虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

連絡メールアドレス変更のお知らせ

2005年03月19日 | 日記・雑記
18日付の記事の通り、トラブルがありましたので連絡先を変更しました。

 この際お金払って使っているメルアドの一つを公開しようかと思ったのですが、それは安全第一、HTMLメールなんかちょっとやそっとじゃ開けない、添付ファイルも3段階くらい手間かけないと開けないぞ、という設定になってます。
 それだと、皆さんが送ってくださるカードとか、画像付きメールを見るのがとってもとっても大変になります。
 そういうわけでやっぱりWEBメール使うことにしました。
 もうこれからは、1月に一度くらいパスワード変更しようか、と思っています。
 本当に申し訳ありませんでした。

 昨日は早く帰って作業しようと思ったのに、夜遊んでしまい、今朝はメールで時間食ってしまいました。
 昨日はお寿司食べて、DVD見て遊んでました。
 私は食事制限があるので寿司飯はたまにしか食べられないご馳走です。それなのに昨日のすし屋、板前が客としゃべってばかりで出てくるのは遅い、刺身はなんかカチカチ、寿司飯まずいという何拍子も揃ったひどさでした。
 悲しい!この店を推薦したK君、今度殴らせて!
 それから、「Uボート」「トライガン」「ガングレイブ」を女3人で鑑賞。
 初めて「Uボート」を見たという16歳は最後まで一言も言わず見ていたけれど、終わって「肩こった、疲れた、もう見たくない」
 いいえ、きっとまた見たくなります。2度目、3度目ますます身に沁む映画です。
 それであとは大騒ぎしながらアニメ。「このアニメーター誰だよ~」「キャー恥ずかしい」とか。深夜までやっちゃいました。やっぱりオタクっぽいだろうか。

迷惑メールの発信元になってるようです

2005年03月18日 | 日記・雑記
 一昨日の夜からやたらと忙しくて家のPCにあまり寄り付けませんでした。
 今朝gooのメールチェックしましたら、私のgooメールアドレスで迷惑メールが私宛に来ておりました。ホントにイヤな気分です。
 急遽対策を講じなければいけませんが、本日夕方でないと暇が出来ません。作業はそれからになります。パスワードはもちろん変えました。
 
 今までにも、3ヶ月くらいでパスワード変えたり、いろいろ考えてはいたのですが、まだまだ注意が足りなかったかもしれません。気分の悪いメールを送りつけられた方、本当に申し訳ありません。

CUTIE HONEY キューティーハニー(2003/日)

2005年03月16日 | 映画感想か行
監督: 庵野秀明
出演: 佐藤江梨子 市川実日子 村上淳 及川光博 小日向しえ 片桐はいり 新谷真弓

 ダメOLの如月ハニー。しかしそんな彼女の正体は、世界屈指の科学者・如月博士により創り出された無敵のパワーを持つアンドロイド“キューティーハニー”。今は亡き如月博士の遺志を継ぎ、ハニーのパワーの秘密である“Iシステム”を研究する宇津木博士が秘密結社パンサークローに誘拐されてしまう。

 映画友達が見てきて「つまらなくて寝た」と言っていたが、私はけっこう楽しかった。とりあえず「キューティー・ハニー」原作とアニメには取り立てて思いいれはありません。昔キャラクターハンカチ持ってたような記憶はあります。
 佐藤江梨子の身体がいい。全然隠微さとか影がなく見事に陽性な伸び伸びした身体で下着姿でも見ていて気分がいい。アクションはドタドタですけど、ご愛嬌かな。それにほかの出演者も漫画をわかってきちっと演じていて、パンサークローの四天王、特に及川光博さん素敵。
 ファーストシーンが「何だこれ?」だったのと、途中の展開が間延びしてるな~とは思ったものの、海ホタルや、ジルタワーのところは好き。色使いもけっこう好き。

 でも、ストーリーの中心に恋愛よりも女同士の友情を持ってきたのは時代でしょうか?
 
