編曲と言うと例えば弦楽四重奏をサクソフォーン四重奏、
とかそのまま音を置き換えることを考えることも多いでしょう。
いい作品を考える場合、選んだ楽器編成について、
その楽器の特性を活かすことが最大の命題です。
その意味ではそのまま音だけを移しても、
良くできている曲であればあるほど原曲よりは劣ってしまいます。
編曲と言ってもピアノ曲をサクソフォーン四重奏にする、
となると声部書法が変わることによって、
新たな音楽の可能性が出てきます。
このシューマンのピアノ曲であるアラベスクを、
サクソフォーン四重奏にすることは、
1つの楽器を4人で分担することで音それぞれが存在感を増し、
そこに編曲者の表現領域を注入できるのです。
そこにはシューマンの想定していなかった世界が広がります。
アラベスクとは唐草模様のような幾何学模様を意味します。
そんなサクソフォーンのロマン派への憧憬、
レパートリーの拡充はまだまだこれからです。
ソプラノサクソフォーン 中村紀仁
アルトサクソフォーン 岩﨑舞
テナーサクソフォーン 伊藤優花
バリトンサクソフォーン 渡邉真大
安彦大樹編曲 アラベスク 作品18
2018年に至る3年間は以前よりも編曲作品が減ったことと、
それを録音データとして残すまでに至らなかったことがあり、
ゼミ生の作編曲作品の録音としてはこの曲が最後になりました。
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