のんきのブログでは、時折、とくにこころの問題等を表現する際、仏教的な表現を拝借する
ことがよくあります。また、時にタイトル名として採り上げ、その考え方そのものを記事と
することもあります。
もちろんのんきの家庭は仏教の宗派(浄土真宗)で、仏教を信仰している、と言えなくもな
いかもしれません。ですが、うちには神棚もありますし、正月には神社めぐりをします。
一年で考えれば、お寺に赴く回数より、神社に赴く回数の方が多いでしょう。何も熱烈な仏
教の信者だとか、そういうわけでもないのです。
「バビロニア」と「中国」~その意外な関係性とは・・・でもお伝えしたように、のんきもまた、
仏教と神道の双方を信仰する数多くいる日本の国民の中の一人なのです。精神的な信仰から
言えば、「無信教」。どの信仰にも帰依しない人間です。
故に、仏教的な表現をよく拝借することは、のんきの信仰とはほぼ無関係と言ってよいで
しょう。まあ、のんきが受けてきた道徳教育そのものが仏教的な思想も含まれていますか
ら、厳密に言えば影響を受けていないわけではないでしょうが。
なのになぜ、のんきのブログでは仏教的な表現をよく拝借するのか。これは、仏教の考え方
には、納得できるものが多いからだ、とも言えると思います。
もともと、仏教には他の宗教とは明らかに異なる特徴があります。それは、アブラハムの宗
教がそうであるように、例えば絶対的な信仰の対象と成るものを有していなかったり、例え
ば日本の神道がそうであるように、アミニズム=自然崇拝をそのルーツに持っていなかった
り・・・。
仏教とは、元々、厳密に言うと宗教ではなく、「哲学」や「思想」に相当するものであるよ
うです。
ってことで、「仏教」。宗教から見る「インド」の続きです。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_2.gif)
元々アーリア人がドラヴィタ人を支配するために作ったバラモン教ですが、混血がすすみ、
両者を明確に分ける区別が曖昧になってきたことは記事中でお伝えしたとおり。
仏教の開祖であるガウタマ・シッダールタが生存した当事、ちょうどヴェーダの編纂が完了
した時期で、バラモンという階級に反発する思想家たちが王族の階級である「クシャトリ
ア」に多く生まれました。
当事のインドで広く信仰されていたのが、「ウパニシャッド哲学」。
「輪廻転生」、つまり人は永遠に生まれ変わり続ける、という考え方。カーストと言う制度
は、そういう考え方の基に成り立っています。現在のカースト(ヴァルナ)は前世に行った
行為の結果だ、と。来世で良いカーストに生まれ変われるよう、現世で努力しなさい、って
いう考え方です。
もちろんそれだけではないのですが(宇宙の根源であるブラフマンと自分(ヒト)自身の
根源であるアートマンが実は同じものである、っていう考え方とか)、「なぜ仏教は生まれ
たのか」という視点で見たときに、この輪廻転生の考え方はとても重要であるようです。
当事のインドは、16の大国や多くの小国がたくさん存在し、とても混乱していた時代なの
だそうです。そんな中、「六師外道(外道=仏教以外の宗派)」を初め、バラモンという
ヴァルナ(階級)を否定する多くの思想家たちが自由な思想を展開する時代・・・。ガウタ
マ・シッダールタが生まれたのは、そんな時代でした。
思想家たちは、ヴェーダ(バラモンの聖典)を否定しながらも、講義でのヴェーダのでもあ
るウパニシャッドをその考え方の基盤としていました。
当事のインドは戦禍の耐えない混乱の中にあったわけですから、「生きる」ということは、
同時に飢饉、疫病、戦乱、天災など、様々な苦しみを背負っていくということ。「輪廻転
生」とは、生まれ変わることによってまた同じ苦しみを背負い続けると言うこと。
日本の「無常観」ともよく似ていますね。
「行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消
え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」(from方丈記)
現代語訳はがんばって調べてね~![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_2.gif)
ガウタマ・シッダールタは、紀元前五世紀ころ、「シャーキャ族王・浄飯王(じょうぼんお
う)の男子として現在のネパールのルンビニで誕生」したのだそうです。王様の息子だった
んですね。
シャーキャ族は、農耕民族だったらしく、シッダールタはその「無常」を感じていました。
