忙しいほうがいい。でも本当は・・・

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だから忙しいほうがいい。

でも、本当は・・・

「食料自給率」という偽り

2010-08-16 10:38:23 | のんき的時事問題
う~ん。このところ、政治・経済系に偏りすぎてたんで、何か別ネタはないかな、って本屋さんなんかにもちょくちょく寄ってたんですが、これは面白いんじゃないかな、と思ったのが
これ。

日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社プラスアルファ新書)
浅川 芳裕
講談社


実際に読んでみると、・・・まあ、のんきが批判している、「財政破綻本」に近い特徴を持っているのは残念なんですが、それでもデータとしてはとても面白いです。
「財政破綻本」に近い特徴というのは、『ミクロ』ベースと『マクロ』ベースでの評価の差。農業に特化すれば参考になるんだけど、それをもとに官僚を攻撃する材料としようとしている
雰囲気がちょっと・・・という感じです。

なので、農林水産省のデータと比較しながら、のんきなりに話をまとめてみたいと思います。
何にせよ、こちらもまた、「門外漢」なので、上手にまとめられるかどうかは不安ですが。 ひょっとしたら誤りを書いてしまうかも知れませんが、どうぞご容赦を。

ってことで、「食料自給率」という偽り。始まり始まり~。

まずはニュースのご紹介から。
<食料自給率>1ポイント減 底上げ要因消え「低落」再び 8月10日20時35分配信 毎日新聞
例によって、いずれ消えてしまう記事なので、コピペしときます。めんどくさい人は赤い文字は飛ばして読んでください。

 農林水産省が10日発表した09年度の食料自給率(カロリーベース)が前年度より1ポイント低下して40%となったのは、国際的な穀物価格高騰などの底上げ要因がなくなったためだ。国
民のコメ離れなどを背景とする自給率の長期低落傾向が再び顕在化したことで、「20年度までに50%」を目指す政府は戦略の見直しを迫られている。

 日本の食料自給率は06年度に39%まで落ち込み、コメの大凶作という特殊要因のあった93年度の37%を除いて、初めて40%を割り込んだ。しかし、07、08年度は輸入小麦の値上
がりでコメ消費が回復。国産砂糖の増産なども追い風に、自給率は2年連続で上昇した。

 農林水産省は、米粉や飼料用などコメの新規需要を開拓することで自給率向上の流れを定着させようとした。だが、08年後半から穀物相場が下落に転じるとパンなどの小麦製品が割安にな
り、コメ消費は再び減少して、3年ぶりとなる自給率低下をもたらした。

 小麦相場は最近、ロシアの干ばつなどを受けて上がっているが、投機的要因による一時的な高騰との見方が強く、自給率向上には寄与しそうもない。

 政府は3月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画で、それまで「15年度までに45%」としていた自給率目標を「20年度までに50%」に引き上げた。従来通り米粉や飼料米、小麦、
大豆の生産振興などを掲げているが、現実には農家の高齢化で耕作放棄地が拡大するなど生産基盤の弱体化が進んでいる。

 また、民主党が衆院選マニフェスト(政権公約)で推進を掲げた自由貿易協定(FTA)などの交渉でも、外国産品の輸入拡大につながる農産物の関税引き下げが焦点となるが、自給率向上策
との整合性は不明確。農水省は「農業や漁業の戸別所得補償制度で基盤は強化される」とするものの、財政上の制約が厳しさを増す中、その効果を疑問視する声もある。【行友弥】

 ◇食料自給率

 一国で消費された食料に対する国内生産の割合。食料に含まれる供給熱量(カロリー)で計算したカロリーベースの数値が一般的。肉や乳製品など畜産物の場合は家畜が食べる飼料の自給率も
反映させる。例えば09年度に国内で消費された牛肉の43%は国産だったが、牛肉の自給率は飼料の自給率25%を乗じて11%とする。生産額ベースの自給率や、重量比で示す品目別自給
率、穀物に絞った穀物自給率などもある。


