あれは,あれで良いのかなPART2

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不信任案提出が「国会不信任案」を国民から突き付けられないようにしてね

2011年05月31日 23時22分21秒 | 政治・選挙
自民党及び公明党が,1日にも内閣不信任案を提出する方向で最終調整をしているようです。また,民主党内でも,いわゆる小沢グループを中心に相当数の造反者が出ることが想定されており,結果いかんでは,菅内閣の今後の帰趨に大きな影響を与えかねない状態にあります。

不信任案提出あすにも決断、自公最終調整(読売新聞) - goo ニュース

「そうはいかんなおと」っていうことになるかな?

この時期の不信任案の提出は,これまでの永田町の論理で考えると,十分セオリーどおりの展開です。
すなわち,ここは否決でも構わないのですが,民主党内にそうとうな揺さぶりをかけることで,党内にごたごたを発生させ,お家騒動を助長させるとともに,野党サイドは,不信任案提出=国会で充実した活動をアピールできるため,次の選挙で支援団体や有権者からの心証もよくなるという一般的思惑も働くためです。

確かに,今,国民のイライラは最高潮に達しています。だからこそ,不信任案を突き付けるというのは,十分理由もあることです。
ただし,ここで一つだけきちんと考えなければならないことがあります。それは,「不信任案後の私たち有権者としての対応」です。
基本的には,不信任案が可決すると,「解散」か「総辞職」となります。

まず,前者の「解散」を選択した場合,これは選挙になりますから,私たちの意思表示は簡単です。
ただし,実は,ここに落とし穴があります。残念ながら,民主党はもちろんのこと,各党とも,未だに「批判はするが,自分たちの政策」を明示していないことです。
特に,自民党の場合,今回の原発問題については,エネルギー政策の在り方も含め,かなりの責任があります(実際,小泉氏も,その点を自ら指摘し,反省をしている旨の発言がありました。)。また,政治資金報告書記載のとおり,東京電力幹部から,毎年政治献金を受領し続けてきていますので,この対応や今後の東電に対する対応を,今の段階ではっきり国民にプレゼンするべきです。政権与党になった瞬間に,蜜月にして国民負担で終わり,っていうことにするのか,そうではないのか,っていうことをはっきり言うべきなのです。
批判するだけなら,どこの野党もできますが,政権与党を目指す立場であるなら,「きちんとしたビジョンを示す」とともに「過去の反省と同じようなことをやらない新生自民党のあり方」をきちんとアピールする必要があるでしょう。ここがきっちりできると,有権者はかなり戻ってくると思います。
一方,民主党は,政権を維持したいなら,お家騒動を辞めることです。これやってる限り,有権者の支持は得られません。
そして,今回の選挙のピースボートとなるのは,「みんなの党」ですが,残念ながら,今のところ,存在意義が薄れつつある状態にあります。今こそ,自分たちの立ち位置を明確にしたうえで,「自民でも民主でもない」という今一番多いであろう有権者の支持を集める必要があるでしょう。ここのがフワフワしていると,結局,有権者の支持は得られません(地方選挙でも,「みんなの党」という看板だけでは当選できないという実例を体感しているはずです。)。
以上の現状を踏まえ,「どの政党に次の政権を託すか」を今からきちんと見極めておきましょう。そもそも,「菅総理の行動力がない」などと批判されていますが,「では,逆に,今,どういうことをやる総理なら信用できるのか」っていう自分なりの基準を設けておくのもよいかもしれません。

一方,後者の「総辞職」を選択した場合ですが,かなりの曲者です。
基本的には,新しい内閣が発足しますが,当然ながら,民主党政権から誕生することになりますので,基本的には小沢氏がなる可能性が極めて高いということになりそうです。
ところが,そうはいかんのです。すなわち,不信任案が可決する場合,民主党内にかなりの人数の造反者が出たことになります。そして,造反者は,今のところ「除名」を検討しているようです。っていうことは,小沢グループは,造反したら,もはや民主党員ではないということになるのです。
そのうえで,不信任案が可決したということは,民主党は単独過半数維持できないっていうことになりますから,単独で与党が組めないっていう状態になります。そうすると,カギを握るのは,「離反小沢組」となるのです。でも,除名した人と手は組めないという感情論が先行します。
すると,小沢組は,自民党サイドにくっつく可能性もありうるのです。この場合,小沢氏の処遇が問題となるでしょう。結果的に,小沢氏を総理にするという選択肢を自民党が下す可能性もかなりの確率でありうるのです。
ってことは,総辞職を選択しても,「消極的政権交代」が発生するかもしれないのです。ただ,この政権交代には,有権者は一切関与できないっていうことになります。

いずれにせよ,今回の不信任案,カギを握るのは,小沢グループと言っても過言ではないでしょう。小沢氏の一存で,政局が大きく変わるのです。
ただ,実際は,今回は否決される可能性が高いのでは,と思います。

でも,いずれにせよ,この不信任案ゲーム,正直,永田町の論理の塊に過ぎません。今,こんなことやっても,復興対策にはなりませんし,下手すると,ここで解散総選挙となると,復興対策は事実上止まってしまいますであれば,本来は,ここで切るべきカードではないのです。そういう空気が読めないのが,今の各政党の弱さかもしれません。

ちなみに,民主党議員の造反方法ですが,多くの方は,「賛成に投じる」というポジティブ方法を想定しているかもしれませんが,おそらくは,「みんなで欠席」というネガティブ方式になると思われます。前者であれば,確実に除名ですが,後者の場合,うまく説明がつけば,最悪党員資格停止で済むかもしれないからです。
選挙になった時は,その議員がどういう態度に出たのかは,きちんと押さえておくべきでしょう。正直,今の永田町方式による実質賛成は,「保身もしたい」っていうちょっとずるい思惑によるものなのです。そんなずるさが大事か否かの判断は,有権者の皆様に委ねます。

いずれにせよ,今回の不信任案,基本構わないとは思いますが,目的ばかりに集中しすぎて,一番大切な「震災復興」「国民生活」っていうことを忘れてほしくありません。それを二の次にして不信任案ごっこに終始してしまったら,確実に「国会不信任案」が国民から突き付けられるでしょう。
今回は,永田町の論理ではなく,純粋に国民第一の論理で進めてほしいものです。

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