虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ミスティック・リバー(2003/米)

2005年03月30日 | 映画感想ま行
MYSTIC RIVER
監督: クリント・イーストウッド
出演: ショーン・ペン ティム・ロビンス ケヴィン・ベーコン ローレンス・フィッシュバーン

 ジミー、ショーン、デイブの3人の少年が遊んでいる時に、警官を装った男にデイブがさらわれ、数日して帰っては来たがその間に彼は暴行の被害者となっていた。それから25年後。ある日、ジミーの19歳になる娘が死体で発見される。殺人課の刑事となったショーンはこの事件を担当することになる。やがて、捜査線上にはデイブが…。

 原作を読んだのはかなり前で、映画化されると聞いて思わずあれが~!と思ったのを覚えている。本の印象は決して悪くないけれど、ともかく「人生のやりきれない真実」みたいなものを突きつけられた感じがあって。その感覚は映画より本のほうが強かった。よく出てきた「クソみたいな」っていう言葉が記憶に残っている。人生って、人間ってそんなやりきれないものだけどやっぱり生きていたいのである。

 サスペンス映画としてのあの真犯人が明らかにされていくところと、ジミーがデイブを追い詰めるところは、さすがに監督がわかってるなあ…という展開。大人と子どものそれぞれの時代のショーンとジミーの並んで立って道の先を見るシーンは印象に残る。
 出演者が、ともかく達者な役者ぞろいで、その世界をかちっと作り上げていて辛いながらも目を奪われたまま、最後まで見てしまった。

 そして真実を避けて、自分のフィクションで生きようとする妻たち。アナベスもセレステさえもそうなのだ。
 貧乏くじを引きっぱなしのデイブ。彼は自分の中の少年を救うことが出来たのか?あれでは駄目だっただろう。
 ケイティ殺しはある意味でジミーへの意識せざる復讐であったが、それも未整理のまま。ジミーはそれを目をそむけつつ抱えていく。
 生き残ったものは自分の暗部を意識下に沈めて生きていく。ショーンも知ってしまった孤独感を一生抱えて生きねばならない。
 でも真実が人を癒すと言い切る勇気は果たして自分にあるだろうか。

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