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戦争に関する日記

2005年03月15日 | 日記・雑記
 山田風太郎の「戦中派虫けら日記」などを筆頭に、戦争中のいろいろな階層の人の残した日記・手記を読んできた。その中でも私の想像の範囲では、この人の人格を構成するものをわかりきらない、と感じる人がいる。宇垣海軍中将や木戸幸一など特に感じる。
 山田風太郎の日記はそんなことは感じない。優れて明晰な青年の戦争に追い詰められていく様子がただ痛ましく、恐ろしい。周囲の状況が切迫してくると、文体が文語文になる。普通の文章を書くにはやりきれない内容になったということなのだろう。
 文語文といえば、「戦艦大和の最期」を思い出さざるを得ない。どちらも、生々し過ぎるような凄惨な内容で、それを記すためには日常を遮断した文体が必要だったのだろうか、と思う。
 今は漢文さえも学生が触れる機会が少ないようだ。ということは、私たち日本人は思考回路を一つ失ったのではないかとさえ思える。外国語教育の普及はそれを埋めるものではないだろう。斉藤孝先生も漢文重視しよう運動はしてないかな。

 このことを考えたのも、「ローレライ」の影響なので、しつこく言及しちゃうけれども、海軍高官が自決を迫られるシーン。朝倉大佐の意思も描ききってはいないし、軍上層部も出した甲斐がないと思うのは私だけだろうか。おそらく宇垣中将のようなタイプの人なら、死なんて怖くないだろう。彼は自分も死ぬ気だからこそ若者を特攻に送り出した。そして終戦の詔勅後に特攻に出た。部下を連れて。人間的に高潔な人物のこういう意識こそが私には恐ろしい。
 
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ローレライの余波

2005年03月14日 | 映画の話題
昨日「ローレライ」見て帰って来てから
DVDオンラインレンタルで
「Uボート ディレクターズカット」を予約した。
別に潜水艦映画特集しようと思ったわけでもなくて
なんかもやもやが身体にたまっちゃったので。
そしたら、
「期待するものが違うよ~
 あれは『宇宙戦艦ヤマト』みたいなものだと思わないと」
と、一緒に見て、全然泣かずにちょっといらついていた人に言われた。
まあそうなんだけど。
別の掲示板で「不思議の海のナディア」との類似を指摘していた。
私も、パウラに関しては「エヴァンゲリオン」みたいだなあ、あのバンデージは「フィフス・エレメント」みたいだなあ…と思っていました。
<画コンテ協力: 庵野秀明>
のせいでしょうか?

アニメ実写版を見たような、
「なんか違う」というこのもやもやした釈然としなさ加減…

ローレライ (2005/日)

2005年03月13日 | 映画感想ら行
監督: 樋口真嗣
出演: 役所広司 妻夫木聡 柳葉敏郎 香椎由宇

 福井晴敏の戦争サスペンスの映画化。
 特攻に反対したため臆病者とされ、干されていた海軍の絹見少佐は、中枢の朝倉大佐から広島に次ぐ日本への原爆投下を防ぐためにドイツから来た潜水艦イ507で爆撃機の基地を攻撃せよとの命令を受ける。
 その艦には、「ローレライ」と呼ばれる新型兵器が搭載されていたが、それは艦長である少佐にも秘密にされていた。

 この映画にも、めちゃめちゃ泣きました。
 ほとんど涙の切れ間無し状態でしたが、映画で感動していたかといえば、それはまた別問題。
 もちろんそこそこいい映画ではあったのです。ベテラン俳優の演技はたいしたものでした。
 やっぱり原作と切り離して考えないと、不満積みあがっちゃう。だって鶴見真吾の大湊中佐なんて、何のためにでてきたかよく分からないくらいの出番しかない!全体に緊迫感甘いのだ。圧迫感より清潔感感じた潜水艦生活だったし。
 映画なんだから、もうちょっとお話刈り込んでも良かったですかねえ。その分、野球のお兄ちゃんとか、もっと描き込んでおくとか。やっぱりヘアスタイルは気になりました。西宮大使の刺客になる兵隊さんはいくらなんでも長すぎでしょう。若い兵たちのルックスとパウラのコスチュームで時代感がかなり飛んじゃってました。
 一番の違和感は空気。戦争末期のものには写真や手記を見るだけでもどうしようもなく迫ってくる独特の空気があるのだが、それが希薄なのだ。
 戦争映画でなく、SFなのだ、と言い聞かせてもなお、それを探しちゃったのである。
 それに映画としても、あんな思い入れたっぷりシーンを持続させるよりも、もっとサスペンスをきっちりと積み上げて欲しかった。