ここからはWikiをそのまま引用します。
ある時、釈迦がカピラヴァスツ城の東門から出る時老人
に会い、南門より出る時病人に会い、西門を出る時死者に会い、生ある故に老も病も死もあ
る(生老病死:四苦)と無常を感じた。北門から出た時に一人の出家沙門に出会い、世俗の
苦や汚れを離れた沙門の清らかな姿を見て、出家の意志を持つようになったのだそ
うです。
ちなみに、「生老病死」の四つの苦しみに、
愛別離苦(あいべつりく) - 愛する者と別離する苦しみ
怨憎会苦(おんぞうえく) - 怨み憎んでいる者に会う苦しみ
求不得苦(ぐふとくく) - 求める物が得られない苦しみ
五蘊盛苦(ごうんじょうく) - あらゆる精神的な苦しみ
の四つの苦しみをあわせて「八苦」。これが「四苦八苦(しくはっく)」の語源であるよう
です。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_2.gif)
ちなみに、「シャーキャ族」。これを漢字で書くと…。「釈迦族」
。
釈迦とは、釈迦牟尼(しゃかむに)=釈迦族の聖者の略称なのだそうです。
仏陀とは「悟りを開いた人」と言う意味で、仏教では基本的に釈迦のみをさす言葉、なのだ
そうな。
仏教は、バラモンの特殊性を否定しており、このことがバラモンの階級を快く思っていない
クシャトリアたちに広く受け入れられたのが仏教が得た民意の実情です。
バラモン教は時代が進むにつれ、地域の民族宗教・民間信仰が徐々に徐々に取り込まれてゆ
き、当初その信仰の中心であったインドラ・ヴァルナ・アグニがなりを潜め、やがて土着の
神であるヴィシュヌやシヴァがその地位を向上させていきます。
紀元後1世紀ころになると、バラモン教は当初の勢いを完全に失われてしまいました。
ですが、4世紀ころ、当事の新しい王の支持を受けて、バラモン教はヒンドゥー教として
生まれ変わるのです。
長くなりましたね。では、次回は「仏教とヒンドゥー教」後編。話題の中心をヒンドゥー教
へとスライドさせて、記事を記してみたいと思います。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_2.gif)
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ことがよくあります。また、時にタイトル名として採り上げ、その考え方そのものを記事と
することもあります。
もちろんのんきの家庭は仏教の宗派(浄土真宗)で、仏教を信仰している、と言えなくもな
いかもしれません。ですが、うちには神棚もありますし、正月には神社めぐりをします。
一年で考えれば、お寺に赴く回数より、神社に赴く回数の方が多いでしょう。何も熱烈な仏
教の信者だとか、そういうわけでもないのです。
「バビロニア」と「中国」~その意外な関係性とは・・・でもお伝えしたように、のんきもまた、
仏教と神道の双方を信仰する数多くいる日本の国民の中の一人なのです。精神的な信仰から
言えば、「無信教」。どの信仰にも帰依しない人間です。
故に、仏教的な表現をよく拝借することは、のんきの信仰とはほぼ無関係と言ってよいで
しょう。まあ、のんきが受けてきた道徳教育そのものが仏教的な思想も含まれていますか
ら、厳密に言えば影響を受けていないわけではないでしょうが。
なのになぜ、のんきのブログでは仏教的な表現をよく拝借するのか。これは、仏教の考え方
には、納得できるものが多いからだ、とも言えると思います。
もともと、仏教には他の宗教とは明らかに異なる特徴があります。それは、アブラハムの宗
教がそうであるように、例えば絶対的な信仰の対象と成るものを有していなかったり、例え
ば日本の神道がそうであるように、アミニズム=自然崇拝をそのルーツに持っていなかった
り・・・。
仏教とは、元々、厳密に言うと宗教ではなく、「哲学」や「思想」に相当するものであるよ
うです。
ってことで、「仏教」。宗教から見る「インド」の続きです。
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元々アーリア人がドラヴィタ人を支配するために作ったバラモン教ですが、混血がすすみ、
両者を明確に分ける区別が曖昧になってきたことは記事中でお伝えしたとおり。
仏教の開祖であるガウタマ・シッダールタが生存した当事、ちょうどヴェーダの編纂が完了
した時期で、バラモンという階級に反発する思想家たちが王族の階級である「クシャトリ
ア」に多く生まれました。
