日本の「政治」の〈可能性〉と〈方向性〉について考える。

「政治」についての感想なり思いを語りながら、21世紀の〈地域政党〉の〈可能性〉と〈方向性〉について考えたい。

「ロシア」の「暴力」から、どのように私自身を守るのかー私の語る「システム」論から 、〈「平和な民主主義」社会の実現のために「勝ち(負け)続けなきゃならない」世界・セカイとそこでの戦争・センソウ〉との

2022-04-25 | 日記

「ロシア」の「暴力」から、どのように私自身を守るのかー私の語る「システム」論から
、〈「平和な民主主義」社会の実現のために「勝ち(負け)続けなきゃならない」世界・セカイとそこでの戦争・センソウ〉との関連から考察するとき(続・続)

*なお、ここでの「ロシア」という場合、それは今のロシアだけでなく、あらゆる国家を想定して使用していることを、最初に断っておく。


(最初に一言)

正直なところ、「続き」の話をするのはつらいし、私自身に対しても腹が立ってくるのだが、とにかく、「守ることなどほとんどできない」という「現実」をたたき台として、それでもなお、できないなりにやれること、やってはならないことは何かについて、考えてみたい。


最初に、覇権国の興亡史との関連から戦争について少し言及してみたい。私の見る限り、これまでの覇権国が衰退して、次の覇権国が台頭する時期には、必ず戦争が必要とされたということである。

たとえば、イギリスがその絶頂期(1850年代)から衰退期を迎える時期(1970年代)から、次の覇権国である米国がその覇権を握る時期(1940年代)において、戦争は繰り返し見られた。19世紀末のいわゆる「帝国主義の時代」とされる時期の戦争から第一次世界大戦、第二次世界大戦という大きな戦争が注目される。

とくに、米国が覇権を握る前のおよそ10年間は戦争のオンパレードといった感がある。またそこから以前の10年間も、すなわち第一次世界大戦の終結後の1920年代も、そして30年代末の第2次世界大戦に至る前段の時期に、内乱や内戦が繰り返されていたことを鑑みれば、まさにE・H・カーの説いた「危機の20年」であったのだが、それは換言すれば、覇権のバトンの受け渡しに必要とされた戦争の時代でもあったということを忘れてはならない。

私の語る「システム」論において、この時期は{{A}→(×[B]→×[C]}のモデルで描く〈「システム」とその関係の歩み〉の高度化の時期に該当している。当然ながら、「金の成る木」としての「システム」はこの時期の高度化のために、イギリスから姉理科へと覇権国の交替を必要としていた関係から、英米覇権連合の下での戦争を準備して、それを実行したのである。それが先のセンソウとなったということだ。

少し歴史を遡ってみた場合、スペインとオランダにおいて、またオランダとイギリスとの間においても、同じような覇権のバトンの受け渡しにおける戦争がセットとなっている歴史を確認できるのではあるまいか。それがまたイギリスとアメリカの間で繰り返され、そして21世紀のこれから20年の間において、アメリカと中国のバトンの引き渡しとセットになる戦争が、「金の成る木」としての「システム」によって準備され、そのいくつかは、もう既に、「冷戦崩壊」以降のソ連のアフガニスタン侵攻を契機として、アメリカによる湾岸戦争、アフガニスタン戦争と続き、そして今やロシアのウクライナ侵攻へと、{[B]→(×)[C]→×[A]}のモデルで描かれる〈「システム」とその関係の歩み〉の高度化のための戦争が続けられているのである。


ここで注意しなければならないのは、日本と日本人は「あの戦争」に突入してしまったが、それはイギリスからアメリカへと覇権国が交替する時期において、「システム」が仕掛けた戦争であった。日本と日本人はその罠にはまり、そして敗戦、その後は米国支配に隷従する状況・状態に置かれたままである。

もっとも、開国以降の歴史を踏まえるとき、日本と日本人は、どうあがいたとしても戦争へと引きずり込まれる流れにあったとしか言いようがないのだ。そして、今回もまた、そうなる公算が大なのだ。つまりは、ほとんど打つ手なしというしかない。それゆえ、たとえ、防衛費を増額して高性能のミサイル迎撃システムを完備したところで、また核シェルター建設に邁進したところで、あるいは、第9条を守れと叫んでみたところで、普通の国民の命と暮らしを守る上では何の役にも立たないのである。ましてや敵基地攻撃というか反撃能力というつまらない言い換えをしたところで、これまた火に油をそそるだけなのだ。

今の政権とその防衛・安全保障政策の下にあっては、私たちは必ずや、戦争に巻き込まれてしまうだろう。少なくとも、彼らは戦争に巻き込まれないようにとの努力はしていない。むしろ逆に、せっせせっせと、「システム」の仕掛ける戦争の罠にはまろうとしている。これに対して、国民はそうした流れを止めようとはしない。止めることもできないのは確かなのだが、そもそも止めようともしていないということこそが、問題なのである。

私たちは今、アメリカから中国へと覇権のバトンの受け渡しが進行中の真っただ中に位置していることから、「システム」の用意する戦争へと巻き込まれる可能性がますます高まっている流れの渦中にあるといっても過言ではない。とくに日本と日本人がこれまで中国や韓国と北朝鮮に対するアメリカによって展開されてきた無責任な敵意と挑発に、お調子者のように振舞ってきた行動は、そのまま危機においてブーメランのごとく戻ってくるのは必至であろう。