 これだけ突っ込みまくりで、それでも泣けて仕方なかったのは、やはり私の中の記憶のせい。
 終戦の二週間前に十代の通信兵の息子に戦死された母の嘆き。一人息子が30歳になって兵隊にとられ、南方で餓死した母の嘆き。満州からの引き揚げの話。空襲や機銃掃射を何とか生き延びた話。こういう直接聞いた話や、読んだもの、資料で見たものが思い出されて仕方なかったから。
 皆自分をはぐくんだものを愛して大切に思っていた。そして死んで行き、大事なものを失ったのだ。

 この映画を見たら、ついでに
「戦艦大和の最期」吉田満(必読!)
「戦中派不戦日記」をはじめとする、山田風太郎の終戦前後の日記
「昭和史」半藤一利
「海軍めしたき物語」高橋孟
「欲しがりません勝つまでは」田辺聖子
そのほかの本を是非是非読んでいただきたいと、お願いします!

 う~ん、それと日本の男性、ほんとに軍服に合わなくなったのかな。「海底軍艦」の田崎潤は、腹が出ていようが寸がつまり気味に見えようが、あの白い詰襟がもう第二の皮膚とばかりにフィットしてたんですが、この映画ではどうもピタリと着こなしてる士官役少なかったと思います。その、「板についてる」って感じがないのです。
 
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オペラ座の怪人(1925)

2005年03月12日 | 映画感想あ行
THE PHANTOM OF THE OPERA
監督: ルパート・ジュリアン
出演: ロン・チャニー メアリー・フィルビン ノーマン・ケリー

 これも、伝説の名作ロン・チェニー主演の「オペラの怪人」を見ることが出来た。 ラストは、こちらのほうが無残だった。今度のミュージカルは報われないものにどうしても焦がれてしまう愛の物語だが、これは歪んだ愛しか持てなかった恐ろしい物語。
 ストーリーは少し違うし、今回の映画で割愛されたラウルの兄がファントムに殺されるエピソードなどもあるし、何より登場人物の性格付けが少し違う。クリスティーヌは怪人を一目見て、怯えている。そこには怪人の音楽の才能と声とに対する心酔の残り香はわずかにあるけれど、彼女を支配しているのは嫌悪と恐怖。怪人はどんな手段を持ってしても彼女を手に入れたいと狂おしく焦がれているが、今度の映画ほどの哀れさを持たない。
 天使の声を持つ醜い怪人という設定が、サイレントで最高に生きている。

 1925年にこれだけの豪華を作りきってしまったのはやはり感嘆の一語。
 オペラ座内部の白く輝くような光が豪華さを焼付け、モノクロ画面のバレリーナたちの白いチュチュの揺らぎと光、地下へ下りていく怪人の影の恐ろしさ。クリスティーヌが馬に乗せられるシーンでは、その影をきっちりとフレームに入れた絵に見とれた。
 マスカレードのシーンだけ、当時の最先端だったらしいテクニカラーを使ったカラー画面になっていて、いかにもカーニバル・乱痴気騒ぎ的雰囲気に満ちてドキドキする。赤いコスチュームのファントムは絶対こちらのほうがかっこいい。
 登場人物も決まっている。ロン・チャニーのメイクは言うまでも無し、メアリー・フィルビンのクリスティーヌが舞台上に初登場したときには本当に天使の様で美しさにため息。ラウルがいまいち青年期脱してる風貌で、当時はこれでも颯爽とした青年でよかったのかな?と思ったり。

ハガレン入手(わ~い!)

2005年03月11日 | エンタテインメント
「鋼の錬金術師」7巻を半額で譲ってくれるというありがたいお友達出現。
嬉しいな~。
今までガンガン見せてもらうときに飛び飛びで読んでたのがまとめて読める。

でもこれ、すごく出来のいい作品ですよね。
それぞれのエピソードがまとまっていて、
それでいてきちんと物語が進行していて
登場人物に魅力があるし

それにコマ割がすごくあっさりしてるのに
一つ一つのコマが隅まで描き込まれていて
それで、メインの進行と隅のお遊びやらが
並列進行してるのに
うるささを感じない!
たいした腕ですねえ!

ちょっと飽きたから譲ってくれるって…もったいないわよ。
でも、うれしいっ!

