知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

面接及び釈明の機会を設けずまたは審理を再開しなかったことの違法性(審理不尽)

2007-12-02 10:59:15 | Weblog
事件番号 平成18(行ケ)10276
事件名 審決取消請求事件
裁判年月日 平成19年11月28日
裁判所名 知的財産高等裁判所
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 飯村敏明


『2 取消事由2(審理不尽)について
 原告は,原告の要請にもかかわらず,審判合議体が面接及び釈明の機会を与えず,また審理を再開しなかったことにつき,審理不尽の違法があると主張する
 しかし,原告の主張は,以下のとおり理由がない。
 すなわち,審判手続において,当事者に面接の機会や釈明の機会を与えるかどうかは,審判合議体の裁量に属するものであり,そのような機会を必ず与えなければならない法律上の義務はないから,審判合議体が原告に対して面接や釈明の機会を与えなかったことが,直ちに違法になるものではなく,また,本件において,面接や釈明の機会を与えなかったことが裁量権を逸脱した違法なものとなるような特段の事情も認められない
 また,審理の再開(特許法156条2項)は,審理の万全を期するために,審判長が必要と認めた場合に行われるべきものであって,審理を再開するかどうかは審判長の裁量に属するものであり,当事者の審理再開の申立てに応じなかったとしても,直ちに審理不尽の違法となるものではなく,また,本件において,審理の再開をしなかったことが,裁量権を逸脱した違法なものとなるような特段の事情も認められない
 したがって,本件の審判手続には,原告が主張する審理不尽の違法は存在しない。』

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