忙しいほうがいい。でも本当は・・・

時間が止まってしまうと、いろんなことを
考えてしまいます。
だから忙しいほうがいい。

でも、本当は・・・

「生産額ベース」からみる自給率

2010-09-26 08:31:36 | のんき的時事問題
さ~て。ずいぶん間があいちゃいましたが、見方を変えると・・・の続きです。

「食料自給率」という偽りから続く、のんき的農業問題のシリーズです。

タイトル名通り、「生産額ベースからみる自給率」です。
前回は、「カロリーベース」自給率をもとに見比べてみたのですが、今回は「生産額ベース」で同じ情報を比較してみましょう。

ちなみに、カロリーベース自給率の全国順位をおさらいしてみますと・・・

1位 北海道   2位 秋 田   3位 山 形   4位 青 森   5位 佐 賀   6位 岩 手   7位 新 潟   8位 鹿児島   9位 福 島  10位 宮 城
11位 富 山  12位 栃 木  13位 茨 城  14位 福 井  15位 島 根  16位 宮 崎  17位 鳥 取  18位 熊 本  19位 長 野  20位 高 知
21位 大 分  22位 滋 賀  23位 石 川  24位 徳 島  25位 長 崎  26位 三 重  27位 愛 媛  28位 岡 山  29位 沖 縄  30位 香 川
31位 山 口  32位 群 馬  33位 和歌山  34位 千 葉  35位 岐 阜  36位 広 島  37位 福 岡  38位 山 梨  39位 静 岡  40位 兵 庫
41位 奈 良  42位 愛 知  43位 京 都  44位 埼 玉  45位 神奈川  46位 大 阪  47位 東 京

です。

それでは、同じ情報を「生産額ベース」で見てみましょう。

1位 宮 崎   2位 鹿児島  3位 青 森   4位 北海道  5位 岩 手   6位 山 形  7位 高 知   8位 佐 賀  9位 熊 本  10位 秋 田
11位 長 崎  12位 徳 島  13位 茨 城  14位 愛 媛  15位 長 野  16位 大 分  17位 鳥 取  18位 栃 木  19位 新 潟  20位 福 島
21位 和歌山  22位 島 根  23位 宮 城  24位 香 川  25位 群 馬  26位 山 梨  27位 千 葉  28位 三 重  29位 富 山  30位 岡 山
31位 石 川  32位 福 井  33位 沖 縄  34位 静 岡  35位 山 口  36位 岐 阜  37位 福 岡  38位 滋 賀  39位 愛 知  40位 広 島
41位 兵 庫  42位 奈 良  43位 埼 玉  44位 京 都  45位 神奈川  46位 大 阪  47位 東 京

あれ? なんかおかしいぞ、と。

たとえば、「生産額ベース」1位の宮崎県。カロリーベースでは16位

「7位」の高知が「20位」。
「9位」の熊本は「18位」。
「11位」の長崎が「25位」。
「12位」の徳島が「24位」。
「14位」の愛媛県が「27位」。

そう。とくに顕著なのがこの6県ですが、「カロリーベース」では上位にランクされなかった県が、「生産額ベース」になるとここまで上位に食い込む結果となるのです。

では、この6件の「カロリーベース自給率」と「生産額ベース自給率」を双方から数値で把握してみましょう。

    カロリーベース  生産額ベース(平成20年)
宮崎県   65%       242%
高知県   52%       147%
熊本県   61%       138%
長崎県   47%       131%
徳島県   48%       130%
愛媛県   42%       124%

「・・・え?」
お。現れましたな。ひよこさん。

そう。ずいぶん差があるでしょう?
ちなみに、ですが、「生産額ベース」で自給率が100%を超える都道府県を見てみると・・・。

宮 崎 242% 65%
鹿児島 216% 91%
青 森 207% 121%
北海道 185% 211%
岩 手 163% 106%
山 形 152% 133%
高 知 147% 52%
佐 賀 142% 107%
熊 本 138% 61%
秋 田 136% 176%
長 崎 131% 47%
徳 島 130% 48%
茨 城 125% 72%
愛 媛 124% 42%
長 野 121% 53%
大 分 119% 52%
鳥 取 116% 62%
栃 木 112% 74%
福 島 111% 85%
新 潟 111% 99%
和歌山 101% 32%

この22県となっています。左側が生産額ベース、右側がカロリーベースです。
このほか、島根、宮城、香川の3県が90%台、群馬、山梨が80%台、千葉が71%となっています。実に22県が100%以上を、25県が90%以上を、27県が80%以上を、28県が70%以上を自治体
内で生産出来ている計算になるわけです。

何か計算式にでも特殊な秘密があるのでしょうか。

カロリーベース総合食料自給率
国民1人1日当たりの国内生産カロリー÷国民1人1日当たりの供給カロリー

生産額ベース総合食料自給率
国内の食料総生産額÷国内で消費する食料の総生産額

ともにWikiからの引用です。「国内」と記されている部分を「都道府県内」に置き換えれば上記の値が出てきます。
「総額」か「一人一日当たり」なのかで差はありますが、言っていることは同じ。要は県内全体で実際に消費される量を生産される量で割っただけの話ですから、計算方法に何か特殊な差が
あるわけじゃありません。

なぜこんなことになるんでしょう。

もちろんいろいろあるとは思うんです。「価格」の高い食料品が主たる生産品目に該当する地域、野菜や果物といった、「カロリー」の低い食料品の生産が多い地域などは、必然的に生産額
とカロリーに開きも生じるのでしょうが・・・とはいえ、余りに開きすぎだと思いませんか?

