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2004年から2018年まで活動した洗足学園音楽大学・延原ゼミの活動の様子を写真を交えて紹介しています。

コンサート「奏春譜2016」いよいよ!

2016-03-27 22:30:01 | 活動報告


28日(月)16時30分より、今年度最後、
そしてYAMAHAエレクトーンシティ渋谷におけるゼミ最後の公演、
コンサート「奏春譜2016」が開演します。

写真は、トリを飾る「You Raise me up」です。
※プログラム順が変更になりました。

4年生は今月18日に卒業し、
今回が大学生最後の演奏ということになります。
そしてこの写真の5人はいずれもその4年生です。
ファーストヴァイオリンの関さん、セカンドヴァイオリンの原さん、
チェロの佐伯さん、コントラバスの後藤さん、
いずれもゼミでの想い出がたくさんあります。
ヴィオラの堀場君は田中ゼミからの参加ですが、
昨年のこの「奏春譜」でもエキストラ出演したほど、
延原ゼミへ参加したことがありました。

「You raise me up」のプログラムノートを後藤さんが書きましたが、
この意味は「あなたが力づけてくれる」とか、
「あなたの影響で私は良い人間になった」などと訳される、
ということですが、卒業してこの曲を最後に演奏するのは、
きっとメモリアルなできごとになる予感がします。



後半の最初に演奏するのがこの写真、
ヴァイオリンの原沙弥華さんとエレクトーンの川端彩音さんによる、
ナイジェル・ヘス作曲「ラヴェンダーの咲く庭で」です。
ヘスの作品はとても美しく完成度も高いのです。
「ファンタジー」と並んでますます知られてゆくことでしょう。
ぜひ、ご一聴下さい!





奏春譜、惨状(笑)を目撃!

2016-03-23 02:48:33 | 活動報告


28日に開催するコンサート「奏春譜2016」の全体リハーサルもあり、
いよいよ本番間近になってきました。

延原ゼミは、電子オルガンコース生の活動の充実と共に、
電子オルガンの世界とはやや異なる純クラシックのあり方、
ことオーケストラ作品のアレンジについては、
原則として打ち立てた指針がありました。

それは、クラシックのオーケストラ作品において、
①曲や音色を模倣する場合に1音1音を精巧に採りいれ、
あるはずの音がないということはNG、
手が足りないという理由の演奏不可能における小節のカットをしない、
ということなのですが、精巧な模倣ができない場合は、
②オーケストラを超えた演奏効果をあげる、
それは電子オルガンならではの別の音響世界の表現をする、
③またさらには、完全にデフォルメした新しい音楽にすることです。

最近、美術ではレプリカ(贋作)の美術館が話題を集めていますが、
レプリカは精巧に見分けがつかないところに価値があります。
似ているが本物より明らかに劣る場合は非難の対象になります。
そうであれば、ある意味で本物を超えるか、
極端に誇張したデフォルメが必要です。

また、おそらく延原ゼミしか行っていない取組みがあります。
それは生楽器との共演におけるレパートリーです。
今回も指揮者なしで2台のエレクトーンと独奏者で、
フランセ作曲 クラリネット協奏曲より
ウォルトン作曲 ヴィオラ協奏曲より
サラサーテ作曲 ナヴァラ 作品33(2本のヴァイオリン)
ヘス作曲 ラヴェンダーの咲く庭で(ヴァイオリンソロ)
以上の4曲があり、フランセとサラサーテは合わせることが至難の技、
たいへん幅広いレパートリーで聴きどころが満載です。



写真はフランセのクラリネット協奏曲のリハーサルですが、
先週の段階ではまだまだハードルが多く練習の必要がありました。

これらの取組みはたいへん手間隙のかかることです。
どうか温かく見守っていただければ嬉しく思います。

さて、来年度のことも始まっています。
最初のコンサートは、
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンKIOSK公演の出演です。
延原ゼミは2013年のサントリーホール・レインボウ21での演目、
「Jazz in CLASSIC」で2014年のラ・フォル・ジュルネに出演し、
今回1年ぶり2度目の出演になります。

しかも今回はプレイヴェントを含め2回になります。
日本でいちばん大きな音楽祭にどうぞ足をお運び下さい。

4月24日(日)
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン プレフェス・ア・コマエ
狛江駅前交通広場(雨天時:エコルマホールロビー)
10:50-11:10(雨天時:12:10-12:30)

5月4日(水祝)
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン
丸の内オアゾ ◯◯(おお)広場
14:00-14:30

〈曲目〉
アントニオ・ヴィヴァルディ/協奏曲集「四季」より
              「春」第1楽章 Allegro
延原正生/弦楽のための「SAKURA」(2005)

〈出演〉
ソロ・ヴァイオリン:武田杏奈
ヴァイオリン:大塚樹里、腰高多恵、関真知子、田中理絵、
       田中万里子、三輪紫乃、筆氏くらら、橘純子、藤岡瑞季
ヴィオラ:岡部佳純、大場祐里、山口亜純
チェロ:山本渉、佐伯江梨花、橋本総司
コントラバス:本橋和樹、平木晶穂