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ドライビング・MISS・デイジー(1989/米)

2005年03月10日 | 映画感想た行
監督:ブルース・ベレスフォード
出演:ジェシカ・タンディ モーガン・フリーマン ダン・エイクロイド

 1948年アメリカ南部アトランタ。教職をやめた未亡人デイジーは、70 歳を過ぎても自分で車を運転して出かける頑固者。しかしギアの入れ違いから事故をおこし、息子は母のため黒人運転手ホークを雇う。

 BSアカデミー特集でまた「駅馬車」見てしまった。どうして見だすとやめられないのでしょうか。「キャットバルー」も再録画しちゃったし、この映画のビデオちゃんと残ってるかな~と思ってちょっと見るつもりでまた全部見てしまった。
 
 アカデミー賞史上最年長で主演女優賞を受賞したジェシカ・タンディは当時80歳だった。70歳から25年以上の歳月を演じているが、本当にすごいと思う。モーガン・フリーマンも良いが、すこうしだけ文句つけさせてもらうと、ラストシーンはもうちょっと手に老けメイクしてほしかった。劇場でも手に視線いっちゃったから。

 公民権運動の時期を挟んで、彼女がそれまでの自分でも気付かなかったような階級意識を乗り越えていくところが淡々と描かれてすごく心にしみる。キング牧師のディナーパーティーのデイジーの表情は印象的。”I have a dream that ...~を思い出していた。昔の奴隷と主人が真の友情をもって同席する・・・理性も良心もそろっている人でも、自らの固定観念を自覚し、それを乗り越えるのは容易ではない。
 連想したのが「ボウリング・フォー・コロンバイン」 やはりああいう直截な方法でなく、こういうドラマのほうが私には響くものが大きい。もちろん、あの映画の主題はこれだけではないのだが。

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デビルズ・バックボーン (2001/スペイン)

2005年03月09日 | 映画感想た行
EL ESPINAZO DEL DIABLO
THE DEVIL'S BACKBONE
監督: ギレルモ・デル・トロ
製作: ペドロ・アルモドバル ギレルモ・デル・トロ 
出演: エドゥアルド・ノリエガ マリサ・パレデス フェデリコ・ルッピ フェルナンド・ティエルブ イレーネ・ビセド
 
 スペイン内戦下の共和党の人間が維持する孤児院。共和党の闘士の父をなくした少年カルロスは義足の女性院長、彼女を愛する老カサレス先生、美しく粗暴を感じさせる若い男などに迎えられる。彼はそこで、不思議な気配を感じるようになり、それはかつて彼のベッドを使っていた、行方不明のサンティの霊ではないかと考える。

 幽霊とは何か?
 過去からよみがえってくる苦悩の記憶か

 たとえば激しい痛み…
 死者の中で生きているなにか
 時の中にさまよう人間の想い
 古い写真のように…
 琥珀の中に閉じ込められた昆虫のように…
 (冒頭ナレーション)


 美しい画面と血の色に縁取られた哀切な涙を誘う映画。
 幽霊は哀しく、人間は恐ろしい。
 スペインの内戦という舞台は、また共和党という敗れ去るものたちの中での葛藤の未来を暗示して恐ろしい。人間らしいものの残滓が醜い欲だけという美しい青年。一歩を踏み出すことの出来ない胎児をつけた酒を飲む老人。老いて尚美しい、片足の院長。黄土色の草原のただ中の孤島のような石造りの孤児院の真ん中の爆弾など、道具立てはアルモドバル製作だけあって、ほどほどエグく、中での子どもたちのそれなりに子どもらしい生活と、日常と非日常の接点がそこここでせめぎあうよう。
 ラストでは、カルロス少年と共に、泣かずにいられない。そのとどまった心に。

 パデレス、ルッピのベテランはいうまでもなく、賢いカルロス、力に負けて、より弱いものに牙を向けてしまうが、最後には自分を取り戻すハイメなど、少年たちの演技も素晴らしい。ノリエガは実に美しく、それが一層陰惨である。そして彼もまた強い力に負けて、弱いものに残酷さを向けているのがわかる。

 DISUCASのレンタルで借りたが、年度末試験中の高校生が「終わったらまた見直すから、返さないで!」と叫んでいた。私にとっても、儲け物と感じた映画。

ガノンドロフに勝てない…

2005年03月08日 | エンタテインメント
今、ゲーム・キューブの
「ゼルダの伝説 風のタクト」
やっています。
一周目ですから数々のミニゲームはすっ飛ばし
「自力でエンディングへ」で
やっとラスボス・ガノンドロフ戦まで来ました。

