のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.320

2014-12-02 00:00:42 | 新しい子猫たち 


世界的なネットワークは、最初は恐ろしい程儲けたが、次第にビットタロウシステムによる自動売買比率も高め、神元自身も投機的な運用はしなくなっていた。神元も商品相場での影響力が強くなり、公正な相場運営を標榜する、業界団体のリーダーにもなっていた。

そして世界的なネットワークも、相場よりは実需の商品の受け渡し、調査そしてジブトラスト関係の実需の調整と云う面が強くなっていた。

神元自身の個人的な理由もあった。

嫁ハンの聡美は、株式先物では一種の天才と言える程、コンスタントに儲ける人だったが、流れにのって運用するタイプで、儲けには波があった。要するに儲ける時はごっそりと儲けた。

神元は聡美よりは稼ぎが少ないと気にする、敷地内では絶滅危惧種であって、聡美よりも収入を多くしたいと念願していた。聡美はごっそりと儲けて、神元よりも稼ぎが多い時が多かった。神元は聡美よりも、ごっそりと多く税金払うと機嫌よくなる不思議な男だった。


しかし、聡美は先物ディラーであるよりは、今はジブカミの運営に力を入れた出した。ジブカミとしての利益は多くなったが、社長としての聡美の報酬はそんなに貰わなかった、ジブカミは、神元と聡美の合同出資で、子供たちにも出資させたが、自分たちの会社でもあった。


ジブカミは、ナンダカンダと税金の安い国に財産管理会社みたいなものも持っていて、利益をその会社に流れるシステムも持っていた、報酬としてごっそり取って、世界でも有数の税率の高い国であった日本で、ごっそりと金払うよりも、税金の安い国の財産管理会社に金残した方が得でっせと云う会計士のオッサンの意見に従って、自分の報酬はほどほどにした。

神元の世界ネットワークは利益の中での運用の比率は減っていったが、やはり元々運用会社なので、神元の報酬は高かった。もはや聡美の報酬を気にする事はなくなった。

神元は相場師のくせに、実需の流れや調整には結構真面目に取り組む男でもあったので、相場での投機的なスタンスはグーンと減っていた。ジブトラストが大きく出資した、最後の運用会社の世界的ネットワークの筈が、そうしたネットワークでさえ、実業の比率が増えていったのだった。


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