あれは,あれで良いのかなPART2

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横須賀市長選挙で無所属新人が当選,非政党政治現象が進むのか

2009年06月29日 22時52分11秒 | 政治・選挙
小泉元首相のお膝元である横須賀市で,横須賀市長選挙が28日に行われ,即日開票の結果,無所属新人の吉田雄人氏が現職で自公民支援の蒲谷氏らを破り当選しました。投票率は,45.22%で前回の40.19%を約5%上回りました。

小泉元首相おひざ元、「チェンジ」 横須賀市長に吉田氏(朝日新聞) - goo ニュース

小泉神通力が消えたというよりも完全なる政治不信の象徴か?

まずは選挙管理委員会発表の選挙結果から。
1 無所属 吉田雄人 68,628
2 無所属 かばや亮一 64,147
3 無所属 ごとう正彦 23,134


横須賀市は36年間,いわゆる官僚出身の市長が続いており,しかも,基本的には小泉元総理はもちろんのこと,基本政党はこの官僚市長を支持し続けてきました。
今回,横須賀市民は,こうしたこれまでの状況に対し,しがらみのない若者にすべてを託しました。
吉田氏は,2期市議会議員を勤めた上での立候補でしたが,政党の支援もなく,基本的には支持団体と呼べるようなものもほとんどない状態での選挙活動を展開していたようです。特に,議員時代から駅前での凱旋活動を重視していたとのこと。
その上で,「これまで官僚市長が続いたことによる閉塞感を打破しよう」ということを有権者にアピールしてきました。その声に有権者が反応した結果であろうとと思われます。
そういう意味では,和光市長の松本さんと非常に似た経歴だなあ,って思います。

一方,蒲谷氏については,この4年間に特に大きなスキャンダルを起こしたわけではなく,むしろ小泉元首相まで選挙応援に駆けつけるほか,自公民が支援していること,そして投票率が40%台ということで,普通なら「銀行選挙」といわれるような安泰な選挙になるはずです。ところが,蓋を開けてみたら,僅差ながら敗北ということになりました。
千葉市長選挙でもそうでしたが,40%台ならば本来「組織選挙」となるはずのところ,予想に反して浮動票が大きく影響しました。なぜでしょうか?
おそらく,一つは,組織選挙の基盤たる組織自体が崩壊し,場合によっては謀反が起こり始めていること(中小企業の土木商工業者は不景気のあおりをもろに受けて選挙どころの騒ぎではないこと,公明党の支持母体も多くは庶民であり,大なり小なりの不満を抱えていることなど),もう一つは,既存政党を応援しても自分たちに利権が転がってこないことが分かってしまったことで組織票を投じることを止めたこと(公共事業抑制や福祉削減,そして消費税増税により,中小企業が儲かる要素がないことなど),そしてもう一つは,「逆に今まで選挙に行かなかった一般の人が増えた」という点にあるでしょう。
したがって,投票率という数字だけ見るとわずか数パーセントの上昇にすぎませんが,実際は組織としての投票率が低下しているため,浮動票たる一般人の投票率が大きく上昇したと言えるのです。

とはいえ,投票率が40%台というのは非常に寂しいです。いつも同じことを言いますが,選挙に行かないことは,「政治家へ白紙委任」していることと同じです。何をされても文句が言えません。「自分たちに説明なしで変な政策を決めた」などと怒っている人もいますが,もし,選挙に行っていないのであれば,怒る資格すらありません。
もちろん,今の政権に満足しているのであれば,それを維持するために政権与党に一票を投じなければ,政権が変わってしまうかもしれません。逆に,今の政権に不満があるのであれば,それをはっきりと選挙で意思表示しなければ,あとで騒ごうがわめこうが,「単なる奴隷」になるだけです。
「魅力的な候補者がいない」という声もよく聞かれますが,逆にいうと,どういう人が魅力的な候補者なのでしょうか?自分と100%同じ考えの人間なんて,この世の中にはそうそういません。当然,候補者が自分と100%同じ考えなんていうことはほぼ確実に望めません。
そうであれば,「重要なポイントで考える」ことや「トータルで一致するのが多い人」など,自分の基準をたてて最大公約数的に候補者を選ぶべきです。魅力的な候補者の出現を待っていたら,おそらく100年経ってもそんな人は出てきません。

話はそれましたが,横須賀市長,若さということでかなりパワフルに動くと思いますが,一方でこれまでの官僚市長により企業等の業界はもとより,議会,県,国などとのしがらみもかなりあると思います。そうすると,自分の思いが直ちに実現できるかどうか結構微妙な問題があるかもしれません。しかし,そんな嫌がらせに屈することなく,横須賀市民のために前進を続けてほしいものです。
去年,横須賀に遊びに行きましたが,非常に魅力的な町でした。もっと魅力のある,そして活気のある横須賀,これを目指して頑張ってください。
一方,各政党は,この結果を「単なる地方の結果」と捉えず,国民が何に不満を感じているのか,きちんと分析するべきです。特に民主党は,今回の選挙結果から,「国民が求めていたのは,民主党政権ではない。単に,国民生活を省みない自民党政権を変えてくれ」ということにすぎないということが判明しました。民主党も,本気で政権交代を狙うのであれば,この結果について自民党以上に反省が求められるのではないでしょうか。

以上,横須賀市長選挙の短評でした。

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