アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「生キャラメル」と「最低でも県外」の関係

2010年06月18日 | Weblog
「あれは、いったい何だったんだろう?」と…。
 昨年の夏。北海道の空港の売店横に整然と並んだおよそ40人の人たち。この人たちが第一グループ。やや離れたところにも同人数の第二グループ。さらにやや離れたところにも次々と並ぶ人がおり、「最後尾」と書いた看板を持った人が付いていた…。

 花畑牧場の生キャラメルを買う人たちでした。お客さんが、パニックにならないように、販売時間前に並ばせていた。それはそれは大変な人気。「買えたらラッキー!」という様相。「1人5個まで」としたため、恐喝事件まで起こった。
 私の場合は、運良く1時間ほど並んで買うことが出来ました(買ったのかヨー!)。ラッキーでした。早速味見…。「あのなあ!1時間も待ったんだからもう少し口の中に留まれよ!」と、言いたくなるぐらい口の中で溶けるのが速い。歯ごたえゼロ。

 花畑牧場の生キャラメルが大ヒットしたことに触発され、「元祖生キャラメル」「本舗生キャラメル」「本家生キャラメル」…出るわ出るわ類似品の数々。決まって、「花畑牧場の生キャラメルはウチのものをまねたのです」。どっちが先きでもいい。私にとってのキャラメルは、「ガムのように噛めて、やがて舌で溶け、いかにも虫歯の原因になりそうな物が歯に粘り着いているもの」でなければならない。
 花畑牧場はすっかり調子に乗った。宮崎にも進出。宮崎マンゴーを主原料とした生キャラメル「生キャラメルマンゴー」!宮崎空港売店で売られている。
 東京へも進出。青山、南青山、渋谷、銀座、六本木など、都内9カ所で直営店をオープン。し、しかし、業績不振で4店舗を閉店。
 「あの騒ぎは、いったい何だったんだろう?」と…。北海道の空港の売店に、花畑牧場の生キャラメルが並んでいるではないか?!それなのに、約40人に区切られた客など…ど、ど、どこにもいない!行き交う人も生キャラメルに見向きもしない。昨年の長蛇の列は、夢だった?

 ブームが去り凋落の一途、これはしょうがない。「紅茶キノコ」しかり、「ぶら下がり健康器」しかり。「ぶら下がり健康器」は、多くの家の物置で眠りについているのではないか。我が家では、ウオークインクロゼット(早い話が物置)で、ハンガーかけとして第二の人生を送っておりますが。

 私が危惧しているのは…、生キャラメルブームが去って悲しいということではありません。ブームの最中に、財政再建団体に指定され、事実上財政破綻した夕張市に工場を造ったのです。「夕張メロンの果汁入り生キャラメル」を、生産。350名の雇用を生み出しました。これは誰でも出来ることではない。花畑牧場、偉いぞ!でした。
 そして、ブームは去りました。今や誰が、「夕張メロン果汁入り生キャラメル」を買ってたべますか?!売れるわけないでしょう!
 夕張で暮らしたかったが、仕事がなかった人たちを雇用した。「安定した職を得た」と喜んだ人たち、その数350人。その人たちを、ぬかよろこびにしないでくださいよってこと。「最低でも県外」でぬかよろこびした沖縄の人たちとダブります。