虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

アルフィー(1966/イギリス)

2006年10月10日 | 映画感想あ行
ALFIE
監督: ルイス・ギルバート
出演: マイケル・ケイン
   シェリー・ウィンタース
   ミリセント・マーティン
   ジュリア・フォスター
   シャーリー・アン・フィールド

 美貌で道徳観念なんてまるで無いアルフィーは次々に女性と関係を持っても長続きしない。やっと身を固める決心をつけたとき、彼を待っていたのは……

 リメイク版よりなんとなく酷薄な感じがします。ジュード・ロウのアルフィーは自分の行動に「相手のため」の理屈をくっつけて安心してる小心者なところがあったけど、マイケル・ケインのアルフィーはそんな理屈を必要としてません。
 こういう主人公が成立するためには、主演の俳優に、この自分勝手な色男の存在感を肯定させてしまう圧倒的な説得力がないとダメなのはよく分かります。観客に語るスタイルもちょっとアタマのねじが欠けちゃった同級生を「しょーがねーなー」といいつつ見るみたいな気分になります。
 お相手の女性たちの造形も、時代を反映してるなあ、と思います。アルフィーに対して決定的な言葉を告げることになるリッチな年上女性ルビィ役シェリー・ウィンタース、リメイク版のスーザン・サランドン共に、いかにも自分の実力と欲望を肯定できる貫禄ですが、シェリー・ウィンタースのほうが叩上げ的雰囲気が漂っています。

 結局彼は自分の気ままに女性をつまみ食いしたつもりでも、女性たちは意思的に去っていき、人生の上澄みだけすくって味わっているだけでは果実も無く、残るものは…というお話には違いない。でも、彼にはまだ十分時間はあるし、病気も治っているし、それに苦かろうが十分噛み締めるべき思い出があるじゃないですか。


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