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是より西の方、十万億仏土を過ぎて世界有り、名づけて極楽と曰(い)う。其の土に仏有り。阿弥陀と号す。今、現に在(いま)して、法を説きたまへり。
「仏(=釈迦牟尼仏)の説きたまひし阿弥陀経」より。
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此処から西の方角に十万億個の仏土(仏の国)があります。そこを過ぎて行くとまた一つの仏国土があります。ここは極楽と名付けられている国です。この国に仏さまがいらっしゃいます。阿弥陀仏と申される方です。ここに出現されて法を説いておられます。
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ですから此処(お釈迦様のおられる世界)は、極楽世界からすると東に位置しています。十万億仏土を離れています。一仏土は一宇宙世界に匹敵します。十万億仏土にはみな仏さまがおられて法を説いておられます。仏土はそれぞれの仏が理想を掲げて建設された理想の国、最高最上最良の国です。どこもどこもどこも仏として生きる快楽が極められた国です。
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それだけの空間的距離があっても大丈夫です。仏の国はわれわれの国のような三次元空間ではないからです。距離はないに等しいのです。われわれは娑婆世界(=忍土=苦しみを耐え抜く世界)を生きた後で、みな、即時に、一瞬にして、仏国土移住(=往生)をするように設定されています。われわれを往生をさせるのは仏さまのパワーです。だから大丈夫です。安心していていいのです。往生成仏はわたしたちの自力がするものではありません。だからジタバタしないでいていいのです。
仏さまはそういう説法をなさっています。
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仏さまは自分だけを仏にしておられる方ではありません。自分だけが仏になって暮らしておられるくらいなら、それは小さな仏さまです。そんな利己主義の仏さまではありません。大丈夫です。安心していていいのです。すべての人を仏にするという慈悲と智慧の仏さまです。
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わたしは阿弥陀仏様だけがわれわれ人間を救済しようとされているのではないと思っています。十万億の仏土の仏さまはどの仏さまもお慈悲と智慧を共有されておられるから仏様になっておられのですから。それぞれが工夫を凝らされていますから、それぞれの色合いや特質があって、独特なんでしょうね。
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わたしたちの娑婆世界の西の方にも十万億仏土がありますが、東にもあります。北にも南にも上にも下にも仏土があります。だからその仏土のど真ん中に、わたしたちの娑婆世界があります。貴重な存在です。此処だけが忍土になっています。苦しみ悲しみを忍耐して人間向上を実践するところになっています。不思議なところです。
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今日はいろんなことを考えて来ました。
1、仏国土がある。嬉しいです。
2、いま現にお姿を現されて法を説いておられます。
3、大丈夫だよ大丈夫だよ、心配は要らないよ、安心していいのだよと、説法をしておられます。
4、しかも、十万億のそれぞれの仏たちも、仏の全パワーでもって。
5、新進気鋭の仏さまが阿弥陀様です。
6、ふふふ、ふふふ、ふふふ、ことほどさように、仏教経典には嬉しいことばかりが書かれています。