地元ローカルな話ですが,前橋サティが10月で撤退すると発表されました。
前橋市内では,既に駅前のイトーヨーカ堂が8月に撤退することが決まっていることから,大型ショップがさらに減少し,今後の商圏にも大きな影響を及ぼすと考えられます。
プライドを取って衰退するか,プライドを捨ててでもがむしゃらに進むか
私は,前橋市在住は極めて短期間の新参者なので,過去の込みいった歴史的事情や大人の事情に関しては詳しくありません。逆に,だからこそ見えてくる前橋ってものもあります。そこで,今回は,ほとんど戯れ言というか,一般論的な話に終始します。
今の前橋は,完全に衰退の一途をたどっています。これまでに出張などで前橋にお越しいただいた方ならばお分かりかと思いますが,まず駅前にお店がほとんどありません。少し歩くと,千代田町という繁華街がありますが,ここもシャッター通り化しており,夜になると,「通行人より呼び込みのお兄ちゃんの方が多い」っていう状態になっています。
さらに,全国的な傾向ですが,地価下落が進んでおり,47都道府県の県庁所在地では最下位争いを繰り広げるくらいの状態になっています。
一方,商業に限定すると,ヤマダ電機本社が高崎に移転してからは,市税収はもちろん,物流(タクシーなども含む)にも大きな影響を与えております。もっと個人生活レベルの話にすると,商店街がシャッター通りとなっていることから,食材や日用品などの購入については,地元スーパーや大型店(サティやイトーヨーカ堂のほかには,スズラン,ケヤキウォークやイオン高崎など)によるしかありません。ところが,中心市街地ではこうしたスーパー等も少なく,買い物すらままならない状態です(駅前のマンションが未だに売れ残っていますが,マンション自体の魅力以外にも,駅前なのに売れない事情として,「駅前なのに買い物ができないエリア」っていう致命的問題点もあると思われます。)。
ほかにも細々した話はありますが,いずれにせよ,確実に前橋は衰退の一途をたどっています。
これに対して,商工会議所や中心商店街は,いろんなイベントを行うなどして集客アップを図っています。最近では,「tontonの街前橋」ということで,豚肉料理を売りにしたお店のキャンペーンなどを行い,全国ニュースでも取り上げられるなど,一生懸命頑張っています。
ところが,こうした取り組みは本当にごく一部でしか見られません。そもそも,前橋市自体が本当に危機感を抱いているのかっていう疑問を感じます。
前橋が衰退していて,これを何とかくい止めたいということを具体的な選挙公約(「魅力ある商店街」とか「活力ある産業」みたいな抽象論を述べた人はほとんどでしたが)にした議員はごくわずかでしたし,現在そうした活動を積極的に行っている議員は皆無です(いたとしても,誰1人ビラ配りも駅前での朝立ちもやらないので,活動内容の実体は全く分かりません。)市長も,県や知事との喧嘩に終始しているようにか思えず,商工会議所等の取り組みに対し,全面的に支援しているようには思えません(もし,全面的に支援していたとしても,少なくともその結果が出ているとは思えません。)。
市の具体的施策も,箱もの整備には依然として巨費を投じていますが,商工振興予算はごくわずかですし,施策内容もありふれたもので,とても危機感が出ているとは思えません。
おそらく,危機感のない施策の背景には,「なんだかんだ言っても,まあ県庁所在地だし,歴史もあるから,大丈夫だろう」っていう妙なプライドと根拠のない自信なのではないでしょうか。
例えば,先ほどのtontonのイベントですが,これ自体は非常に素晴らしい企画だと思いました。今は,特にB級グルメブームであることからすると,こうして新たな豚肉料理を全国的に広めることで,知名度アップをはかり,県内外からの集客を高めることが期待できます。ところが,肝心なPR方法が今ひとつでした。例えば,イベントチラシは今ひとつ目立たない所にしかなく,決戦にノミネートされたお店の位置(地図情報)が分かり難かったので,特に市外から来る人「で,どこのお店なの?」っていう感じになりました。もう少し,市や県がタイアップすれば,もっと集客できるPRができたのにって思わずにはいられませんでした。
話が横道にそれすぎましたので元に戻りますが,大型店舗の撤退により,確実に周辺住民の日常生活に影響を与えます。ざっくりいうと,「住みにくい街」になるでしょう。市としても,税収減はもちろんのこと,住みにくい街となれば,人口減少も避けられない問題となりますし,住みにくい街とは「働きにくい街」でもあるため,企業流出も想定される話となります。
確かに,某企業等が実施する「住み良い街ランキング」では,施設の充実などが加点材料となりますが,今大切なことは,駅前整備や箱もの建設による住みよい街加点ではなく,「日常生活のしやすさ」を視点においた住みよい街加点を図ることではないでしょうか。