コンサート「奏春譜2016」のお知らせ

2016-03-10 12:01:49 | 活動報告




ビッグマウスで行われたゼミ生3年佐藤梨乃さんのリサイタル。
もう一人4年生の先輩とのジョイントリサイタルですが、
登場人物はブラックホールに属するコース全体で、
プロジェクションマッピングを採り入れたステージ演出、
ミュージカルコースも登場しステージ構成を駆使、
まさにコラボレーションの極みでした。
すべて自前で視覚的にここまでできると、
やる側も観る側もかなり楽しいに違いないと思います。

ここに自分のようなクラシック系オタクの客は、
視覚的なことよりも音楽面と芸術性を見るので、
かなり冷ややかな鑑賞にはなります。
「Up to you」=「あなた次第」「お任せ」という意味でしょうか。
この象徴的なタイトルが目立っていたのですが、
観客として正直「そう言われてもなぁ」って思ったり…笑。
それでも、佐藤梨乃が音楽面で格別であることは確かでした。
彼女は感性、五感で音を感じられる人で、
言い換えれば身を以て音楽を楽しめる人です。

本番45分前の彼女はこんな感じです。


コンサート「Up to you」とはおそらく真逆な、
凝った照明や視覚的な楽しさが殆どない、
まさに演奏や音楽を鑑賞するタイプのクラシック主体のコンサート、
「奏春譜2016」を今月28日(月)16:30より、
今年最後となるエレクトーンシティ渋谷で行います。
ぜひぜひ、お越し下さい。



【プログラム】
1.It's all right with me
 エレクトーン 川端彩音、佐藤梨乃

2.グリーグ作曲 二つの悲しき旋律 作品34-2「過ぎし春」
 エレクトーン 高橋里子

3.リムスキー=コルサコフ作曲 交響組曲「シェへラザード」より
   第1楽章〈海とシンドバットの船〉
 エレクトーン 大野紗恵理

4.サラサーテ作曲 ナヴァラ
 ヴァイオリン 関真知子、橘純子 エレクトーン 伊久美里歩

5.ニールセン作曲 交響曲第2番ロ短調作品16 より第1楽章
 エレクトーン 伊久美里歩

6.ラフマニノフ作曲 交響曲第2番ホ短調作品27 より第3楽章
 エレクトーン 竹田彩香

7.真島俊夫作曲 ミラージュⅡ
 エレクトーン 丸田千尋

8.きらきら星
 エレクトーン 来栖麻美

〈休憩〉

9.ヘス作曲 ラヴェンダーの咲く庭で
 ヴァイオリン 原沙弥華 エレクトーン 川端彩音

10.延原正生編曲 You raise me up
 ヴァイオリン 原沙弥華、関真知子 ヴィオラ 堀場裕太
 チェロ 佐伯江梨花 コントラバス 後藤由紀子

11.ウォルトン作曲 ヴィオラ協奏曲 より第1楽章
 ヴィオラ 堀場裕太 エレクトーン 鈴木彩月、片岡明希

12.ヒンデミット作曲 ウェーバーの主題による交響的変容
          より第1、4楽章
 エレクトーン 伊久美里歩、小林千夏

13.シューマン作曲 弦楽四重奏曲第2番作品41-2
          より第1楽章
 ヴァイオリン 関真知子、橘純子
 ヴィオラ 落合なづき チェロ 佐伯江梨花

14.フランセ作曲 クラリネット協奏曲 より第1楽章
 クラリネット 宮邊結希 エレクトーン 高橋里子、佐藤梨乃

【スタッフ】
ステージ:池田葵、南雲愛里、宇田川麻衣
受付:神尾帆南、橋本総司
MC:松田祐子
チラシ作成:佐伯江梨花
チケット作成:伊久美里歩
プログラム作成:竹田彩香

気仙沼復興支援コンサート(4)/サンマリン気仙沼ホテル観洋

2016-03-07 00:45:12 | 活動報告
最後に番外編になります。
宿泊はもちろん大学から押さえていただきましたが、
気仙沼市民会館と海の市の中間地点が、
偶然にも気仙沼でもっとも大きなホテルに属する、
サンマリン気仙沼ホテル観洋でした。
予算の決められた状態での1泊2食・温泉付は、
本当にとてもとても恵まれました


夕食会場です。


さぁ、開宴


13品!


遂にフカヒレ登場!


ありがたいことにホテルのフロントにコンサートのチラシが!


そんな思いで深い演奏旅行でした

行き帰りの新幹線、大船渡線も長かったのですが、
寝ているところと食べているところはとりあえずカットします


往きの大船渡線


往きの大船渡線


帰りの大船渡線でした。やや疲れた?お疲れさま!