また、カロリーベースにしても、生産額にしても、実は大阪と東京の2都府は、異常に割合が低いのです。

    カロリー   生産額
東京   1%     4%
大阪   2%     5%

ちなみに、神奈川も状況は似ていて、
神奈川  3%     13%

となっています。つまり、日本の人口が集中するこれらの地域では、殆ど農産物の生産が行われていないことになるのです。

さて。こういった状況をみて、本当に「日本の自給率は低い」という表現は該当するでしょうか。
実は、「生産額ベース」でみると、日本の農業生産量は「中国」「アメリカ」「インド」「ブラジル」に続く第5位なんです。


「食料自給率」という偽りでご紹介した「日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率」
という本には、「必要摂取カロリーベース」の自給率は実質6割を超えるのではないか、というお話もご紹介されています。

このところ、、ニュース上ではFTA協定のことがずいぶん話題になっています。
大畠章宏・経済産業相 FTA推進へのため検討チーム立ち上げ
ちょっと抜粋してみます。


【自由貿易の推進】FTAなどを相手国と締結するには、農業問題をきっちりしなければならない。(農産物の販売価格と生産費の差額を穴埋めする)
戸別所得補償制度を増額しないと(日本の農家は)成り立たないだろう。経産省と農水省でこうした問題を話し合う検討チームを早急に立ち上げる。
日本の安心できる食糧を積極的に輸出することなども議論する。(大畠経産相)


さて。このニュース。一体どう感じるでしょうか。そういえば、あのバカ松元農水相が口蹄疫問題をほったらかしてまで作った用事がこの自由貿易協定を締結するため会談をメキシコと
行うため、であったように思います。

このニュース、のんき的に解読すると、
日本の農業を外国に解放するため、農家には農産物を生産しなくても済むように戸別所得補償制度を増額します。
と読み取れるのです。

のんきは思います。
リーマンショックと、その後の日本経済の復興する流れとその理由を考えると、基本的に経済の流れは国内で完結できる仕組みをきちんと作り上げていくべきだと思うのです。
戸別保障制度を増額すれば、確かに農家のみなさんは助かるかもしれません。ですが、それは一時的な話で、それよりもむしろ政府主導で農業を積極的に推進し、わざわざ国外の農産物
に頼らずとも十分に生産を行っていけるような政策を打つべきだと思います。

やっぱり、「一生懸命に生産を行う農家」が報われる仕組みを作るべきです。畜産業も同様だと思います。
なぜわざわざ食料の生産量を減らすような仕組みを取ろうとするのでしょう。FTA政策が実現してしまえば、国外の農産物の関税が撤廃されますから、当然国内の農産物は今のままの価格
では売れなくなります。必然的に、価格を下げるよりほかなくなるのです。=デフレ経済を悪化させます。

農業とは話が変わりますが、今LCCのことも非常に話題になっていますよね。

“立ち乗り1000円台”にどう対抗する? 航空会社の旅客争奪戦 (1/2)
LCC=ローコストキャリア。つまり、格安航空会社のことです。

これ、みなさんはどのように感じるでしょう。

多少狭くても短時間なら安く旅行できるから大歓迎?

違いますよね。確かに安くなりますが、当然そういった企業を大量に国内に招き入れるのであれば、日本の航空会社もこの金額に値段を合わせなければなりません。
航空運賃が値下がりするんです。どこにしわ寄せがいくか。間違いなく人件費ですよ。

リストラが増えるか、給料が安くなるかのどちらかです。=デフレ経済を悪化させるんですよ。

今の日本経済のボトルネックとなっているのは間違いなく「デフレ経済」です。これをどうにかしなければ、日本の景気経済が回復することはありません。当然財政の問題が解決することも
ありませんし、問題をどんどん後世へと先送りする結果となるんです。

「国内で完結する経済」。これが今後の日本経済を救うソリューションとなる。のんきはそう思います。であれば、外国に頼るのではなく、もっと国内の企業を大切にし、外国じゃなく、国内
で消費を起こすことのできる経済対策。これを生み出すことが喫緊の課題ではないか、と真剣に思います。


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2 コメント

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Unknown (休む5)
2011-02-08 16:54:51
なんとなく食料自給率について調べていたらこのブログにたどり着きました。

あまりに「食料自給率が…」という話を聞くのでなんとなくうさんくさいと思っていたら、やっぱりバイアスがかかっていたようですね。

これからもちょこちょこ拝読させていただきます。
返信する
休む5さま (のんき)
2011-02-09 23:29:24
随分と昔の記事へコメントありがとうございます^^

おかげさまで、久しぶりにこの記事を読みなおす
機会となりました。

ネタ元は文中でもご紹介してある、「日本は世界5
位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率」

という本なのですが、そのままパクるのは嫌な
ので、若干オリジナリティを加えてます。

それが、「都道府県別自給率」の話。

大都市圏の農業自給率が1%代だなんてことに
着目してるのは、きっとのんきくらいだと思っ
てます。

これからも宜しくお願いいたします。
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