あれは,あれで良いのかなPART2

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「建替」ではなく「立替」を

2005年11月21日 01時02分55秒 | 偽造設計問題
姉歯氏の構造計算書偽造事件で,だんだん問題が大きくなってきました。
その中で,一部住民やコメンテーターからは,「国や地方自治体が責任を持って建て替えるべきだ」という話が出始めています。

国や自治体はそこまでやる必要があるか?

気持ちは十分分かります。しかし,基本的には建設会社や販売会社の責任で対応する次元の話であり,国や地方自治体が税金を使って対処する話ではないと考えます。
なぜ,国や地方自治体が建て替えなければならないのかという論拠に対し,私なりに反論したいと思います。

1 地震対策の一環として,壊れそうなものを放置するべきではない
→私の今の住居も,うちの実家も,地震が来れば間違いなく崩れます。それは,いずれも昭和48年以前の建物だからです。昭和48年以前の建物は,耐震性に疑問がある場合が多く,倒壊の可能性が指摘されています。
もし,地震対策の一環として国が税金を使って建て替えるのであれば,私の家も含めてそのような家やビルもすべて税金を使って建て替える必要がありますが,当然そのような議論は起こりません。

2 住民の保護を最優先に考えるべきだ
あくまでもデベロッパーの責任です。もちろん,一時的に公営住宅をあっせんするなどの措置を講じることは可能かもしれませんが,それだけで建て替えまで要求する理由にはならないでしょう。
住民保護を最優先に考えるとすると,他に欠陥住宅訴訟などで住居自体に住めなくて困っている人がたくさんいます。そのような人に対して,税金で住居を提供するのか,という問題にもなるでしょう。
仮に,今回の件で,姉歯氏が偽造を否定していた場合,どうなるでしょうか。偽造の有無が訴訟などで判明しない以上,対応は難しかったといえるでしょう。
ちなみに,地震が不安で眠れないという住民の方がいましたが,前述のとおり,私の家は地震で崩れるのがほぼ確実なので,今は運を天に任せている状態で生活しています。一方で,無事だった場合のために,タンスの転倒防止や非常食常備など防災対策を講じています。

3 検査で欠陥を見抜けなかった国や地方自治体に責任がある
責任はある可能性は高いでしょう。しかし,国や地方自治体だけの責任ではありません。法律的には,設計士,開発業者,販売業者などと連帯責任を取る(共同不法行為)となる可能性が高いです。とすると,建て替えと言うよりも,損害賠償(国会賠償)の範疇の話になるといえるでしょう。

4 道義的な責任があるのではないか
→一部業者のちょんぼのために,国民の税金を投入することについて,逆に国民全体の同意が得られるでしょうか。

以上の理由によります。
もちろん,誤解のないように言いますと,決してこの住民を見捨てろ,というわけではありません。業者が実際に責任を負いきれない可能性が高いため,そうなった場合には二次的にフォローをする責務があるとは思います。
ただし,その範囲とは,前述の公営住宅のあっせんや,住居費用の立て替え,あとは損害賠償に留まるべきでしょう。
しつこいですが,あくまでもメインの責任は設計士と建設業者(及び販売業者)にあります。

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