台風が近づいて来ているのだそうな。くわばらくわばら。
「くわばら」とは「桑原」と書く。井戸に落ちた神鳴りさんが白状をしたのだそうな。二度と此処へは落ちてきませんからと命乞いをしたらしい。井戸に落ちたところをすかさず蓋されてしまったらしい。で、自分は桑の木を苦手としているから、これが生えているところ、すなわち桑原には落ちてこない。クワバラという言葉でさえも忌み嫌う、と。そこまで弱音を吐露されたところで井戸の蓋が微かに開いた。そして下の天界に戻って行った、とか。その通り、「クワバラ」の音が地上にしただけで、神鳴りさんはすっかり意気地なしになってしまったのだそうな。
さて、台風さんはどうだろう。やはり雷神様のご親戚なのだろうか。