コンサートホールではないアトリウムでの演奏、
それはクラシック音楽で行う場合は容易ではありません。
小編成ではすべての音がバランスや音の分離のよい状態で、
聴こえなければならないからです。
誘われて行くポップス系のコンサートでは、
ライヴハウスで行っていても往々にして、
聴こえない楽器があります。
なぜその楽器を入れたのか? PAはわかっているのか?
おそらくそのメンバーで行うことが音楽より重要で、
音そのものよりもビジュアルが大事なのだろうと判断します。
では、なぜこのようなホールではない場所で、
クラシックを中心としたコンサートを行うのか?
それはクラシック音楽の普及であると同時に、
クラシック演奏家の活動を促進するからです。
学生が演奏するとなると軽く扱われる会場も多いのですが、
学生=音大だからこそ念入りに準備をして、
ステージ裏方、表方に関していろいろ考えています。
私たちは常に会場としてやりやすい場所、
やりやすいパートナーを探しています。
では、このゲートシティ大崎はやりやすい音響かと言うと、
まったくそうではなく極めて難しい音響空間です。
とにかく広く、天井は高く、壁は有効ではありません。
音響さんの腕や耳、さらには周りの音にも影響を受けます。
この会場にはグランドピアノがありますが、
ピアノはリハーサル時によい音響やバランスができたとしても、
本番時に来場者が増えることによる周りの騒音が増えた際に、
金管楽器やサックスは音が抜けるのに対して、
ピアノは被られていきます。
その状況によって極めて繊細な調整が必要になります。
いつもやっていただくゲートシティ大崎の音響さんは、
この状況を理解し懸命にやっていただいていると思います。
それが今回で8年目となるコンサート開催に繋がったのです。
その中で、今回初となった編成、
1曲目のトランペット8重奏「無限の上昇」は、
抜ける高音に対して低音がどの程度鳴るかが心配でした。
この曲の問題は、8本というパート分けからなる、
低音の過密なパートがあります。
しかし、思ったほどの心配はなく全体的にうまく聴けました。
これは奏者の発音の的確さ、技術的な巧みさも必要です。
結果として、コンサートの最初を飾る響きの広がり、
パフォーマンスとして成功しました
演奏は下記のメンバーです。
1a 浦井宏文、2a 本多遥、3a 中村冬威、4a 和田直樹、
1b 蛭間晃基、2b 丹羽颯、3b 鈴木啓夢、4b 中川雄二
アトリウムの様子です。
次のコンサートのお知らせです。
次は久しぶりに大学に戻り、
ブラックホール内ビッグマウスで行います。
コンサート「冬眠前の大暴れ!」
11月16日(月)18:30開演[18:15開場]
【プログラム】
1.竹田彩香作曲 fantasy of light
エレクトーン 竹田彩香
2.モリコーネ作曲 延原正生編曲 ガブリエルのオーボエ~ニューシネマパラダイス
オーボエ 牧野友美、小川航平 エレクトーン 高橋里子
3.国府弘子作曲 Starland
エレクトーン 丸田千尋
4.ブラームス作曲 ピアノソナタ第1番ハ長調作品1より 第1楽章
ピアノ 有泉香里
5.ラフマニノフ作曲 弦楽四重奏曲第1番よりロマンス
ヴァイオリン 関真知子、原沙弥華 ヴィオラ 落合なづき チェロ 橋本総司
6.クーセヴィツキー作曲 コントラバス協奏曲 嬰ヘ短調作品3 第2、3楽章
コントラバス 後藤由紀子 エレクトーン 伊久美里歩
7.My favorite things
エレクトーン 川端彩音
8.小林千夏作曲 interference
エレクトーン 小林千夏
9.コセンティーノ作曲 パンデモニウム
マリンバ 宇田川麻衣 ピアノ 遠藤龍軌
10.ジョーダン・ルーデス作曲 Ra
エレクトーン 伊久美里歩、佐藤梨乃
【スタッフ】
チラシ:中村直人
MC:横山理子
セッティング:大友和美、渡邉真大、蛭間晃基、内山初音
受付:柗井拓野、小暮純平
照明:中村紀仁
音響:鈴木勇気 他、音響デザインチーム