トドの小部屋

写真付き日記帳です。旅行記、本や美術展の紹介、俳句など好きなことをつれづれに。お気軽にどうぞ。

汝、星のごとく

2023-12-03 11:58:24 | 
凪良ゆうさんの「汝、星のごとく」を読みました。今年の春ごろ、図書館で予約したまま忘れていましたが、やっと私の順番が来て、2日間で読了しました。2023年の本屋大賞に輝いた小説です。主人公は17歳の青埜櫂と井上暁海。櫂は、瀬戸内海の島に、一年前に、母親とともに京都から引っ越してきた高校生。同級生の暁海は島で生まれ育った少女。島でスナックを営む櫂の母親は、男を追って島にやってきたのであるが、櫂は小学生の頃、男と出かけた母親に自宅に置き去りにされ、餓死しそうになったことがあった。櫂が生まれて間もなく、父親は胃がんで亡くなっている。男なしでは生きられない母だが、櫂は優しい青年に育ち、今では、親に頼られる存在になっている。井上暁海の家は、父親が浮気をして、家を出たまま帰らず、母と二人暮らし。母親は、父と離婚をする気はない。高校の廊下で、櫂が落としたプリントを暁海が拾ったことがきっかけで、2人は親しくなる。閉鎖的な島暮らしの中で、家庭に問題を抱える二人は急速に親しくなるのだった。櫂は、高校を卒業後、漫画家となるため、上京する。暁海は、夫に捨てられ、鬱になった母を一人残せず、進学をあきらめ、島で就職する。遠距離恋愛を続けた二人だったが・・・。この小説には、さまざまな形の関係に基づく愛情が描かれます。漫画が大ヒットし、一時は、大金を稼ぐ人気漫画家になった櫂だったが、ある事件をきっかけに、漫画の道が閉ざされる。まるで、ジェットコースターのような櫂の一生。片や、ヤングケアラーとして苦しい生活の中で、一歩一歩自立への道を進んだ暁海。物語を通して、流れていたのは、何があろうと、互いを忘れられない二人の純愛だったと思います。悲しい話ですが、希望も感じました。お薦めです。
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