あれは,あれで良いのかなPART2

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ゲリラ豪雨に対応した防災計画の見直しも必要

2010年07月10日 21時54分29秒 | 災害・危機管理
今年も,国内各地でいわゆる「ゲリラ豪雨」と呼ばれる集中豪雨が発生し始め,各地で大きな被害が出始めております。気象庁も各地で注意を呼び掛けています。

関東甲信、再び激しい雨も=1時間30ミリ―気象庁(時事通信) - goo ニュース

ゲリラ豪雨はこれまでの単純な水害とは違う

ゲリラ豪雨はここ10年で急増しているようです。地球温暖化により日本が亜熱帯化したためなどという説もありますが,実は本当の原因は諸説あり,定かではありません。ただ,確実に言えるのは,「これからもまだまだ増え続けるであろう」ということです。

ところで,各市町村では地域防災計画などを策定し,水害などに対する対応策や,ハザードマップ(どこで水害が発生するか)などをシミュレーションし,市町村内での体制づくりや住民に対する注意喚起を促すなどしています。
ところが,ほとんどの市町村の防災計画では,水害=台風のようなものを想定しています。すなわち,ざっくりいうと,近々大雨が降りそうだ→大雨が来はじめた→川の水位が上昇し始めた→雨も本降りになり,徐々に浸水が進み始めた→防災本部を開設しよう→河川の堤防や水位が危険になった→そこで「よし,土嚢をつむなど防災対策開始!」っていう手順で防災対策が始まるという流れとなっています。
ところが,ゲリラ豪雨の場合,突然大雨が降り,一気に河川があふれたり,急激な浸水,さらには地下街等でいきなり浸水など,「短時間で一気に災害が発生」という状態になります。このような,急激な水害に対しては,実は地域防災計画ではあまり対応できない状況にあるのです。
地域防災計画では,突発的な災害=地震という形になっておりますが,水害と地震は避難基準や避難場所等で必ずしも一致しない場面もあるため,そのまま流用することはできません。また,通常の水害対策では,前述のとおり,対応が間に合わないことになります。
とすると,やはり各市町村とも,「ゲリラ豪雨」のような短時間突発的集中豪雨に対する防災計画を策定する必要があるでしょう。

検討するべきポイントは次の点になると思います。
1 気候基準(1時間200ミリの雨が降ることまで想定した方がよいでしょう。現状,1時間120ミリとした基準でまちづくりをしているようですが,もはや120ミリを超える雨が降るようになりましたので,気候基準は大幅に見直すべきです。)。
2 判断基準(台風のように来ることの予測が困難ですし,降りだしたらあっという間なので,災害本部を立ち上げて云々している場合ではない。地震に近い動きを想定するべきです。)
3 避難基準(台風のように,「そろそろ逃げましょう」っていうわけにいかないため,短時間豪雨の場合のハザードマップを作成し,逃げるべき地域とそうでない地域をしっかり分けたうえで,逃げる場合は,既に浸水が進行している前提で,危険個所を把握するべきです。)
4 意識付け(ハザードマップはしっかり住民に示し,ゲリラ豪雨時の危険性を認識させる。同時に,町として減災対策をきちんと講じる。)

ざっくりいうとこんな感じです。もちろん,ほかにも検討するべき点はたくさんありますが,いずれにせよ,「迅速な判断と対応」,「住民の安全を守る」という観点と,「ゲリラ豪雨に対応するまちづくり」という減災対策を踏まえて防災計画を見直すとよいでしょう。

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