにする…この実現は、手始めに後天的に古皮質に入ったものでも、遺伝子とすることが出来る研究をすること…
 人が本能として、「悪事をはたらかない」「人を殺さない」を持つようになると…いいと思うのですが…

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