アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

サルは、カニに「ルクマ」を投げつけた

2024年07月18日 | Weblog
    日本以外で、「サルカニ合戦」の絵がついた器が陳列されている博物館があるのはどこでしょう?ペルーです。リマにある、天野博物館に、チャンカイ文明の遺品が陳列されているのですが、その中に、「サルカニ合戦」の絵がついた器があります。
「サルカニ合戦」がペルーに?何が何だか解らず、学芸員と思われる長身の女性に質問。
「何故、サルカニ合戦がここに?」
「サルカニ合戦は、チャンカイ文明にあったものです。(日本の民話と思い込んでいたYOUは勉強不足←これは、声に出しては言ってませんでしたが、言下で言っていました)」
 これは大変なことですよ。サルカニ合戦が、ペルーの民話だったとは!えっ?赤ちゃん以外は、誰でも知ってることだって?マジッスカ?私が無知だったということかぁ?

 この天野博物館は、1964年に天野芳太郎氏により建造されました。チャンカイ文明は、「古代インカ、プレインカ」といった方が通りがいいかも。この、リマの高級住宅地にある天野博物館は、入場料無料。しかし、行けば入れてくれるわけではなく、「完全予約制」。
 予約した時間に行くと、天野芳太郎さんの親族(多分、曾孫?)と思われる長身の女性が、アンデス古代文明の歴史や展示物について、懇切丁寧な説明をして下さいました。

 日本から来た先客の若者が3人おりました。「3人組」かと思ったら、天野博物館で初めて会ったという。このあとどうするのかと問うと…
「私はエクアドルへ行ってから(日本へ)帰ります」(女性の一人旅)
「僕は、あと1週間ペルーを歩いてから帰ります」(男性の一人旅)
「僕は、何も決めていません」(男性の一人旅)
 日本の若者に、こうして外国を自分の足で歩いている人がいることが嬉しかったです。
 今の日本では、「SNSで強盗に応募して、老人を殴って死なせ、お金を奪う(狛江市))」若者にはこのようなイメージを抱いてしまいます。まるで、カニに柿を投げつけて死なせてしまうサルのような。

 それにしてもサルカニ合戦、中国、韓国、フィリピン、インドネシア、モンゴル、にも同類の民話があります。アイヌの民話にもあります。ブレーメンの音楽隊もよく似たお話しです。これらの国々、「サルカニ合戦の発祥は我が国」と思い込んでいるかと思います(これが、私の思い込み?)。どこが発祥でも、なんら問題ありませんがね。(かく言う私は、日本だけの民話ではなかったと知り、立ち直れないほどショックでしたがね)

 あと、興味深いのは、カニが「おにぎり」を持っていたということ。チャンカイ文明は、「古代インカ、プレインカ(10~14世紀)」ですよ。その頃、ペルーでは稲作を行い、おにぎりを食べていた?このあたり、知りたいもの。
 なぬ?「ペルーに『柿』があったのか?」って?ありました。勿論、今もあります。「ルクマ」です。主にペルー、ブラジル、ベネズエラで食されています。外観は緑(サルは、カニに緑の柿を投げつけたんでしたよね)、少し皮が破れてきた時が食べ頃。中は、きれいなオレンジ色。アイスクリームやプリンなど、デザートに使われます。