ところが、相変わらず(「時のオカリナ」同様)
ラスボスめちゃ強い。
おまけにゼルダ姫とのタッグで倒すのが原則ってのも
私には苦手分野。

うちのアクションゲーム好きに救いを求めるのもシャク。
時間かかって、映画が少なくなる…

このゲーム「ゼル伝」らしくお話がきちんと語られてて好きです。
「坊ちゃん」とは違う意味で微笑ましく「兄ちゃんも辛い」お話です。
それに「時のオカリナ」では玲瓏たる美女やってたゼルダが、ここではなかなか元気な姐御でもあるのがとっても好きです。

トルク (2003/米)

2005年03月08日 | 映画感想た行
TORQUE
監督: ジョセフ・カーン
出演: マーティン・ヘンダーソン アイス・キューブ モネット・メイザー ジェイ・ヘルナンデス

 麻薬の売人としてタイに逃げていたフォードが帰って来た。彼は恋人に再会し、麻薬の持ち主ヘンリーと決着をつけようとするが、今度は殺人の濡れ衣まで着せられ、ヘンリー、警察、FBI、そして殺された男の兄でバイク・ギャングのリーダーに追われる破目になる。

 これは、映画館で見なかったのは失敗でした。
 この映画は少なくとも音響くらいは響かせないと、味わったことにはならないんじゃないかな。
 笑っていいのかどうかわからないけど、見ていてぎゃはぎゃは大笑いしてしまった。この映画見て、まず連想したのが日本のレース漫画。「サーキットの狼」とか「頭文字D」とかのテイスト。
 ストーリーなんかは突っ込んではいけません、のもので、見るからに怪しい目撃者の証言で誰も彼もすぐ主人公を殺人犯と決め付けたり、これに比べれば「カンフー・ハッスル」のご都合主義は足元にも及びません。
 私はメカについてはカー・グラフィックのオールドファッションな車眺めてる程度のファンなので、このバイクのすごさはわからないし、この映画見ながら
「危ない~」
「はた迷惑~」
と呟いちゃうのだが、バイク狂さんたちには涙ものなんだろうなあ、と推察します。

 でもほんと、最後のチェイスシーンなんて、ものすごく面白いけど、ほんっとに

「ありえね~~~!」

で、もう笑えて、笑えて。3回ほど繰り返し見てしまった。

 男前な彼女とか、女性バイク対決とか、もう泣かせますね。でも、私が友人だったら「あんな男にはついていくな」って言っちゃう。それほどかっこよくないし。

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「坊ちゃん」(夏目漱石/新潮文庫)

2005年03月06日 | 
 「坊ちゃん」というのは竹を割ったような性格の若い男の子が、旧弊な社会に啖呵を切る小説のような印象があるらしい。
 ところで読んで胸がすくか?少なくとも今の私は爽快感より痛ましさが先にたつ。ただ、文体の歯切れのよさはすごく気持ちがよく読めるし、描写のおかしさには突発的大爆笑になります。

 今、周囲の10代後半くらいの子に「坊ちゃん」の感想を聞くと、
「切るなよ」
「切れるなよ」
なんてのが返って来る。
 初めの「切るな」は、あのナイフで指切っちゃったところ。「切れるか」と挑発されれば骨が出るほど指切っちゃうし、「飛び降りられるもんか」といわれれば屋根から飛び降りて骨折るし、何でそこまでやるか…と思うんでしょう。やっぱり親だったら、こういう子は手を焼くかも。次の「切れるな」は、あんまり上手に怒ってないように見えるからでしょうね。それほどすぐにキレてるわけではないのに、そういう印象持たれちゃうんですね。

 松山で中学の数学教師だった彼の正義感は破れ、東京に戻って街鉄の技手になる。職業から言えばかなりのランク落ちだろう。しかし痛ましいのは世間的な位置づけが下がったことでなく、彼の孤独感が痛ましい。山嵐は友人といえるのかもしれないが、彼の孤独感を埋めるものでなく、生徒たちは彼にとって何者でもないような印象を受ける。

 そして彼は清の手紙を風に流し流し読む。寂しさが浮き出てくるようなシーン。そして東京に帰り、清のそばで彼は安定する。それがまた痛ましい。それでも利口に生きない、愚かにも見える坊ちゃんの行動に、私は共感を持たずにいられないのである。