当事のインドで広く信仰されていたのが、「ウパニシャッド哲学」。
「輪廻転生」、つまり人は永遠に生まれ変わり続ける、という考え方。カーストと言う制度
は、そういう考え方の基に成り立っています。現在のカースト(ヴァルナ)は前世に行った
行為の結果だ、と。来世で良いカーストに生まれ変われるよう、現世で努力しなさい、って
いう考え方です。
もちろんそれだけではないのですが(宇宙の根源であるブラフマンと自分(ヒト)自身の
根源であるアートマンが実は同じものである、っていう考え方とか)、「なぜ仏教は生まれ
たのか」という視点で見たときに、この輪廻転生の考え方はとても重要であるようです。
当事のインドは、16の大国や多くの小国がたくさん存在し、とても混乱していた時代なの
だそうです。そんな中、「六師外道(外道=仏教以外の宗派)」を初め、バラモンという
ヴァルナ(階級)を否定する多くの思想家たちが自由な思想を展開する時代・・・。ガウタ
マ・シッダールタが生まれたのは、そんな時代でした。
思想家たちは、ヴェーダ(バラモンの聖典)を否定しながらも、講義でのヴェーダのでもあ
るウパニシャッドをその考え方の基盤としていました。
当事のインドは戦禍の耐えない混乱の中にあったわけですから、「生きる」ということは、
同時に飢饉、疫病、戦乱、天災など、様々な苦しみを背負っていくということ。「輪廻転
生」とは、生まれ変わることによってまた同じ苦しみを背負い続けると言うこと。
日本の「無常観」ともよく似ていますね。
「行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消
え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」(from方丈記)
現代語訳はがんばって調べてね~
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ガウタマ・シッダールタは、紀元前五世紀ころ、「シャーキャ族王・浄飯王(じょうぼんお
う)の男子として現在のネパールのルンビニで誕生」したのだそうです。王様の息子だった
んですね。
シャーキャ族は、農耕民族だったらしく、シッダールタはその「無常」を感じていました。
ここからはWikiをそのまま引用します。
ある時、釈迦がカピラヴァスツ城の東門から出る時老人
に会い、南門より出る時病人に会い、西門を出る時死者に会い、生ある故に老も病も死もあ
る(生老病死:四苦)と無常を感じた。北門から出た時に一人の出家沙門に出会い、世俗の
苦や汚れを離れた沙門の清らかな姿を見て、出家の意志を持つようになったのだそ
うです。
ちなみに、「生老病死」の四つの苦しみに、
愛別離苦(あいべつりく) - 愛する者と別離する苦しみ
怨憎会苦(おんぞうえく) - 怨み憎んでいる者に会う苦しみ
求不得苦(ぐふとくく) - 求める物が得られない苦しみ
五蘊盛苦(ごうんじょうく) - あらゆる精神的な苦しみ
の四つの苦しみをあわせて「八苦」。これが「四苦八苦(しくはっく)」の語源であるよう
です。
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ちなみに、「シャーキャ族」。これを漢字で書くと…。「釈迦族」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_2.gif)
釈迦とは、釈迦牟尼(しゃかむに)=釈迦族の聖者の略称なのだそうです。
仏陀とは「悟りを開いた人」と言う意味で、仏教では基本的に釈迦のみをさす言葉、なのだ
そうな。
仏教は、バラモンの特殊性を否定しており、このことがバラモンの階級を快く思っていない
クシャトリアたちに広く受け入れられたのが仏教が得た民意の実情です。
バラモン教は時代が進むにつれ、地域の民族宗教・民間信仰が徐々に徐々に取り込まれてゆ
き、当初その信仰の中心であったインドラ・ヴァルナ・アグニがなりを潜め、やがて土着の
神であるヴィシュヌやシヴァがその地位を向上させていきます。
紀元後1世紀ころになると、バラモン教は当初の勢いを完全に失われてしまいました。
ですが、4世紀ころ、当事の新しい王の支持を受けて、バラモン教はヒンドゥー教として
生まれ変わるのです。
長くなりましたね。では、次回は「仏教とヒンドゥー教」後編。話題の中心をヒンドゥー教
へとスライドさせて、記事を記してみたいと思います。
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