虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

子どもの十字軍/ブレヒト

2004年07月16日 | 
 15日の夜は「メッセージ・イン・ア・ボトル」見てましたが、ケヴィン・コスナーなんとなく苦手です。ポール・ニューマンは渋かったけど声がすっかり御歳らしくこれも渋くなっちゃったなあ、と「ハッド」とかの時代を思い出して映画から心がお留守になりました。

 ブレヒトの詩「子どもの十字軍」は、1941年に書かれた。
 実在の昔の子ども十字軍にも、キリスト教にも直接関係無しに、子どもだけで、ただ平和な地を目指してさまよう子どもたちの詩。マガジンハウス社から矢川澄子訳、山村昌明の銅版画入りの小さな本で出ている。1ページに一連四行が印刷され、どのページも、過去のことでも、子どもだけのことでもない、そのことを思わずにいられない。銅版画の色彩は本当にオリジナルなのかな、本物見てみたいとつい思っちゃうけど、きれいで繊細。特にあてのない道しるべの絵などは胸に刺さりそう。

頭上遥かな雲の中に
あらたな行列は引きもきらない。
寒風のさなか くたびれはてて
ふるさともなく あてどもなく。

もとめるは 安らぎのくに。
砲声もなく 銃火もなく
すてた土地とは別天地---
行列はかぎりなくふえてゆく。 (50~51ページ)

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