ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

神の遣い

2012-02-07 10:00:04 | 第1紀 食べる・飲む
【食事中の方は冒頭部分と最後の数行は飛ばして読んでください】


気になっていた。
ここ数日、う○こが白っぽいのである。
気にしはじめるとどんどん気になる習性であるから、いよいよもってコリャイカンと思うようになった。
ネットで調べると、う○こが白いのは肝臓か胆嚢炎かタンパク露出性胃腸炎であるらしい。

こういう商売なので、お客様の飲み食いしたものの後片付けをやるから、ウイルスに触れている可能性もあり(素人考えです)、もしや肝炎ウイルスにでも感染していたら大変である。
いや、酒か、、、、
でも今は昔と違って呑む量は1/3ほどだし、飲み会とて無茶呑みする事など最近はない。
学生の頃はウイスキーボトルが一月で20本ほどたまったし、飲み会といえば一升瓶を立てていたころとは体力も消化力も相当落ちているのである。

胆嚢はちょいとDNA、いや遺伝子の問題があるかもしれない。
父が晩年、違う病気で入院していた時見つかった胆石をほこらしげに見せた事がある。
痛くもないのに石をとったのは、父の兄弟で胆嚢をこじらかせて亡くなった方がいるからで、その痛む様相は相当ののであったらしい。
しかし、ワタシは確かに石持ちの遺伝子はありがたくも頂戴したのであるが、できる場所が胆嚢ではなく腎臓で、これまで数度、大変苦しく痛い思いをしたことがある。
高い尿酸値は薬で抑えているが、定期検診ではやはり何個かの石が存在する事を確認している。
正直、この痛さを経験した者としては非常にこわいのである。

さて、次の候補のなんとか胃腸炎であるが、ワタシの食生活がたいへんに胃腸に負担をかけているのはまぎれもない事実であるが、腸はともかく、胃はたいそう丈夫である。
胃の事は候補から外そう。

という事で、とりあえずいま自分にできる事はコレだなと思って、昨日、事務所の冷蔵庫に貼り紙をした。

「酒を呑まない! (便が黒くなるまで♡)」


しかしこの行為が、実は神様、そう酒の神様「バッカス」の怒りをかっていることなど、その時は気がつきもしなかった。
むしろ、正月以来、今年初めての断酒で、体も喜ぶべ、、などとテレビの健康通販に毒された奥様方のようなたわいもない喜びに耽っていたのである。


そして昨夜、大通店に常連T氏がご来店。
珍しく今夜は鍋を喰いたいという。
鍋なら日本酒で、おすすめはコレだというと、ならお前も呑めという。
いやいや、実はこういうわけで、今夜はどうもとお断りしたが、珍しくどうしても一緒に呑めとすすめる。

店でお客様にお酒をすすめられるのはよくあることで、本来ならお断りするのは礼を逸しているのだが、ワタシは車通勤なのでできるだけやんわりとはぐらかしている。
しかし友人や先輩や常連さん方にそう何度も断るわけにもいかぬ。
そういう時は、本来、根が好きなのだから思いっきり呑む。

昨夜もそういう流れになった。



だって、この「大七 雪しぼり 本醸造・生原酒」が、いやはや、すこぶるうまいのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

生もと造りの豊醇なしぼりたて原酒。新酒ながらも練り上げられた密度の濃さに、生もとならではの風格を感じるでしょう。フレッシュで力強い酒躯と新鮮な料理の出会うとき、酒と料理とが渾然としてたまらない美味しさです。(冬季限定)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

といううたいこみなのだが、まさしくその通りで、新酒らしい軽やかさだけではなく、芯に潜めるどっしりとしたまろやかさを持っているのだから、いや杯が進む。

気がついた時は、従業員S氏とNくんの冷たい視線を感じながらも、ユニフォームから普段着に着替えて、「Tさん、行こ、行こ」と次の河岸を求めていたのである。

そう、T氏は、今夜は断酒なんていけないことを考えていたワタシに、神様バッカスが遣わした天使であったのだよ、諸君。

天使ことT氏とその晩、何軒行ったかは云うまい。
はやりの地産地消のイタリアンで盛岡短角牛を喰い、T氏の二年越しの一升瓶ボトルをやっつけに大将が茸や山菜とりの名人という店のカウンターでウドをつまんで、あとはT氏のお店2軒と、〆は魔窟で、代行を呼んで帰ったのは携帯の記録によるとシンデレラタイムギリギリであった。

おかげさまでいつになく長い睡眠をとり、便意で起床。
あ~、こりゃ今日も白いかと思った、便器の水に浮かぶ物体は、なんと適度な茶褐色で健康そのもの。
なんだ、たまにはギリギリと酒を呑まないといけない体質だったのか、このオレはと、都合のいい方に解釈して喜んだのでした。

めでたしめでたし。

今夜も大通店でお待ちしておりますよ。

じゃ、、