 漱石はどう考えても赤シャツの位置にいる。そして坊ちゃんの育った家では、坊ちゃんの「なまっちろい勉強ばかりしている兄」の位置にいるだろう。私は「お兄ちゃんだってつらい」と思う。
 なにぶんにも明治初期である。跡取りの長男は絶対。次男以下とは格が違う。いま、「条件付の愛(もしいい子だったら、成績がよければ、自慢できる子なら愛してあげる)は子どもにとって虐待です」なんて言われてますが、このおにいちゃんは長男だから大事にされてるんで、その条件付の愛そのまんま。そして坊ちゃんは無条件に、本人にも訳わからないほど「よいご気性」だとほめてくれる、彼の存在をそのまま肯定してくれる下女の清がいたけれど、お兄ちゃんには見当たらない。お兄ちゃんは果たして坊ちゃんにとっての清の如き、安定をもたらしてくれる誰かを、何かを見出すことが出来るのか?

 切ない。

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PCの遺物は…

2005年03月06日 | 日記・雑記
 ただいま、家中のPCの中身や、ハードをあっちやったりこっちやったりの大移動中です。古いスキャナのドライブが見つからなかったり(最新版ダウンロードすれば済むんだけど、なんか癪にさわる)使えると思っていたマザーボードのコンデンサーが割れてたり、捨てるものもいっぱいで、家庭内の一角が秋葉原ジャンクショップ状態になっています。

 それでとんでもないものが発見されたりします。
 なんと!NECのPC98用5インチフロッピーのシステムディスク!





 立派なケースだなあ!
 5インチのフロッピーなんて、ハードが我が家から消えたのは何年前だったでしょう?憶えてません。だいたい見たことない人も多いんじゃないですか?NECの98の日本語ベーシックなんて、なんでまだ残ってたんでしょう。ハードが残ってても誰か操作憶えてるのかな?
 アンティーク家具は実用になるけど、これってほんとに今では何の用もなさない。すごく高価だったそうだけど。

 それにもう少し新しいところではWINDOWS95用のワードとエクセルも発見。

 大掃除の古新聞・古雑誌は面白いけど、こういうのはどうしようもないですね。

第七天国 (1927/米)

2005年03月05日 | 映画感想た行
SEVENTH HEAVEN
監督: フランク・ボーゼージ
出演: ジャネット・ゲイナー チャールズ・ファレル ベン・バード 

 貧しい下水掃除人のシコは、ある日警察に連れて行かれようとするディアーヌという少女を救う為に思わず「彼女が自分の妻だ」と嘘をついてしまう。道路清掃人にステップアップするところだった彼は、自分の住んでいる屋根裏部屋に彼女を事件が納まるまでいていいと、連れて行く。薄幸のディアーヌはそこで安定を見出し、彼を愛するようになる。彼もまたディアーヌに愛情を抱く。
 幸せの目前で、戦争が起こりシコとディアーヌは2人だけの結婚式でお互いの愛を誓い、シコは戦場へ。

 サイレント映画のBS2の放送で、澤登翠さんの活弁付き。以前見たときは弁士無しだった。どちらでも大泣きの映画。
 もうこれ以上ない、というような究極のメロドラマ。なんてお定まりなんだ、と思いつつ、涙が止まらない。こう書いているだけでも、花嫁衣裳のディアーヌに「君の姿を目に焼き付けておきたい」というシコのセリフを思い出し、目が曇ってくる始末。「シコ、ディアーヌ、天国」…もう駄目。またしてもタオルが必要なほど泣けてきそう。
 屋根裏部屋へ通じる階段、モロに作り物めいた窓からの光景、ディアーヌ役ジャネット・ゲイナーの清純さと美しさ、愛情と信頼に満ちたシコを見る視線、シコ役C・ファレルの強そうで単純そうで男としての自信にあふれた善良男ぶり… すべてが優しい光で包まれて欲しいと思わずにいられない設定。
 戦争に関する大量の人や車のシーンも、当時これだけやったのはすごいな、と思う。
 それで屋根裏部屋に戻ると別世界。やはり階段を上がっていくシーンが素敵。

 どんな時代になっても、こういう素直で純粋な愛情の物語に心を揺さぶられずにはいられないだろう。

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