2019年製作の「ジュディ 虹の彼方に」を観ました。「オズの魔法使」のドロシー役で有名なジュディ・ガーランドがなくなる半年前に焦点をあてて描いた映画です。抜群の歌唱力とカリスマ性を持ち、ハリウッドの大スターになったジュディ・ガーランドは太りやすい体質だったため、子役の頃から与えられていた覚醒剤(アンフェタミン)を常用するようになる。当時ハリウッドでは、ダイエット目的でアンフェタミンが使われていたらしい。母親から薬を与えられ、ゆっくり眠ることを許されず、子供時代を奪われたジュディ。成人するころには、薬物中毒の影響が出て、神経症に悩み、情緒不安定で不眠症だった。無断欠勤や遅刻を繰り返し、仕事の依頼が減り、浪費がたたって多くの借金があった。5番目の夫、ミッキー・ディーンズと一緒に、再起をかけてロンドンに旅立つ。ロンドンのクラブでのショーに出演したとき、遅刻をして観客からなじられる。お客を罵倒したジュディは、クラブの仕事もできなくなる。ミッキーはまたアメリカでの契約を取ろうとするが、失敗する。そんなとき、クラブのステージを脇で観ていたジュディは飛び入りでステージに出る。圧巻の歌唱力に観客からスタンディングオベーションをもらうジュディ。ジュディを演じたレネー・ゼルヴィガ―の歌唱力に驚いた。ジュディ・ガーランドが憑依したかのよう。以前、映画「シカゴ」を観たとき、レネーの歌唱力とダンスの上手さに感嘆したが、今回も感動のステージだった。ジュディ・ガーランドは情緒不安定で奔放な性格だったと言われるが、母親から薬を与えられ、楽しい子供時代を奪われたのだから、仕方ないかと思う。47歳で亡くなったジュディ・ガーランドに捧げる優れた映画だと思います。この映画でレネー・ゼルヴィガーは第92回アカデミー主演女優賞を受賞した。早逝したリバー・フェニックスや、ホイットニー・ヒューストンなど、薬物依存症の怖さを思う。
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