ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

ハーブとノエル

2014-07-12 08:46:16 | ノエル

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朝のお散歩から帰ってきたら、ガーデンを駆け回るノエル。 うれしいのか、興奮するのか植物たちの間に体を横たえて、ゴロゴロと転がったり毛をこすりつけたり・・・。

でも、そうして近づいてきたノエルの体からは、ふわりとハーブの香りがたつのであります。これは、レモンユーカリか、ミントか、それともレモングラス?

自然のハーブの香りは、高級な香水よりも素敵だと、個人的に思ってます。ペットは癒しを与えてくれるというけれど、これが本当の癒し犬?


零戦

2014-07-10 09:37:30 | 本のレビュー

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これもお借りした本。 航空史に残る戦闘機「零戦」を設計し、作り上げた堀越二郎氏による回想記。

学問的な難しい記述ばかりかと思ったら、さにあらず。 零戦を作り上げる際の血のにじむような努力や工夫について、詳細に書かれているのだが、素人にも実に面白い読み物となっている。 文章の運びからも、堀越氏の誠実で端正な人柄が伝わり、「ああ、こんな人も今はいなくなってしまったなあ」と思わされてしまった。明治生まれの日本人の気骨や、生き様を感じさせるのである。

当時、堀越氏ら三菱重工業の飛行機制作グループに、海軍から出された条件は、あまりにも過酷なものであった。 飛行機というものが、登場して間もない時代に先進国の後をついていく後進国でしかなかった日本・・・それなのに、世界最高レベルの戦闘機をつくれというのだから。 はるかな距離を飛べる航続距離を持ち、圧倒的な戦闘機能、スピードなど様々な能力を要求したのである。

そして、堀越氏たちは、見事その期待に答えた。 映画「風立ちぬ」を見ても、実感したのだが、戦前の日本はまだまだ貧しく、欧米の後を追う後進国としか見られていなかった。 そんな時代に、資源にも乏しく、材料も限られていた日本が、工業技術の粋ともいえる飛行機の傑作を作り上げたというのは、後に敵国であった欧米が讃嘆したのも無理がないことであった。

戦後、日本は奇跡ともいわれる復興を成し遂げ、その工業製品、技術は「メイド・イン・ジャパン」として世界で讃えられるまでになった。けれど、そうしたエンジニアリングの遠いさきがけが、「零戦」の制作だったに違いない。 

だが、一方で堀越氏が、自身の作った「零戦」で尊い人命が失われることに、深い悲しみを抱いていたことも印象的である。 これこそ、技術者としての誇りと同時に、アンビヴァレンツとして存在するものだったのだろう。


夢のガーデン巡り

2014-07-10 08:34:29 | ガーデニング
 

お庭が好きな方なら、誰しも美しいガーデンを見て歩く旅は、夢ですね。 わたしも、英国のシングハースト庭園とか、名だたる名園を見てみたいなあ、と思っているのですが,ここ日本でも素晴らしきイングリッシュガーデンを楽しめる場所が存在!

それは、北海道のおへそ部分を中心として点在する「北海道ガーデン街道」。この中の一つ倉本聡のドラマの舞台となった「風のガーデン」だけは訪れたことがあるのですが、富良野の清澄な空気の中、夢のように存在していました。 ドラマ中に出てくるゴールデンレトリバー(「蛍」という素敵な名前!)の名前を取った「蛍のソフトクリーム」をなめたことも、楽しい思い出です。

でも、外の庭園は全然知らないし、写真やグラビアで美しい風景を眺めては、「いいなあ」と我が家のガーデナー(このブログにも、お庭のことについて知ったかぶりで、色々書きましたが、本当は、すべて母の手になるもの)である、母と話し合っています。 今年の夏は、カリグラフィー関係のイベントに行くつもりなので無理だけれど、来年の夏は、ぜひ訪れてみたい北のガーデンたち。

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なかなか・・・

2014-07-09 08:17:28 | カリグラフィー+写本装飾

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木製のペン箱です(木工芸作家、小林克久さん作。この方の、シェーカーボックスは絶品です)。 例によって写真がド下手でよく写っていませんが、外に出ている二本のペンの右側は、昔ウィーンで買ったもの。 熊手のような形のペン先が面白いと思ったのですが、まだ一度も使ったことなし。 どんな線が出るのでせう? その左の赤い持ち手の細いペンは、パリで買いましたが、これも一度も使ってません。 箱の中にも、ガラスペンなどあって、「細字 簿記用」と書かれているなど、なかなかレトロな味わいがあるのですが、これもまだ使ったことありません)。

カリグラフィーの文字を生かしたアクセサリーや、雑貨、小物などの写真を見て、「う~ん、いいなあ」と惚れ惚れ見るのですが、ちょっと作ってみたいなと思っても、時間も心の余裕もないというのが、本当のところ。

もともと体力やスタミナのないところへ持ってきて、日々の雑用が忙しく、空いた時間は何するでもなく、「ポ~ッ」としていたり・・・。 ううん、言い訳は通用しませんね。 せめて、この夏は何かカリグラフィーの作品(たとえ、小さいものであっても)を作りたいと思ってます。

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ペン箱は、こんな風になっております。窓があり、戸口があり家の形になっているのですが、わたしは牛たちがいる、牧場の厩舎を連想してしまうのです。 窓があくと、草をはむ牛が、頭をのぞかせそう・・・。


