ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

あの頃の賄い

2008-02-01 13:05:53 | 第1紀 をかしら屋
「オーナー、一杯いただいてもいいですか。」って、もうグラスを持っているではないか。約二名。
残る一名は、「オーナー、レバー焼いてもいいですか。」って。その皿にあるのはレバーだけでなく、ホルモン、ナンコツ、トントロまであるじゃないか。

しょうがないから和牛カルビでも少し切ってやるか。

前の日は大忙しで日付変更線を過ぎてまで残業してくれたから、お客様が早く引けた今日ぐらいは、まあいいか。
「をかしら屋盛岡大通店」の新年会気分で私も参入。

一人カウンターに残っていた常連さんも、「じゃ、私は手作り餃子を。」とメニューに無いアイテムをご希望。
従業員は杯を重ねる。

まあ、こんな店があってもいいか。・・・・いや、ここにある。


学生のバイトの最後は神田のサントリー系の洋酒居酒屋だった。
開店前の準備から閉店まで、バイトとはいえ正社員並の労働時間だった。

楽しみはもちろん賄い。
ポット出でまともな飯も食っていない貧乏学生には、洋食主体の賄いはごちそうだった。
優しいシェフの作るグラタンやピカタなど、はじめて口にする美味も多かった。

なかでも楽しみは土曜バイキングのあとの閉店後、フロアで全員が定休日前にゆったりとる閉め賄い。
どれもごちそうなのだが、やはり的はシェフ特製のピザ。

私たちより早く出勤し仕込みするシェフが小麦粉を打ちながら、丸いピザ玉を作っている。
だんだん照りが出てくると、いよいよバイキングの時間。

お客様が残してくれるか心配しながらテーブルを見る。
幸い、何枚か残っていると嬉しいし、今日は無いなと思っても、優しいシェフはこっそり賄い分を隠してくれている。

店長が期限切れのボトルを出して、飲み会賄いがはじまる。
機嫌がいい時は終電に乗って新宿に繰り出す。

そんな想い出が、ふとよみがえった。


そして、いま。
単身赴任の私のために、野菜を取り入れた賄いを作ってくれたり、帰宅後のビールのつまみを用意してくれたりする優しい従業員に囲まれ、なんとか毎日生きている。

「今日の賄いはなんだべ」と出勤するやいなや聞いている私は、賄い仙人だ。

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