何のためにまなぶのか

料理のレシピを読むとき、これが何の役に立つのか、とつぶやく者はいない。ただおいしいものを食べたい、それだけだ。
何かについて学ぶとき、何のために役に立つのか、料理のレシピほどにはわかりやすくない。
そのため、きわめて近視的なものの見方をしてしまう。

よく読めば、レシピも哲学書も、同じことなのだ。
誰かが考え、まとめ、記したものをなぞっていく。
その過程で、自分が出来上がっていく。
本質において、変わりはない。
レシピを正しく読んで正しく作れば美味い飯が出来上がる。
それは何を学んでも、同じではないか。
目の前においしい料理が現れなくても、本質において変わりはない。