5月17日
思い立って、近所を散歩してみる。裏通りの坂を下っていくと、知っているようで、とっくに忘れている風景。懐かしいような、それほどでもないような、なんとも曖昧な記憶…。バレエをならっていた友達の家の前を通る。今は、どこでどうしてるのかなぁ。外人さんみたいな、かわいい弟がふたりいたな。もう少し行けば、昔から変わらないお饅頭屋さん。2つください、と愛想のないおばちゃんに袋に入れてもらって、またゆるやかな坂を上り、祖父母の眠る場所まで行ってみる。お久しぶりです、そちらはお変わりありませんか。ああ、変わらないよ、と祖父が言ったような気がして、じゃあ、お饅頭、もらって行くね、と家路につく。そんな、なんでもない日。
(ゆ)