「うちは歴史がある町だし,県庁所在地なんだよ。だから,高崎には負けないんだよ」みたいな無意味なプライドはかなぐり捨て,「なんとしてでも,前橋を日常生活が困らないような住み良い街にしようではないか」っていう視点で政財界が手をつないでいくべきでしょう。
最後に,よそ者だから言える衝撃の一言を。
「実は,多くの人たちが群馬と栃木の区別がついていませんよ。当然,前橋って知名度低いですよ」
是非とも前橋市には奮起してもらい,「うわ,買い物も普通にできる住みやすい街やなあ」って言われるような街にしてもらいたいものです。そして,撤退した企業が「撤退しなきゃよかった」と思わせられれば言うことないです。
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前橋市内では,既に駅前のイトーヨーカ堂が8月に撤退することが決まっていることから,大型ショップがさらに減少し,今後の商圏にも大きな影響を及ぼすと考えられます。
プライドを取って衰退するか,プライドを捨ててでもがむしゃらに進むか
私は,前橋市在住は極めて短期間の新参者なので,過去の込みいった歴史的事情や大人の事情に関しては詳しくありません。逆に,だからこそ見えてくる前橋ってものもあります。そこで,今回は,ほとんど戯れ言というか,一般論的な話に終始します。
今の前橋は,完全に衰退の一途をたどっています。これまでに出張などで前橋にお越しいただいた方ならばお分かりかと思いますが,まず駅前にお店がほとんどありません。少し歩くと,千代田町という繁華街がありますが,ここもシャッター通り化しており,夜になると,「通行人より呼び込みのお兄ちゃんの方が多い」っていう状態になっています。
さらに,全国的な傾向ですが,地価下落が進んでおり,47都道府県の県庁所在地では最下位争いを繰り広げるくらいの状態になっています。
一方,商業に限定すると,ヤマダ電機本社が高崎に移転してからは,市税収はもちろん,物流(タクシーなども含む)にも大きな影響を与えております。もっと個人生活レベルの話にすると,商店街がシャッター通りとなっていることから,食材や日用品などの購入については,地元スーパーや大型店(サティやイトーヨーカ堂のほかには,スズラン,ケヤキウォークやイオン高崎など)によるしかありません。ところが,中心市街地ではこうしたスーパー等も少なく,買い物すらままならない状態です(駅前のマンションが未だに売れ残っていますが,マンション自体の魅力以外にも,駅前なのに売れない事情として,「駅前なのに買い物ができないエリア」っていう致命的問題点もあると思われます。)。
ほかにも細々した話はありますが,いずれにせよ,確実に前橋は衰退の一途をたどっています。
これに対して,商工会議所や中心商店街は,いろんなイベントを行うなどして集客アップを図っています。最近では,「tontonの街前橋」ということで,豚肉料理を売りにしたお店のキャンペーンなどを行い,全国ニュースでも取り上げられるなど,一生懸命頑張っています。
ところが,こうした取り組みは本当にごく一部でしか見られません。そもそも,前橋市自体が本当に危機感を抱いているのかっていう疑問を感じます。
前橋が衰退していて,これを何とかくい止めたいということを具体的な選挙公約(「魅力ある商店街」とか「活力ある産業」みたいな抽象論を述べた人はほとんどでしたが)にした議員はごくわずかでしたし,現在そうした活動を積極的に行っている議員は皆無です(いたとしても,誰1人ビラ配りも駅前での朝立ちもやらないので,活動内容の実体は全く分かりません。)市長も,県や知事との喧嘩に終始しているようにか思えず,商工会議所等の取り組みに対し,全面的に支援しているようには思えません(もし,全面的に支援していたとしても,少なくともその結果が出ているとは思えません。)。
市の具体的施策も,箱もの整備には依然として巨費を投じていますが,商工振興予算はごくわずかですし,施策内容もありふれたもので,とても危機感が出ているとは思えません。
おそらく,危機感のない施策の背景には,「なんだかんだ言っても,まあ県庁所在地だし,歴史もあるから,大丈夫だろう」っていう妙なプライドと根拠のない自信なのではないでしょうか。
例えば,先ほどのtontonのイベントですが,これ自体は非常に素晴らしい企画だと思いました。今は,特にB級グルメブームであることからすると,こうして新たな豚肉料理を全国的に広めることで,知名度アップをはかり,県内外からの集客を高めることが期待できます。ところが,肝心なPR方法が今ひとつでした。例えば,イベントチラシは今ひとつ目立たない所にしかなく,決戦にノミネートされたお店の位置(地図情報)が分かり難かったので,特に市外から来る人「で,どこのお店なの?」っていう感じになりました。もう少し,市や県がタイアップすれば,もっと集客できるPRができたのにって思わずにはいられませんでした。
