今日の空はどんよりしています。でもまだ雨が降り出しそうにはしていません。一雨降ってくれないと土がからからに乾いています。9時半を回りました。こころなし、ワシワシ蝉がせわしげに鳴いています。
さぶろうは、世界の文学全集というのを若い頃に買って読んでいたのですが、鼠の囓りくらいで終わっています。長編小説を読み切るほどの忍耐力に乏しいようです。今からでも遅くはありませんから、もう一度読み継ぐべきです。小屋の倉庫の本棚に眠っています。
今日の空はどんよりしています。でもまだ雨が降り出しそうにはしていません。一雨降ってくれないと土がからからに乾いています。9時半を回りました。こころなし、ワシワシ蝉がせわしげに鳴いています。
さぶろうは、世界の文学全集というのを若い頃に買って読んでいたのですが、鼠の囓りくらいで終わっています。長編小説を読み切るほどの忍耐力に乏しいようです。今からでも遅くはありませんから、もう一度読み継ぐべきです。小屋の倉庫の本棚に眠っています。
「互い互い」
地球を
これほど愉快にさせて
ぐるぐる回らせたのは
それはみんなの
愉快のせいでした
山々が新緑を着て
明るく嬉しくできたのは
それはみんなの明るさが
原因になっていましたし
そのみんなの明るさの元は
山々の新緑でもありました
互い互いに
そうであったのです
もう7月になりました
今度は海と空が思いきり
朗らかになって踊ります
それに誘われて
朗らかに歩いているのが
大勢大勢います
その大勢のみんなに
惹き付けられたのは海と空
互い互いであったのです
宇宙の豊かさはわたしの豊かさです
わたしの豊かさはそのまま宇宙の豊かさです
この両者は
これでぴったり合致します
ですから
わたしがどれだけ豊かであるか
豊かさを満たしているか
それがそのまま
宇宙のパワーの強大さのバロメーターです
八月が来ています
今日は黄金の太陽と黄金の南瓜の花が
わたしの宇宙へ忍び込んできて
宇宙の豊かさをふくらませます
わたしはふっくらふくらみます
だから
わたしのこころは明るさの宝庫です
宇宙のこころも明るさの宝庫です
この同心円のこころが宇宙になったり
宇宙がわたしになったりします
遠慮は無用です
欲しいだけは与えられています
与えられているものは
貪欲に受け取っていいのです
受け取って受け取って
どれだけでも明るくしていていいのです
「家族動物園」
おはよう おはよう
おはようおはよう
挨拶のおはようの音階の
サイコロをばらばらにして
積み木して遊ぶ
「おおおお」「はははは」
「よよよよ」「うううう」
こんな興奮積み木ができる
手を挙げて笑いかけて
今日初めての出会いだから
家族動物園が一斉に吠える
「はようはようはよう」
これは催促
「はよ はよ うようよ」
みんな早くこっちへ来てよ
早く早くうようよ集まって
楽しいことをして遊ぼうよ
夜が明けた
子供らの明るい朝になった
空の光がながれてあふれ
おはようの放つ元気が
動物園中に広がって来た
「なあんだ」
上り坂を上り切ると
次は下り坂になっていた
なあんだ
そういうことだったのか
下り坂を下りて
しばらくすると上り坂になる
サイクリングの
ペダルが重くなる
ふうふう息があがる
汗が一挙に噴き出して来る
ここを越すとまた
下りになって
風を切る
さっきまでの汗が
今度は涼しさを演出する
するとそこではじめて
八月の鬼ユリが楽しめる
なあんだ
そういうことだったのか
上りと下り 暑さと涼しさ
苦と楽のどちらか一つ
ということはなかったんだ
人の非をやり玉にあげてはならない。やり玉にあげられるべきは自分の非である。自分の非をそっちのけにして、棚上げにして、人の非を責めてはならない。さぶろうは自分に言い聞かせる。己を是として他を非としてはならない。他を是として己を非とするべきである。言い聞かせても言い聞かせても、さぶろうはその通りの実行ができない。
自己欺瞞が渦潮をなしている。欺瞞が欺瞞をやり玉にあげる。それでみずからがまずもって修羅場に立つことになる。互の正義を振り翳せばそこは修羅道になる。戦場になる。敵を殺してしまわなければ自分の正義が立ち上がらない。国と国とだって同じだった。
昨日は広島原爆投下の日だった。70年前のこの日、広島は瞬時4000度の火の海になった。広島に続く長崎の原爆投下。2度の原爆投下はたしかに日本を終戦に追い込んだ。終戦は、結果的には、たくさんの人を救ったことになった。アメリカ国民はいまでもこれを正義だったと考えているらしいが、日本人はどうだろうか。互をやり玉にあげてすむものではないはずである。
おはようさんです。雀が鳴いています。ああ、よかったと思います。夢で戦争に行っていました。攻め入ってくる敵兵に銃で発砲してたくさん殺してしまいました。そして自分も殺されてしまいました。戦争に行った過去世の凄惨な記憶がよみがえって来たのかもしれません。恐ろしい夢を見せられました。そしてようやく目が覚めて、ほっとしました。夢だったのでした。雀が鳴いています。軒端に来てちゅんちゅん鳴いています。夢がほんとうなら、自分は極悪非道をたくさんして来た人間ということになります。その人間が虫も殺さぬ顔をして平和な雀の声をのんびり聞いているだなんて、どうも許せないことのようにも思われます。