パソコンなどというものにかかわるようになって43年になる。その始まりは1980年、東京本社に勤務している頃だった。ちょうど会社の中で“OA化”なるものが本格的に始まり、部署内で若手だった僕は先頭を切ってパソコンの習得をせざるを得ないハメになった。社内講習が始まったが、教わることと言えば、BASIC言語によるプログラミング。およそコンピュータなどとは縁遠い人生を送っていた僕にとって悪戦苦闘の連続だった。当時のパソコンは自らプログラムを組むしか使う方法はなかったのだ。早晩挫折するのは目に見えていた。しかし、そこで踏みとどまれたのはある人のお蔭である。その人は会社の大先輩であり、かつての上司でもあった。50歳を過ぎてから一念発起して、独学でプログラミングを修得され、会社の生協のシステムを自ら開発された。その取り組む姿勢を見て、まだ若い自分がここで挫折するわけにはいかないと発奮させられた。そのお蔭で、なんとかBASICやCOBOLなどの言語を使って簡単なソフトを作れるようになった。その後、ハードとソフトの飛躍的な向上があり、苦労してプログラミングしていたソフトは、表計算ソフトなどを使えば簡単にできてしまうようになった。しかし、僕がその後の人生で、IT化の波もなんとか乗り切れたのはその先輩のお蔭と今でも感謝している。ちなみにこの先輩の娘さんが、元宝塚のトップスターだった女優の日向薫さんである。
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パソコンをずいぶん長く、付き合っていらっしゃるのですね。本社勤めでいらして、大したものですね。先輩にそんな方がいらしたのですか。すごいです。