norinorimiffyの日記

きょう
だれかに ちょっと聞いて欲しいお話
お届けします  

万葉植物園

2012年10月23日 | Weblog

この前の日曜日

お天気がよかったので

久しぶりに 奈良の春日大社方面へ 出かけました

 

春日大社の近くには 万葉植物園があります

子どもが小さいころに 行った覚えがあるだけで 長くご無沙汰していたので

ちょっと入ってみようかな~ でも 春だったら藤とか カタクリとか咲いてるけど 今の季節はどうなのかしら・・・

入場券を売っている方に 「今はどんな花が咲いていますか?」と 尋ねると

「〇〇〇が 咲いていますよ」とのこと

〇〇〇 は ずっと以前 明日香の里で咲いているのを見かけて以来

もう一度会いたい と 思っていた花なので

「これは 入らなくては・・・」と 500円の入場券を購入し 中へ

 こんな小道が続きます

紅葉には まだ 少し早いし かといって 春の様な緑の息吹もない

でも ほら・・・   キリキリしゃんとして咲く 桔梗かな(小林一茶)

 

ずんずん 歩いていくと

おっ! 見えてきた お目当ての花にもうすぐ出会えるかも・・・

 そう ススキです でも 会いたいのは彼じゃないの・・・

ススキの根元に・・・ ほら・・・

ご存知ですか これは ナンバンギセル 別名 思い草 と 申します

 

   道の辺の 尾花の下の思い草 今 さらさらに 何をか思わん (万葉集巻10 2270 作者未詳)

 【道のほとりの尾花の下に咲く、思い草のように、今あらためて、あらためて、何を思いましょうか。】 

愛する人と結ばれる前は、物思いにふけっていました。 
なのに思いを遂げた今は、もう何も悩むことはないはずなのに…。かえってあれこれと思い悩むことが多くなってしまう、と作者は嘆いています。 
尾花とはススキであり、そのススキの下でうつむいたように咲くのが思い草です。 
人知れずひっそりと咲く思い草が、悩み、苦しんでいる作者の姿と重なって見えてきます。 
愛する人と結ばれたのだから、今さら何も思い迷うことはないはずなのに一層、募ってしまう想い。誰かを想うということは、心にずっしりと重さを感じることなのです。

(日本アーカイブスチャンネル別サイトで開きます よかったらクリックしてね)


決して 美しく鮮やかに目に留まる花ではないけれど

一度出会うと 心の中に留まって離れない・・・

だから 万葉の時代の人の心にも 残ったのかもしれません


何時の時代も 人の心は おんなじ なんですね