話が横道にそれすぎましたので元に戻りますが,大型店舗の撤退により,確実に周辺住民の日常生活に影響を与えます。ざっくりいうと,「住みにくい街」になるでしょう。市としても,税収減はもちろんのこと,住みにくい街となれば,人口減少も避けられない問題となりますし,住みにくい街とは「働きにくい街」でもあるため,企業流出も想定される話となります。
確かに,某企業等が実施する「住み良い街ランキング」では,施設の充実などが加点材料となりますが,今大切なことは,駅前整備や箱もの建設による住みよい街加点ではなく,「日常生活のしやすさ」を視点においた住みよい街加点を図ることではないでしょうか。
「うちは歴史がある町だし,県庁所在地なんだよ。だから,高崎には負けないんだよ」みたいな無意味なプライドはかなぐり捨て,「なんとしてでも,前橋を日常生活が困らないような住み良い街にしようではないか」っていう視点で政財界が手をつないでいくべきでしょう。
最後に,よそ者だから言える衝撃の一言を。
「実は,多くの人たちが群馬と栃木の区別がついていませんよ。当然,前橋って知名度低いですよ」
是非とも前橋市には奮起してもらい,「うわ,買い物も普通にできる住みやすい街やなあ」って言われるような街にしてもらいたいものです。そして,撤退した企業が「撤退しなきゃよかった」と思わせられれば言うことないです。
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私も、ただの一回だけ・・前橋に訪れたことがある程度です。
それも、あのグリーンドーム前橋に場外車券を
買いに立ち寄った程度・・・とは悲しい限りです。
冗談はさておき、我が三重県の県庁所在地「津」も他人事とは思えません。
残念ながら津も大きな幹線から外れ、特にこれといったものもなく都市全体の盛り上がりには苦戦を強いられています。
群馬県の高崎のごとく、四日市市の方が津よりも人口が多く、都市機能も備わっているといった印象です。
四日市はジャスコ(イオンとは言いません)のお膝元ですが、津や四日市駅周辺から撤退し、郊外への出店も少なからず影響しています。
打開をするために、津から中部空港への高速艇の運行やB級グルメとしての「津ぎょうざ」など
いろいろやっているようですが、あまり効果は芳しくないようです。
最近何やらB級グルメなんだっていろんなところが食いついています。
私も嫌いじゃありませんが、なんだかそういったことばっかり見すぎてしまって、その土地の良さや文化、考え方がよく他の地域の方に伝わっていないような気がするのです。
先日、けんみんshowでやってましたが、三重県の人はあられの上からお湯、お茶をかけて食べるという独自の風習があります。
大したことありませんが、こういった我々でも
気が付いていないことにこそ、大事なことが隠れているような気がするのですがいかがでしょうか。
長くなりました。すいません。
前橋で元気なのはけやきウォークだけです。
吉田拓郎の「イメージの詩(1970年)」
”古い船には新しい水夫が乗り込んで行くだろう 古い船を 今 動かせるのは古い水夫じゃないだろう なぜなら古い船も 新しい船のように新しい海へ出る”
国も地方も今まさにこういう状態なんでしょう。
確かに,津と四日市の立ち位置って前橋と高崎に良く似ていますね。
前橋の致命的な弱点は,やはり「新幹線が止まらない」っていう点にあると思います。しかし,反面,「高崎とは絶対に合併はしない」というプライドがあるため,さいたま市のようにはならないみたいです。
ところで,B級グルメでのまちおこしは,手段としてはナイスアイデアなのですが,実は「何気なく街中にあるもの」こそがまちおこしの鍵を握るものなのです。
例えば稲取温泉は,地元の人があまりに当たり前すぎて商売とは結びつかないだろうと思っていたことを次々とイベント化して観光客増加につなげました。B級グルメって,「作ること」ではなく「足元を見直すこと」に本当の意義があるのかな,って思います。
クロスガーデンも確かにやばそうですね。
今日も買い物に行きましたが,既にテナントが撤退するなど,空室が目立っています。反面,パチンコ屋が入居したり,フードコートが入るなど,それなりに企業努力をしていることは認められます。
とはいえ,かなり厳しい感じですね。
「**まんじゅう」は,いの一番にでるアイデアですね。簡単に作れるからでしょうが,まさに昭和のアイデアといわざるを得ません。
奇抜なアイデアは不要です。これからは,「今あるものをじっくり見直す」ことが求められると思います。
そういう意味では,ご紹介いただいた吉田拓郎さんの曲でいう「新しい水夫」の視点が求められるのでしょうね。
思いと実践・結果は別物なので、客足が少し減ったあたりでも、経済効果の対処はしても良いと思います。
まぁ私の住んでいる神奈川も同じようなものでしょうが・・・。
多くの主要都市(しかも歴史のある街)において,似たような状態があるのではないかと思います。
もちろん,単純に経済効果だけですべてを推し量ることはできませんが,少なくとも,「そのうち何とかなるだろう」っていう楽観的なことだけ思っていてもダメだと思います。