あれは,あれで良いのかなPART2

世の中の様々なニュースをばっさり斬ってみます。
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中野区で誤報防災無線,そもそも誰も知らない地域防災計画

2006年09月01日 01時08分53秒 | 災害・危機管理
夕方,関東地方では結構大きな地震がありました。私も仕事中でしたが結構な揺れにビックリし,その後しばらく仕事が手に付きませんでした(もともと仕事が手に付いていないぞ,っていう説もありますが・・。)。
おりしも防災の日直前ということで,ちょうどよい訓練になったことと思いますが,そらが笑うに笑えない事態が発生したようです。
中野区では,その後「東海地震が発生する」という防災無線を誤って区全体に放送してしまい,その後区民から問い合わせが殺到するという自体になったようです。中野区は,45分後,訂正の放送を入れましたが,その後も問い合わせは続いていたようです。

「震度5が来る」一時騒然、中野区で防災無線が誤放送 (読売新聞) - goo ニュース

防災計画は知られていないの?

このニュース,解説者の大半は,「訂正放送をもっと早く入れるべきだ」とか「訓練で使うなら訓練と分かるような内容にするべきだ」などと指摘していました。それはそれで正しい指摘だと思います。
しかし,私は例によってちょっと視点を変えて突っ込んでみたいと思います。
「なぜ,電話の問い合わせが殺到したのか」という点です。
これを当然と考えないでください。なぜなら,多くの自治体の地域防災計画には,避難場所が明記されており,大災害の時にはまず避難場所に行く,ということになっているからです。すなわち,住民には既に避難マップなどが配布され,大地震の時はそれにしたって行動すればよい,ということになっています。
ところが,今回は電話照会が殺到しました。そして,その内容の多くは「避難先はどこか」「今後どうしたらよいか」など,計画書にしっかり明記されていることのようでした。
ということは,少なくとも中野区ではまだまだ地域防災計画の内容が区民に伝わり聞いていないということが推測されます。
とはいえ,中野区も,訓練前にこのようなことが分かっただけでも収穫といえます。今後は,「いかに告知するか」という点を踏まえた普及活動に務めればよいでしょう。

ところで,地域防災計画の問題点については,以前記事でまとめましたので,そちらを参照してください。
今回のようなケースの場合,自分の避難場所はどこかなどという広報活動が不十分であったといえるでしょう。
避難場所がどこなのか,どのタイミングで避難場所に避難するかなどを紹介するし,かつその内容が十分に告知徹底呈されていれば,このような問い合わせも大幅に減少するでしょう。
また,防災マップを配って「はい,告知しました。市民全員知ってます。」というのは,役所が大好きな「アリバイ文書」となる似すぎません。もっと,実質的な部分について理解を求める必要があるといえるでしょう。
後は訓練の実施です。今の訓練は,もっぱら「災害発生直後」を想定したシナリオが大半です。
しかし,いつ,どこに避難するべきかという点については,多くの自治体で行っていないのではないでしょうか。
もちろん,災害直後を想定した訓練は重要です。しかし,「もうすぐ災害発生するぞ」の時に何をするべきか,その点もしっかり訓練をして体で覚えてもらう必要があるといえるでしょう。

災害は,いつどこで発生するのか分かりません。だからこそ,日頃の危機管理が大事なのです。

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2 コメント

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徹底が必要ですね (Joeden)
2006-09-01 07:30:44
この時間帯の発生ということもあり、職場や出先などという方も多かったのかもしれません。

だからこそ、自宅以外で災害に遭遇したときのことをも想定しておく必要があるといえるでしょう。

災害は必ずしも、思い通りの場所と時間で発生するわけではないことを、多くの方が知る機会になったのではないでしょうか。
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Joedenさま、コメントありがとうございました (おかにゃん)
2006-09-01 21:06:51
こんばんは。

確かに、この時間帯で中野区という場所からすると、必ずしも住民だけがいるとは限りませんね。

実は、千代田区あたりではむしろ住民よりもサラリーマンのほうが多いことから、災害時には「帰宅難民」が集まり、ちょっとしたパニックになることが想定されています。もちろん、それに応じた防災計画となっているようです。

ただ、残念なことに、その情報、各企業に一応伝わっているとは思うのですが、肝心なサラリーマンはよくわかっていないのが実情です。

住民のみならず、働いている人たちも自分の勤務地の避難場所などについて把握しておく必要があるといえそうですね。
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