アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

日本語はゾンカ語の流れもくむ

2024年08月09日 | Weblog
 私の数少ない自慢の一つが、「ブータンを旅したことがある」です。なぜ自慢か?ブータンを訪れる日本人は、ごく少数ですから自慢になるかなと。
 ブータンを訪れる日本人観光客は、コロナ明けでも年間およそ4,000人。これでも、ブータンを訪れる外国人観光客は、日本人が1位なのです。

 ブータンは、興味深い国です。伝統衣装(男性は「ゴ」、女性派「キラ」)の着用義務があります。国家のアイデンティティ保護の一環でしょうか。
「義務」といっても、公式の場に出る場合だけ。子どもたちは、学校へ行くときは、「ゴ」「キラ」着用です。帰宅したら、自由な服装でOK。
「ゴ」は、「呉」。日本の漢字の「呉服」の「呉」ですよね?道理で、「ゴ」は、日本の「浴衣」「丹前」そのものです。顔も、日本人と同じ!

 日本と違うところでは、「一夫多妻制が合法」。さらに、「一妻多夫制」もある。ブータンでは必ず付けなければならない専属のガイドさんが、おもしろ可笑しく、「一夫多妻制と一妻多夫制」の顕著な例を話してくれました。4人の妻を持つ男性の例とかです。今は、一夫多妻も一妻多夫も否定される傾向にあるそうで、消滅へ向かっているようです。婚姻によって改姓することもなく、自然に夫婦別姓。
 美しい棚田がありますが、これは、日本人の指導によるもの。ブータン農業の改善に尽くしたこの日本人は、国王から「ダショー(最高の人)」の称号を授与されました。

 私が「ブータンへ行って是非やりたいと思っていたこと」がありました。それは、ブータンの子どもに、「1~10までの数をブータンの公用語である『ゾンカ語』で唱えてもらうこと」でした。(英語も公用語です)
 意味が良くわからないって?
 日本語の1~10は、「イチ、ニ、サン、シ、ゴ、ロク、シチ・・・」です。
 ゾンカ語は、「1→チィ、2→ニュィ、3→スム、4→ジィ…」、ほぼ同じなのです。その事実を確認したかったというわけ。

 学校帰りの、小学校高学年ぐらいの少年を呼び止めました。ブータンの学校教育は、「英語」。家に帰れば、祖父母とはゾンカ語で会話、両親とは英語で会話。ゾンカ語は祖父母の代で消えていきそう。
 さて、少年に、「1~10まで唱えてよ」と、言ってみました。すぐさま…
「one,two,three.four・・・」そりゃそうだよね。私は即座に言い直しました。
「ゾンカで、1~10まで唱えてよ」 少年は、笑って、唱えてくれました!
「1→チィ、2→ニュィ、3→スム、4→ジィ…(中略)…さらに、11→チュウチィ、12→チュウニィ、13→チュスム、14→チュウジ…」嬉しくなりました。
 ブータンの九九にも興味がありました。15×15までを暗記するのです。これは、「唱えてよ」と、おねだりできませんでした。

 ともあれ、私がブータンを訪れた目的を達成することができました。日本語のルーツの、支流か本流かは解りませんが、「ゾンカ」があることが立証できました。
 蛇足ですが、「ゾンカ」の「カ」は、「語」という意味。「ゾンカ語」というと、意味は、「ゾン語語」。現地では、「ゾンカ」でいいようです。


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