バスカヴィル家の犬

2014-07-06 20:27:33 | 本のレビュー

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終生の愛読書の一つである。 小学校低学年の時、はじめて読んで以来、何度読んだかわからない。新潮文庫から出されているこの版、ドイルの原作の素晴らしさもさることながら、訳者延原謙氏の見事な訳文--その流麗さにうっとりしてしまう。

内容の面白さは、言うに及ばず、舞台となった英国はデヴォンシャー州のダートムアの荒涼たる風景描写が素晴らしい! 依頼を受けたホームズに代わって、最初ワトソンがこの地に出向いた際の描写--「・・・青銅いろの蕨や、斑いりの茨が、沈みゆくうす陽に映えて、路hsどこまでも少しずつ登っていった。やがて小さな石橋をわたると、こんどは灰いろのなめらかな石の間を白い泡をたて、矢のように流れる渓流にそって登ることになった。・・・・しかし私は、年ごとに荒れゆく寂しい山村の風光を憂鬱な気持でながめた。朽葉は路にも散りしていたし、過ぎゆく私たちの頭上にもはらはらと降ってきた。そして車輪のひびきすらおし殺す朽葉の堆積--」 こうした名文が次々と続き、百年以上も前の(この本の出版は、1901年)英国南部の田舎の情景が眼前に迫って見える。 

怪奇な犬伝説の残る地に、代々領主として君臨してきたバスカヴィル家。 だが、周囲は教育のある者はほとんどおらず、寂しい村がぽつんとあるだけという僻遠の地である。 陰鬱なバスカヴィル館の描写はもとより、少し離れた寂しい一軒家に住む、博物学者ステープルトン兄妹の人物描写が際立っている。 蝶や蛾を昆虫網を振り回して、採集する青白い顔をしたステープルトンに、エキゾチックな美貌を持つその妹。 あたり一帯は、広大な沼沢地で、一度踏み込むと、抜けでられなくなる底なし沼がところどころあるというのも不気味( 本当に、こんな場所が、英国にあるのだろうか?)。 馬や動物が沈み込み、濃霧が道を見えなくしてしまうという、土地・・・さすが、「嵐が丘」を生んだ国だけある! こんな気味が悪く、しかも魅力的な場所が小説の舞台となるだなんて!

しかも、ここには、太古の人類が住んでいたといわれる円形住居の跡地が、小山に幾つもサークルのように並んでいるのだ。 物語の後半、その住居に隠れ住んでいたホームズとワトスンは、再会するのだが、蘇ったかと思われていた魔犬の正体が巨大な犬に燐を塗って、発光させていたというくだりまで、全編がミステリーというより、怪奇小説の雰囲気である。 だからこそ、私の好みに100%はまっていると言えるのだが・・・。

ダートムア--ここは、私の憧れの場所である。いつか英国を旅することがあったら、ベアトリクス・ポーターの湖水地方と並んで、訪れたい土地。 この沼と先史時代の遺跡が残る神秘的な場所には、今も荒々しい野猪の紋章を持つ古い館と、 蝶のガラスの標本箱を壁じゅうに飾っている、青白い男の住む不気味な一軒家が佇んでいるような気がするのである。 そして、夜ごとその家に、黄色い灯りがともるのを見れば、百年の歳月など夢のように消えてしまうに違いない。


サハラの夜

2014-07-06 19:24:54 | ある日の日記

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ご存じタジン鍋。 前持っていた小さなものを、割ってしまったので、新しく購入したのですが、これ、結構大きい・・・。 おまけに本格的な仕様で、両手で持ち上げても、う~んと言いたくなるくらい重い! 「これしかありません」と言われて、買ってしまったのだけれど、前の小さく軽いやつがいいな。 失敗したかしら?

中央に火山のように突き出ている空気穴。  これだけは、エキゾチックな風情かも? 野菜料理は大好きなのですが、タジンの野菜蒸しは一番簡単な料理ですね。 水を少ししか使わないから、野菜にも栄養やうま味がダイレクトに残っているような気がします。

たとえていえば、モロッコの大地--サハラ砂漠を見はるかすテントの前で、火をおこしながらタジン料理を作っている風景が目に浮かびそう。 クスクスとかエキゾチックなスパイスをふりまいた不思議な料理が、香ばしい匂いを夜の空気の中に漂わせているような・・・。  握力がクラスでもビリに近いくらいなかった私ですが、このサハラの夜の風景を思い浮かべて、タジン鍋をお伴にしませう。

P.S   料理のお鍋とかフライパンとか、外国製の有名メーカーのものは、みな「う~ん」といいたくなるくらい重いですね。 ひところ、ル・クルーゼとかストウブの鍋がはやったけれど、あんなの、毎日の生活で使いこなせるのかしら?


リボンいろいろ

2014-07-02 13:09:54 | コスメ・ファッション

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これ、何だかわかる? 糸巻きでもないし、今はやりのマスキングテープを貼りつけたものでもありません。

答えは、リボン。実は、わたしは昔からリボンが好きで、MOKUBAのリボンとかも集めたりしたことがあるのですが、これはドイツ製。 カフカというメーカーのもので、うんと昔の機械を使って、その当時のデザインのリボンを丁寧に作り上げていくのだとか・・・。

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写真では、包装からといたばかりの状態で並べただけで、綺麗に見えませんが、実物はビューティフル!なリボン。 花や幾何学的な模様など、味わい深く見えるのも、手作りならでは。

わたしにお裁縫の腕があったなら、洋服のアクセントにちょこちょこと縫いつけて楽しむのだけれど。