さて。では、そもそも「食料自給率」とはなんぞや、ということです。
記事中で、若干紹介されていますね。だけど、ちょっとわかりにくい。

ちなみに同じ記事にグラフも載せられていたので、こちらも紹介してみましょう。


  食料自給率(カロリーベース)と1人当たりコメ消費量の推移


「食料自給率(カロリーベース)」と記されています。

「カロリーベース」。これは何を示しているのでしょう。記事中の表現を借りると、

食料に含まれる供給熱量(カロリー)で計算したカロリーベースの数値が一般的
と記されていますね。

みなさんの中では、「カロリーベース」で、「食料自給率」と表現されているのですから、日本国民にとって、ある一定の期間に必要な摂取カロリーのうち、日本国内で生産される食料で一体
どの程度の割合賄うことができているのか、というようなイメージがありませんか?

だけど、説明には「食料に含まれる供給熱量で計算した数値」と記されていますね。
これは、一体どういうことでしょう。

実は、日本で農林水産省が公表する数値のうち、「カロリーベース食料自給率」というと、「日本国内で一年間に供給される食料全体が供給する熱量のうち、一体どのくらいの
割合が日本産なのか
」という数値になるのです。

まだちょっとわかりにくいですよね。
「自給率」なので、%的割合で表示されるわけですから、計算式は分数で表示されます。

分母に来るのが、「国民に供給されている食料の全熱量合計」。よく書かれてあるでしょ。ジュースとかに、「何カロリー」とかって。牛丼とか、かつ丼だって500カロリーとか、600カロリー
とかありますよね。日本に供給されている、全食料の熱量を合計します。

たとえば、コンビニで陳列棚に弁当とかおむすびとかならんでるでしょ。パンとか、サンドイッチとか。あれをぜ~んぶ合計しちゃうわけです。当然、陳列棚にならんでいる商品が、全部売れる
わけがありあません。ひょっとすると、お店や商品によっては完売するところもあるでしょうが、大概、売れ残って廃棄に回されます。

コンビニだけじゃないですよね。飲食店やスーパー、デパートなどなど、さまざまなところで食品は販売され、消費されています。だけど、中には消費に回されずに廃棄されてしまった食料だっ
てたくさんあるんですよ。だけど、それもこれも、ぜ~んぶ分母に含められてしまいます。

また、一方で分子には「国産のものだけで作られた食料」が計上されます。
記事中に、こんなことが記されていますね。「肉や乳製品など畜産物の場合は家畜が食べる飼料の自給率も反映させる。

これって、どういうことなのか。
つまり、牛さんや豚さんを育てるでしょ。日本国内で。たとえば、最近話題になった宮崎県の牛さん。育てるときに、餌を与えます。

トウモロコシとか、藁とか、いろんな餌をあげると思うんです。だけど、その餌の中に、「国産」ではないものが含まれていると、その宮崎牛は「国産」ではなく、「外国産」になっちゃいま
すよ、と。そいうことが書かれています。まあ、現実は若干違ってて、一頭の牛の何パーセントが国産で、何パーセントが外国産とか、そういう計算になるみたいですけど。

これが、「カロリーベース自給率」なんだそうです。おまけに、「食料全体の熱量」が計算の基準になっているから、ただ単に食料の輸入量が減少すれば、「食料自給率」は上昇します。
その量が国民にとって必要な摂取カロリーを満たしているかどうかは全く関係ないんです。

変な話、国内には飢餓で苦しんで、餓死している子供が大量に存在したとしても、「食料自給率は100%です」っていうような事態が起こってもおかしくないんです。もしその時、輸入を一切
やめているのだとしたら。

ね。変な話でしょ。
で、その食料自給率が「40%」ですよ、っていうのが上記のニュース。

なんか、意味がありそうでなさそうな数値ですよね。

では、ほかにどんな自給率の計算方法があって、どんな問題点があるのか、とか、じゃあ実際日本の現状はどうなんよ~とか、そういうことを、次回以降の記事でお示ししたいと思います。


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