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愛知13区(安城市・刈谷市・碧南市、知立市、高浜市)
衆議院議員 おおにし健介

【書評】AKB48の経済学

2011年08月04日 | 書評
「AKB48の経済学」
田中秀臣著/朝日新聞出版


 著者の田中先生は、リフレ派経済学の論客でありながら、韓流ブームの論評等などマルチな活躍をされています。私もモーニング娘までは分かりますが、AKB48になると正直、ついていけてませんが、本を読んで少し興味がわきました。
 サブカルチャー論として、アイドル論として読み易く面白かったです。
 
 経済学という点で言うと、アイドルは、世相や社会経済を反映しており、AKB48が象徴する「心の消費」、「嫌消費」が、若い世代が人間形成期に経験してきたデフレ不況に起因していることを指摘しています。つまり、デフレ経済が人々の行動パターンに影響し、長引く不況の下で身についた消費行動が日本全体にデフレカルチャーとして定着したと筆者は主張しています。

 デフレが経済問題にとどまらず、社会構造や文化にまで影響しているというのは、冷静に考えてみると恐ろしいことです。デフレ退治が政治課題としていかに重要であるかをあらためて認識しました。

 また、「会いにいけるアイドル」というコンセプト、相撲部屋や日本型雇用と芸能事務所の比較、「身近にいる女の子」の小さな物語というマーケティングについての話は、なるほどと思わせるところが多く、政治や選挙にも当てはまる部分があると感じました。


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