雀。日長、雀の観察をしている。じっと観察している。観察してどうしようというのでもない。ただただ見入っている。身を乗り出して見入っている。それだけ惹き付ける何かがある。飽きない。
雀が何かそこでドラマを演じてくれるというのでもない。万歳をしてくれるのでもない。幸福の秘密を打ち明けてくれるというのでもない。彼らは唯、無心だ。無心に籾殻遊びに興じている。籾殻の中に落ち穂が残っているのかどうか。しきりに嘴を突いて籾殻をほじくりあげている。
集まって来る雀の数が日増しに増えている。雀新聞に、「ここは魅力の場所」のスポット情報を報道したのかも知れない。雀テレビ局が「行ってみてごらん、此処は楽しい」ニュースを流したのかも知れない。とにかく数が増えて行く。
特ダネがあるわけではない。ただ楽しい。見ているだけで楽しい。雀が、そんなこと、人間を楽しませて上げようなどと意図しているわけでは、もちろんあるまい。結果的に、この老い耄れの爺さんが、これで楽しんでいるというだけだ。それでも好奇心は増すばかりだ。親しみがいよいよ加わるばかりだ。
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