気仙沼復興支援コンサート(3)/海の市

2016-03-05 16:33:03 | 活動報告


復興支援コンサートを行うことは、
条件に見合った会場を探すことから始まります。
1日は自主公演のようにできても、
2日目は会場の協力を得なければ難しい状況です。
その意味で、気仙沼でよく知られていて、
震災後の復興を祝える場所として、
海の市・シャークミュージアムを会場に選びました。



しかし、写真を見てもうお気づきでしょう。
私たちが演奏するのは主にクラシックです。
普段ゼミではグランドピアノのある会場での演奏ですが、
この日の会場にあるのはピアノとはタッチの異なるキーボードで、
予め機種を聞いたうえで弾けそうな曲をプログラミングしました。
しかも、もう一点はキーボードのスタンドはありましたが、
合う椅子がなかったために試奏の結果、座ることをせず立奏を選びました。
ポップスのキーボードパートとは異なり、
演奏する音の数が段違いに多く、演奏技術を要します。
しかし、そこはゼミでさまざまな会場で本番を行っており、
4年間延原ゼミに在籍し経験豊富な末次実玲さんに託されました。

震災から5年とは言え、見た目も中身もひと口に復興とは難しく、
このようなまだ再生して間もない施設で手を抜くことなく、
自分たちの芸術を聴いていただくことが使命と感じています。
この日も会場にいらした方は、コンサートを温かく聴いて下さいました。



この日も1日目と同じ顔ぶれでMC



とてもよく響く会場は、金管楽器にも合っていました。



復興応援曲「これがわたしのすべきこと」(延原正生作曲)
詩は震災から免れた人へ直接語りかける内容で、
歌う側も聴く側も考えさせられます。



コンサートの後半は、親しみやすい曲目による弦楽四重奏です。
1日目とは少し異なり、「ムーンリバー」などを演奏しました。



入れ替わり立ち替わりいろいろな方が通りかかりましたが、
静かに聴くクラシックコンサートの雰囲気が、
この気仙沼の方にはやや非日常だったようです。



1日目と同様に「この道」でコンサートを締め、
最後は会場のみなさんと一緒に「ふるさと」を歌いました。



気仙沼のテレビの方が開演前にインタビュー、
そして演奏の様子を撮影されました。
何を話したのでしょう



気仙沼復興支援コンサート(2)/新聞記事

2016-03-03 20:03:12 | 活動報告
なかなかクラシックのコンサートはないと言う気仙沼。
それでも来て下さったお客さまは熱心に聴いて下さいました



後半は弦楽四重奏で、ジャズ・メドレー、ディズニー、
坂本九メドレーなど親しみやすい曲目を演奏しました。



最後は歌で締めプッチーニ、小林秀雄、そして「この道」のあと、
会場の皆さんと「花は咲く」を歌うと言うまとめでした。
ここで終演の段取りでしたが、何とアンコールの拍手が鳴り止まず
準備している曲はなく、2日目に皆さんで歌う筈の「ふるさと」を
急遽メンバー全員で歌うという嬉しいことがありました

そして、後日この気仙沼市民会館での記事が新聞に載りました
ありがたいことですね。



気仙沼にもゆるキャラがいます。
何とホヤぼーや



ホヤが好きだと愛着わくかもしれないですね
でも、ホヤぼーやに何とピッタリの人がいたんですね。
では、ホヤぼーや3連発


ホヤなづき


ホヤりえ


顔が3Dのホヤえりか

気仙沼復興支援コンサート(1)

2016-03-02 05:44:08 | 活動報告


今回は知人のいない街、気仙沼に行きました。
特に市民会館のすぐ裏にある仮設住宅の方に来ていただきたく、
この地ではあまり聴かれないと予想される編成による、
珍しい室内楽のコンサートです。

コンサートの最初は村松崇継作曲、延原正生編曲「彼方の光」で、
復興というものがひじょうにゆっくり進むことにおいて、
その光を見出してもらいたいことからこの曲が選ばれました
トロンボーンのソロから始まり、ホルン、ピアノが順に入ります。



ゼミでは毎回行っているMCです
復興支援コンサートでは欠かせません。



テューバのソロによるJ.S.バッハのフルートソナタです。
ここまででも、気仙沼ではまずない編成による演奏のはずです。



親しみやすい曲目も随所に採り入れ、
過去の朝の連続テレビ小説テーマ曲「瞳」を、
トロンボーン、ピアノで演奏しています。



モーツァルトのホルン協奏曲です。
モーツァルトらしい旋律はバッハと同様、
クラシックの定番プログラムです。



復興支援のために書かれた曲も採り入れられています。
前半の最後は、延原正生作曲「これがわたしのすべきこと」です。
この曲は2013年に吹奏楽と合唱のために書かれ、
岩手県奥州市で初演、その後は被災地でも歌われています。



東京から北上、岩手県一の関に入って大船渡線を東へ。
再び宮城県に入り、最北端の気仙沼に到着します
この漁業の街で復興支援コンサートを行ってきました。



朝7時代の新幹線で昼前につくものの、
タクシーでそのまま会場の気仙沼市民会館へ。
この会館や中ホールは写真でしか見たことがありませんでした。
ここは、丘の上にあり被災しなかった建物で古いままかと思えば、
外観や内装は奇麗になっていました。



意外にも起伏のある景観はたいへん美しいものでした。