私の語る「システム」はアメリカを使って、日本と日本人を中国との一戦に導くように、これまでもたびたび仕掛けてきたが、今後はますますその機会も増していくに違いなかろう。その際、日本と日本人に悲劇的に思われるのは、歴代の覇権国の興亡史を理解できないために、アメリカと中国が覇権連合を形成、発展させていることを、捉えられないままにあるということなのだ。

アメリカと中国は、これまでの歴代の覇権国の興亡史からも明らかなように、覇権のバトンの受け渡しをする両当事国は、たとえ対立と敵対が激化して、そこから戦争へと至ったとしても、それでも両当事国は、「システム」の発展と安定のために、協力・協調しながら共存する道を歩むのである。正確に言えば、私の語る「システム」が、そのようにさせるのである。

*(なお、これに関しては拙著『民主化の先進国がたどる経済衰退 経済大国の興亡と自由民主主義体制の成立過程に関する一仮説』1995年と『史的システムとしての民主主義 その形成,発展と変容に関する見取図』1999年、ともに晃洋書房 、を参照されたい。)

それゆえ、私にはこの先、日本と日本人を待ち受ける出来事がなんとも言い難く、同時にまた、できれば何とか「あの戦争」の二の舞となることだけは避けたいのだ。あの戦争から、私たちは何も学び取ってはいないし、学び直そうとする間もなく、米国と米軍主導のGHQの監督下に置かれ、独立後から今日に至るまで、その米国の監督の下に、実質上は置かれたままなのだ。その意味では、日本と日本人自身の思考は停止したまま、されたままである。

それにもかかわらず、今のロシア侵攻によってズタズタにされたウクライナの惨状は、そんな日本と日本人にでもわかるはずだ。これに関連して、MSNで紹介されていた記事〈爆笑太田がウクライナ在住男性に質問「軍事支援をアメリカに言いにくい雰囲気があるのか」東スポWeb2022年4月24日 11:18〉を、ここに引用貼り付けておきたい。

ーーー

(引用張り付け、始め)

 お笑いコンビ「爆笑問題」(太田光=56、田中裕二=57)が司会を務める「サンデージャポン」(TBS)でロシアのウクライナ侵攻について特集した。

 番組では幼いころに日本で育ち、現在はウクライナのキーウに在住するボグダン氏(35)にリモートで現状を訪ねた。

 ボグダン氏は「キーウへのミサイル攻撃はいまも続いていて、それを地対空ミサイルで撃ち落としているような状況です」とリポート。経済学者の成田悠輔氏(36)はアメリカからリモート出演。成田氏はボグダン氏に対して日本や世界での、ウクライナ侵攻の報道に対しての違和感について尋ねた。

「違和感しか感じないですね。ウクライナは3日間でおちるとか。降参するとか」とボグダン氏。「(ロシアとのクリミア紛争がぼっ発した2014年から)8年間ずっとウクライナは期待しながら待ってたけど全面戦争になって。この2か月間、期待しているけどなくて。我々は世界のシステムは崩壊してて、国連もNATOもEUもアメリカも機能してなくて。マスコミはプロパガンダだけと思っています」(ボグダン氏)。

 爆笑・太田は「本当はもっとNATOとかに軍事支援してもらいたいが、アメリカとかには言いにくいという雰囲気があるのでしょうか?」と質問。 ボグダン氏は「元々は1994年のブタペスト覚書に(核兵器を放棄する代わりに)アメリカ、ロシア、イギリスが守る(安全保障を提供する)という契約して。これをロシアを破った時にアメリカ、イギリスは何もしていない。だから我々はアメリカ、イギリスを信用してません。この2か月で動かないんだったら、動かないですよ。だから世界のシステムは崩壊してますよ」と指摘した。

(引用張り付け、終わり)

ーーー

ここに紹介されているボグダン氏の話は他人事ではなく、私の明日の現実である。同氏は前段のくだりで、ーーー我々は世界のシステムは崩壊してて、国連もNATOもEUもアメリカも機能してなくて。マスコミはプロパガンダだけと思っています」(ボグダン氏)。ーーーと述べている。

また後段のくだりでは、ーーー「元々は1994年のブタペスト覚書に(核兵器を放棄する代わりに)アメリカ、ロシア、イギリスが守る(安全保障を提供する)という契約して。これをロシアを破った時にアメリカ、イギリスは何もしていない。だから我々はアメリカ、イギリスを信用してません。この2か月で動かないんだったら、動かないですよ。だから世界のシステムは崩壊してますよ」、と同氏は語っている。


私の語る「システム」論から見れば、ボグダン氏の言う「世界のシステムは崩壊している」というよりも、私の語る「システム」は、ボグダン氏の語るシステムの崩壊を導くように動いている、として捉え直すべきことを教えている。元々、国連も、アメリカもイギリスもウクライナを守ろうとはしていないのだ。ウクライナを守らなくてもいいから、戦争に巻き込まないようにしてくれれば、それだけでいいのだが。

どっこい、ボグダン氏の言うシステムそれ自体が、彼の期待するようなシステムでは最初からないことを、彼は位置づけ理解していないことが、ボグダン氏の話から読み取れるのではなかろうか。その関連から言えば、私の見まわす限りでは、日本人の中にも、こうしたボグダン氏と同じように、「世界のシステムの崩壊」だとみている人たちが多いのではあるまいか。もし、そんな理解をしているのであれば、私の語る「システム」は笑いが止まらないはずである。(続)

 

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