あくまでこれは推理推測だが、北朝鮮が核を放棄したら、国家と国民の安全を保障して上げようと大国は考えて、話し合いのテーブルにつけようとしているが、しかし、その話に乗ったら、身ぐるみ剥がされて弱体化し、言いなりにされてしまうのではないか、と北朝鮮は恐れているだろう。何処の国の歴史にも、その手の懐柔策、とどのつまりのお国没収は、数限りない。騙されるのではないかという猜疑心が深まるだろう。だから、外交に乗れない。スイスは仲介の役を買おうと言っているが、これも恐らく北朝鮮によって否決されるだろう。国際連合はこういうときにこそ世界の平和回復の役割を果たさなければならないが、アメリカ、中国、ロシアなど大国の思惑が統一できないでいる。
騙されては大変だ、で、北朝鮮の取る道は自力で国を防衛していく道しか残されていないことになる。だから他国の侵略に備えてぎりぎり国威発揚を印象づけるしか道がない。テポドンを打つ。ICBM、核弾頭を打つ。水爆実験を繰り返す。後へ引けない。平和を希求することが即大国への隷属になってしまうのではないか、国家のイデオロギーが破壊されるのではないか、独裁者の権威と権限が剥奪されてしまうのではないか、などなど疑問が次々に湧き起こって、北朝鮮は国家の未来が読めない。
北朝鮮が、たとえばだが、日本の敗戦後のように、アメリカの軍門に降ればどうなるか。アメリカ軍はすばやくそこに駐屯することになるだろう。それを恐れている国は、北朝鮮を宙ぶらりんの今のままにしておきたいだろう。
政治のことは十郎には分からない。だから単なる推測だ。結論は、世界平和の維持だろう。世界中が北朝鮮の国家として認め、現在と未来を保障することだろう。繁栄する国家として認めて上げることだろう。だが、それは必ずしも独裁者の言いなりを保障するというものでもない。世界が監視をするという条件が優先されるだろう。彼らにはこれは受諾できない。こうなると解決は先延ばしされてしまうことになる。十郎の小さな料簡では、もうここらでギブアップだ。先が読めない。因みに当事国の北朝鮮の国民はどう考えているのだろう。独裁者の国家思想に洗脳されていて、或いは判断が麻痺しているのかもしれない。戦争へ戦争へと駆り立てられていった嘗ての我が国のように。