のら猫の三文小説

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次平の復讐 No.15

2012-11-23 22:01:01 | 次平の復讐

予期せぬ展開、又しても次平の側近と
鉄平の側近がヘットハントされた。



翌日 早くから京二は市場で色々な買い物をして、手伝いの助手を2人つれてお城に上がった。次平は城下での治療場で診療し、午後 城に上がった。

道隆と会った次平は「殿様急に無理をされないように。休憩は十分お取りになって下さい。」と言った。次平は呼ばれた。数人の会食と思っていたが、十人を超える人が座っていた。 



元親は表情がすっきりして顔つきで座っていた。「次平 大分今日は気分がよい。そちの薬は良く効く。道隆とだけ会食するつもりであったが、ご相伴したいと言うものが多くて思いがけず人数が増えた。皆の者 これの夕餉は余と道隆の薬である。その事を念頭においてくれ。」

やがて 膳がはこばれて来た。京二は、手間をかけて、一見質素に見える料理を作る事が多いのであったが、今日の膳はかなり飾りも多く、海の幸を使用していた。ご飯も粥と白飯とを両方用意していた。「殿 これはすごい薬ですね」と恰幅のある年輩の武士が言った。食事は美味しく、元親は粥も2杯も食べた。一通り食事が終わると元親と道隆以外は頭を下げて、出ていってしまった。

道隆は言った。「今のは毛利の長老格と合議衆など長州のうるさ方だ。京二の料理をあまり誉すぎたので、真偽を確かめたいと押し掛けてきた。これが長州だ。」 


元親は言った。「長州は藩主といっても皆の意見を聞かねばならない。余が京二を御殿医の筆頭格として合議衆に加え、三之助を藩目付として同じく合議衆に加えたいと言ったので、確認したいと思ったのであろう。次平、京二と三之助を長州にくれまいか」

次平は吃驚した。道隆が京二を気に入っていた事は知っていたが、三之助については話がなかった。「本人にも確かめなければなりませんし、三之助は元いた藩との問題もあります。」

道隆はこう言った「それは三之助にも確認した。三之助は諫言し、殿様が怒り、職を取り上げたようである。三之助は遠縁の子を跡継ぎとして家を継がせている。いわば隠居の身であるし、まあ悪いようにはしない。三之助は民の暮らしを豊かにする事に向いているとは思えた。京二はもはや単なる医師でもないし、まして単なる料理人でもない。

そちのやり方とは違うが、多くの民の健康を救う事ができる男だと思う。長州は色々合議してきめる藩である。京二や三之助のような考え方をできる者がいない。活躍できると思うし、わしが手助けする。」

次平は二人の今後の身の上を考えていたが、元親のようには考えていなかった。二人には私が説得してみようと思い、「私から話してみます。お願い申し上げます。」 

宿に帰り、鉄平にも話をして、二人に話をした。特に民の健康を守り、民の暮らしを豊かにするために仕官しないかと言われた事には二人とも感動しているようである。

鉄平はいった。「萩にも薬種問屋を作り、ここを拠点に次平先生とは連絡が取れるようにしたい。決してお二人を追い出すわけではない。民の健康や暮らしを豊かにするお仕事はお二人には向いていると思う。苦労はあると思うが頑張ってみられたら、どうでしょうか?」 

京二と三之助は頭を下げて「先生にお任せします」と言った。 京二と三之助の仕事は特殊であったため、助手は大慌てであったが松江まではもう直ぐであった。 





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